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2010年 06月 24日 ( 1 )

さようなら、アダムさん

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(6月27日夜・記)
四半世紀ほど主宰した奥村学習塾は数年前に廃業した。「塾教師」が天職かなぁと思ったこともありましたが、どうやらそうではなかった。今は日本語教師@富山国際学院。これが「天職」かなぁと思うこともあるが、どうなんだろう。天職かどうかなんて、自分が決めることじゃないし、死ぬ瞬間までわからないことなんでしょうね。

今年度上半期の富山国際学院・学院内授業で、僕はF組担当。佐野久美子さんが担任(3日授業)、僕が副担任(授業は2日担当)です。今学院スタッフは僕を入れて12人いますが、佐野さんは石川純子さん・宮田妙子さんと並んで、富山国際学院勤務歴先輩です。3人も先輩がいるからこそ、僕は学院長職を務められているんでしょうね、ありがたいことです。

F組の僕は水・木曜日担当。ただ僕には学院長としての仕事もあるので、佐野先生に曜日変更・代講をお願いすることもしばしば。
火曜日、佐野さんから引継ぎ。授業進度・学生の様子・宿題などを引き継ぐ。水曜日は早目に出勤。メールチェックなどした後、授業準備。当日の教材のチェック・授業構成の確認など。
午後1時前、4Fの教員室を出て3FのF組教室へ。
F組、1時~4時半の4コマ(1コマは45分)授業。「こんにちは~」と明るく入室。学生の顔をざっと眺めて彼ら・彼女らの本日の体調・授業に向かう意欲などをつかむ。授業開始の「掴み」にはあれこれの方法を使っています。
授業、まずはシャドーイング。教科書『大地』とシャドーイング教材を併用。
次いで前日の宿題。漢字教科書『Write Now!』を回収。この漢字教科書、4コマ目までに返して漢字授業をやらねばならないので、休み時間3回を利用して添削。他の宿題、時間をしっかりかけて解答・解説。「スパイラル」な指導ではこういうところが大切。どの学生はどこまで理解し、どこからが未習得かを確認する大事な時間です。
聴解は、これまで割と3コマ目に取り上げることが多かった。ちょうど教師も学生もだらけてくる時間帯なので、そのころが適当って考えからです。ただF組は2コマ目に取り上げることが多い。担任の佐野さんが各種聴解教材の『大地』との対照表を作ってくださっているので、聴解教材、それに従ってやっていけるので楽&便利。
メインの『大地』は2コマくらい使う。
漢字は0.5コマ強。F組の学生はオール非漢字圏出身なので、短時間で集中が大切だと思う。前日の復習、新しい漢字(1日4字くらい)の情報を提示したり空文字書いたり。「空文字」って意外と効果がある。大人の学習者がそんなんやってくれるかって危惧もあるもんですが、これが意外なことに童心に返って?嬉々として取り組んでくれる。こういう点、教師と学生って(誤解を招く言い方になるかもしれませんが)「共犯関係」なのでしょうね、教室では。
授業最後に宿題提示。「宿題」をコースデザインの中でどう位置づけるかは、とても重要なことだと思う。1日わずか(←異論もあるだろうが)180分の日本語学習では「授業内でできないこと」が多いし、授業であえてやる必要度が低いシラバスもある。日本語教師によって、あるいは日本語教育機関によって、宿題の取り扱いはさまざまでしょうが、僕は宿題を多く出すタイプの日本語教師です。もちろん(他の日本語教師と比べて相対的に)たくさん出す以上は、なぜこの宿題を出すか、について「説明と同意」を心がけている。
授業が終わり教員室に戻る。5時過ぎまでF組副担任・学院長としての仕事をこなす。

アップした写真F組・6月24日です。
アダムさん(写真、前列中央。その右が佐野さん、左が僕)が6月25日でおやめになるのですが、僕は6月25日は名古屋出張でアダムさんの最後の日にはいないので、前日にお別れのご挨拶など。
アダムさんが奥様と富山国際学院にお見えになったのは3月下旬だったか。入学希望者に応対するのも学院長の役目の一つなんで、僕が対応した。その時のアダムさんご夫婦にとって最もお知りになりたかったことは、「富山国際学院は日本語を学ぶに値する日本語学校か」ということだったでしょうね。アダムさんに限らずおそらく全ての入校希望者の一番の関心はそれでしょうね。面談で、アダムさんが「新出語彙はどうやって教えるのか」と英語で質問され、僕は絵カードを使って実際にやってみた。それも含めてのことでしょうね、後に奥様からアダムさんが僕に対して好感を持たれたということをお聞きして、とても嬉しかった。
4月5日、アダムさん、初めての日本語学習開始。そして、6月25日、12週間の日本語学習を終えられた。6月22日(火)のF組で、昨年の日本語能力試験4級を実施。アダムさんは280点近い点数で合格(400点満点・240点以上で合格)。アダムさんはひらがなもカタカナもわからないレベルで始められ、ここまで来られたのだからすばらしい。漢字も大好きになっていただけた。自作教材『Write Now!』準拠・漢字練習プリントの11課までを差し上げたら、喜んでくださいました。
教師は学生によって鍛えられる」という。僕もアダムさんに日本語指導をする中で鍛えられ多くを学ばせていただいた。
アダム・カペルさん、お別れはつらいけど、これからも日本語の勉強を続けてください。
ときどきでいいですから、メールをください。僕は英語がわからないので^^、日本語でお願いします。
またお会いできる日があることをお待ちいたしております。

アダムさんはプロ級の写真の腕前。アダムさんのweb上の写真館Adam Koeppel's Photostreamこちらです。
by tiaokumura | 2010-06-24 16:36 | 職業としての日本語教師 | Comments(0)