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2009年 07月 15日 ( 1 )

反逆の時を生きて(朝日新聞)

あの時代の言い方でいけば、僕なんかはノンポリ・日和見で、まぁせいぜい高野悦子(1949年栃木県生まれ。1969年6月24日自死)の日記に出てくる「心情的全共闘派のインチキ学生」だったんでしょうね。クラスメートには民青も全共闘もいた(僕が1965年に東京教育大学に入学した頃は、学内では「民青」が強かったんじゃないだろうか)。東京大学・東京教育大学の「前代未聞」の入試中止のころは、ボクは確か東京を逃げて富山に引っ込み、富山駅近くの観音湯のそばにあった「コロムビア」というパチンコ店で約11か月働いていた。今「コロムビア」の跡地はCiCだろうか。須田ビルがまだ健在だった時代のことである。

朝日新聞「ニッポン 人・脈・記」の今シリーズは「反逆の時を生きて」だった。日本各地であるいは海外で、僕と同世代の中にはある種の懐かしさと悔いの想いで読んだ方々も多いことだろう。そういうのって「ノスタルジー」と断罪されればそれまでのこと。
「反逆の時を生きて」-文・白井敏男、写真・山谷勉。全15回のタイトルと主な登場人物を以下に列挙する。敬称略。
①わが娘の「二十歳の原点」(高野悦子、関川夏央、坪井義哉)
②勝ったと思った 風雲児(秋田明大、羽仁五郎、古田重二良、山本義隆)
③安田講堂 逃げたら悔いる(石川理夫、片桐一成、山崎博昭)
④ゴールデン街 そこに私も(佐々木美智子、渡辺眸、山本義隆)
⑤「いちご白書」は僕だった(松任谷由実、前田仁、立松和平、寺島実郎)
⑥造反教官 孤立してなお(折原浩、高橋和巳、最首悟)
⑦巡り来て「がんばらない」(鎌田實、今井澄、行木紘一)
⑧高校の闘い 偽らぬ自分(白石孝、高橋順一、池田実)
⑨党に寄り添い 党を離れ(宮崎学、川上徹)
⑩丁々発止 いま政界で(菅直人、町村信孝)
⑪世間ゆさぶる 反骨の芝居(流山児祥、唐十郎、猪瀬直樹)
⑫語り継ぐ バリケードの熱(中村克己、田村正敏、大場久昭、横路孝弘、西條秀雄)
⑬成田で耕し 根を下ろし(相原亮司、下山久信・政江)
⑭鏡の中に19歳の自分(加藤倫教、永田洋子、森恒夫、植垣康博)
⑮9条の危機 街頭へ再び(樺美智子、塩見孝也、山本義隆、秋田明大)

あの頃はまだ今のように「大学生」がうじゃうじゃいる時代ではなかった。中卒で働かざるを得ない同年代のほうが多かった時にあって、大学進学者は鼻持ちならぬ「エリート」だった。男が女を性の捌け口やおさんどんに使っていた時代。2009年の今、親の収入が子の教育レベルを決定する時代になってしまったとはいえ、高校進学率も大学進学率も40年前と比べて飛躍的に高まっている。女性も、雨宮処凛(1975-)に代表されるように、堂々とアホな男と伍していける能力が発揮できるようになった。
あの頃は、「反逆」はしても結局のところ選択しようとさえ思えば就社や教職など「約束された未来」が選択できた。あの後も全体としては「右肩上がりの時代」だった。今、若者たちに政治も経済も「明るい未来」を保証できていない。彼ら・彼女らは、いつ自分にジェットコースターで下がる一方の人生が訪れるか、不安と恐怖で人生設計などできない。あの時代を生きて今日があるあなたや僕は、何もしなくていいのだろうか。

金も名誉も地位も得ぬまま、それでも今の僕は「何かができる」能力を得た。昨日7月14日はフランス革命記念日。僕の若き日の理想は「自由・平等・博愛」だったんだと、この年になって実感できる。僕は若き日の理想を少しでも実現するために、組織や運動体を創りあるいは求めて、死ぬまで活動しようと思う。
連帯を求めて孤立を恐れず
青臭いと笑われるだろうが、東大安田講堂の壁のこの落書きは、僕を含むあの時代を共有した人々の胸に刻印されているのではないだろうか。
by tiaokumura | 2009-07-15 20:33 | このブログのこと | Comments(0)