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2010年 04月 13日 ( 1 )

鳩山由紀夫氏「国民の幸福度調査」に異議あり

寺本益英教授(関西学院大学。日本経済史など)のブログ「寺本益英の日記」は僕がほぼ毎日訪れているブログである。寺本先生のブログの2010年4月10日付記事「国民の幸福度調査」に、
3月1日の『日本経済新聞』に鳩山由紀夫首相が国民の幸福度を調査する方針を打ち出したという記事がありました。幸福度をはかる経済指標を開発し、その向上を目指すといいます。
とありました(同記事より引用ママ)。
寺本先生が疑念を表明していらっしゃるように、僕も「こんなん、どうかな?」って立場です。3月1日から1か月半近く経っているので、鳩山由紀夫氏はそのような調査をあきらめたかもしれませんね。後追い記事については朝日・讀賣・日経で読んだ記憶がありません。

「幸福」を計量化する試みとしてはNNW(Net National Welfare)が有名です。ここでNet/National/Welfareの3語とも検証したいところですが、welfareについてだけちょっと書きます。wefareを「福祉」とした日本語訳、僕は「それでよかったんかいな?」って立場です。welfareと福祉とは、英語概念と日本語概念とでかなりずれているのではないでしょうか。

さて「国民の幸福度」です。世の中には「計量化」できないアイテム(項目)がたくさんあります。
お父さんとお母さんと、子どもにとってどちらといるのがより幸福か計量できますか?
TV受像機・自家用車・海外旅行が余裕~って人と、オアシスまで水を汲みに往復し1日1ドル未満で生活しネット環境がない人とでは、後者は絶対不幸なんでしょうか?
アフリカのサバンナで暮らす少年と、朝鮮民主主義人民共和国で恋愛中の少女と、某先進国で就職浪人中の若者と、3人の中で誰が一番幸福か不幸か、計量して決定できますか?
20年前・40年前・50年前のあなたと今のあなたと、経済指標を厳密に策定して幸福度が計量できますか?
イチローのヒット数やヒットするまでのカウントや打率は簡単に記録できても、ではイチローはどのヒットに「幸福」を感じたのかあるいは感じることがなかったのか、計量できますか?
SEXの回数やエクスタシーの回数は記録できても、ではSEXでどの程度満足できたか(=幸福だったか)計量できますか?
収入がそこそこあって消費もまずまずできて福祉もそれなりに充実している国の国民と、それとは逆の国の国民とでは、前者が「幸福」だと断言できるのでしょうか?
多くの人が「彼/彼女は不幸だ」と認めている人物が、多くの人が「彼女/彼は幸福だ」と認めている人物と、どの程度「幸福/不幸」か計量できますか?
現時点で「幸福度」が計量できるということは、過去に遡っても未来に向けても計量可能を意味することでしょう。そのような計算式は現在の経済学で可能なんでしょうか?
私は思う、「幸福」なんて計量化できないからこそ「幸福」なのであって、計量化の末にでてくる「幸福」なんて、限りなく「幸福」に近づけることはあっても(「擬似幸福」)、本当の幸福かどうか言えないのじゃないだろうか。そういう点では、幸福は「宗教」「民主主義」「自己実現」などと類似しているのかもしれない。

鳩山由紀夫さま
「国民の幸福度調査」はお諦めになられたのでしょうか?
そんな調査をお考えになられるよりは、「今そこにある危機」に対処してください。約100日後に迫った参議院議員選挙までは鳩山内閣を全うされ、さらにその後も内閣を継続する決意をお固めください。5月・6月に「僕、辞職します」なんてことは絶対に言い出さないでくださいね。
私はあなたとほぼ同年齢だと思います。同年齢のよしみで私の妄言、ご容赦ください。民主党やあなたに希望を託した国民の期待にぜひ応えてあげてくださいませ。
by tiaokumura | 2010-04-13 20:35 | このブログのこと | Comments(2)