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2012年 10月 15日 ( 1 )

観世流 富山松友会「六十周年記念秋季能楽大会」

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10月14日(日)11時、ヤンキースvsタイガースを途中まで観て、車で家を出る。富山県立近代美術館近くのサンマルク(SAINT MARC)で昼食。このレストランは、カップル・家族連れ・女性客が主で、孤独なジジイ^^には似合わない店。しかしながら食事に困っている癌患者としてはア・ラ・カルトがあるので重宝する店である。コーンスープ+イタリアンサラダ+ブラマンジェ フルーツ添え。完食できた。パンが売りの店だが、パンは出なかった(パンは食べ放題だと思っていた。単品注文だったからダメだったんでしょうか)。
お昼頃、富山能楽堂着。この日は、先日松下覚さん(富山松友会会長)からご案内いただいた、「観世流 富山松友会:六十周年記念秋季能楽大会」。午前は素謡4番、仕舞7番。僕は、昼から出席。

正午過ぎ、「『囃子コンサート・ワークショップ』能楽の囃子について」。これは僕のようなド素人にはとてもよい企画だった。ワークショップと云っても観客参加型ではなく、講義実演形式。初めに小西弘通師の挨拶・紹介。その後、阪神能楽囃子連盟「調和会」メンバーの4人によるワークショップ。笛(能管)が赤井要祐師、小鼓が上田敦史師、大鼓が上野義雄師、太鼓が上田慎也師。上野師は還暦で後の3人は30代・40代か。赤井師は祖父・父の三代目、両上田師は兄・慎也、弟・敦史の兄弟。
敦史師による囃子の解説。①「笛(管楽器)+打楽器3」は、世界の音楽の中で珍しい構成。②笛は基音(五音階)がない。生死の間を司る。③打楽器3つは、朝・日の出・命の鼓動を司る。④鼓は馬の皮・櫻の木でできており、太鼓は牛の皮・欅の木でできている。⑤小鼓が陰、大鼓が陽。太鼓のバチは左が陽,右が陰。⑥現在物では太鼓は登場しない。太鼓の刻みは鬼・幽霊の登場。⑦囃子は、木々のざわめき・川のせせらぎ・虫の声など自然界の音に近い。これら自然界の音は西洋人には雑音である(右脳と左脳)。⑧能は呪術であり、能舞台はこの世とあの世の狭間、結界。
実演は素囃子「祈り」。『安達原』『道成寺』などで使われる囃子だそうです。

午後の番組は順に、独鼓『天鼓』、舞囃子『葛城』『胡蝶』『山姥』、素謡『鉢木』、舞囃子『難波』『杜若』『安宅』、素謡『遊行柳』、番囃子『船弁慶』、番外仕舞『菊慈童』『善知鳥』。『船弁慶』(観世小次郎信光・作)は今年これで3回目の鑑賞である。
観世流謡本では『善知鳥』は世阿弥元清作と明示してあるが、梅原猛『梅原猛の授業 能を観る』(朝日新聞出版)では「作者は不詳」だが「私は『善知鳥』は世阿弥の曲に違いないと思います」(p162)。『善知鳥』は菅江真澄(すがえ・ますみ1754-1829)も触れているんですね(同書pp153-155など)。梅原・同書から世阿弥作説を引用。
私は・・・世阿弥も権力者に逆らって、うつぼ舟に乗せられて佐渡へ流されたと考えていますが、「善知鳥」もうつぼ舟と深く関係しているのです。そして世阿弥の流された佐渡からはもしかしたら立山が見渡されたのではないでしょうか。佐渡もまた流人の流された最果ての地です。私はこのような運命の中で、世阿弥はつくづくと、最果ての地で殺生する以外に生きる術のないしがない猟師の運命を思って、このような名曲を後世に残したのではないかと思うのです。(p163)
なお同書には『卒塔婆小町』『清経』『井筒』『善知鳥』『弱法師』『杜若』『安宅』『道成寺』など15曲が取り上げられています。『船弁慶』は「怨霊鎮め」の例として出てきます(p289)。
by tiaokumura | 2012-10-15 08:15 | 謡を習う | Comments(0)