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2010年 06月 05日 ( 1 )

こんな授業・あんな授業(15)目下、F組担当中

学院長の仕事として楽しくもあり悩ましくもあるのが授業担当教師の配置。スタッフの高木けい子さんにも相談しますが、最後の決を下すのは僕。外部授業担当者を決めるのも迷いが生じますが、ほぼ通年になる新年度クラス担当者を決める3月は、スタッフの名前を書いたカードをあれこれ動かしてシミュレーション。傍から見たら、「何遊んでんねん」かもしれませんね(激爆)。
新年度のクラス担当者を決めるとき、やっぱ自分は学院長職にあるので、一番難しそうなクラスを担当するようにしています。その前に、非常勤講師の方に担当できる曜日・時間帯のアンケートを取る。で、上述のカードゲーム^^をして最終決定。事前に根回しして、年度末の教員会議で正式発表。
日本語学校には、1日のクラス授業を聴解・作文・読解などに分けて担当者を決めるタイプと、1日のクラス授業を1人の教師がまるまる担当するタイプと、2種類あるみたい。多いのは前者のような気がしますが、富山国際学院は後者。2010年度の僕は佐野久美子さんF組担当。佐野さんは富山国際学院開校準備期からのスタッフで、僕の先輩にあたります(年齢は僕のほうがずっと上ですが^^)。佐野さんが3コマ・僕が2コマ。ただ僕は学院長職も兼ねているので、ときどき佐野さんに僕のコマを代わってもらっています。新年度開設クラスの中で難しそうなF組、佐野さんとならやっていけそうで、コンビを組んでもらいました。

新年度クラスがスタートして約2か月。僕はこれまでにF組14日担当。佐野さんのおかげで、ここまでほぼ順調なクラスです。F組授業から3つご紹介。
『大地』(スリーエーネットワーク)
F組のメインは『大地』。この初級教科書、僕は刊行時から買っておきましたが、初めて使う教科書です。使い勝手のいい教科書です。『みんなの日本語』(初級定番中の定番)だったら、「教科書を教える」で教師はいくらでもラクができますが、『大地』は教師の裁量に任される部分が多いので「教科書で教える」ができ、教師の力量が厳しく問われる分だけ教え甲斐のある教科書でもある。『大地』授業はほとんど担任の佐野さんに頼りきっています。佐野さんとは「スパイラル指導」って言い方で共通理解をしているのですが、『大地』はこれからもぜひ使い続けていきたい教科書です。1つだけケチをつけるとしたら、『基礎問題集』。せっかく『大地』がすばらしい教科書なのに、『基礎問題集』はその良さが生かされていない。『みんなの日本語』をほとんど踏襲した旧態然たる問題集。この間、道上陽介先生@アリス学園(金沢)から学院にメールが届いた。道上先生のクラスも『大地』使用中。『大地』の精神を生かした「問題集」、道上先生たちと開発しようかしらん^^。
『Write Now!』(スリーエーネットワーク)
F組は非漢字圏学習者。非漢字圏対象の画期的な漢字指導法を開発できたら、ノーベル賞ものでしょうね(激爆)。ここ数年続々と出版されている非漢字圏向けの漢字教科書については、以前このブログでご紹介済み。F組の漢字教科書を何にするかかなり迷ったのですが、佐野さんと相談の上、類書の中で『Write Now!』を選んだ。この選択、今のところ、正解です。非漢字圏学習者の漢字学習についてよく考え抜かれた教科書です。続編がほしいのですが、刊行予定なんてあるのでしょうか。
向井留実子先生・築地伸美先生・串田真知子先生、出版元のスリーエーネットワークのご担当者の皆様!
早く続編出してくださ~い。

↑って、ブログで叫んでても声は届かないでしょうね^^。
漢字練習」と称して『Write Now!』準拠の補助プリント、作っています。「漢字学習を続けたい」って意思を持続させるためのあれやこれやの手立ての一つです、この「漢字練習」。4月にアイディアを練り、最初はPCで作成しようと思った。でも、いくら技術が進歩しているとは言え、僕の理想の「漢字練習」形式はPCでは実現不能だった。で、本屋さんに入って手ごろなノートを物色し、10mm方眼罫のJAPONICAノートを購入。悪筆家な自分なんで(恥)「F組のみんな、すまん」と心でわびつつ^^、ノートにBの鉛筆で「漢字練習」を課ごとに作成。ここがボクのずるいというか賢い^^とこなんですが、途中から8mm方眼罫に変えちゃってるんですね、悟られんよーにそれとなく(激爆)。全21課の『Write Now!』に対して第8課まで「漢字練習」作り終えました。
非漢字圏には最初は「書く」ことを厳しく要求しない(初めは認識・読み重視)、ってぇのが非漢字圏向け漢字指導の要諦みたいですが、ボクのプリントはそれに反してます。今のところ学生は食いついてきてますが、この先どうなるか、まだ成算は得られていない段階。
シャドーイング
日本語教育学においてシャドーイングの効果はまだきちんと検証されていないでしょうね。そのシャドーイングを入門期から取り入れようってぇんですから、ボクって無茶苦茶と言うか大胆というか(激爆)。②の漢字指導もそうですが、シャドーイングも従来の考えにとらわれてたんじゃダメ。効果がありそうなことは何でもやってみようってぇのが日本語教師としての僕のスタンス。偏見やビリーフがないっても言えるし単純アホとも言えます、自分^^。
授業記録を調べてみると、4月28日、僕の7回目の授業でシャドーイングを始めています。F組がスタートして3週目です。
最初は『大地』をシャドーイングに使い、先週金曜日からは『日本語を話そう!』(くろしお出版。今のところ日本語シャドーイングの唯一の本だと思う)を併用。『大地』のCDはスピードが遅いのと必ずしも自然な日本語じゃないのが難点で、そういう点、『日本語を話そう!』はシャドーイングにぴったし。
シャドーイングの題材にはあれこれ使ってみようと思います。F組を実験材料に使ってる気持ちはもちろん全然ないのですが、シャドーイングの効果はあるのか・シャドーイング題材に適しているのは何か・いろんなシャドーイング方法でどんな学習者にはどんなやり方がいいのか・シャドーイングの1回あたりの分量はどのくらいが適当か(けっこうストレスフルなんですね、シャドーイングって)・シャドーイングを使った授業のあり方など、今年度、収穫が得られたらありがたい。
以上3つ、目下担当中のF組授業からご紹介。
by tiaokumura | 2010-06-05 20:54 | 日本語教育 | Comments(4)