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2009年 01月 03日 ( 1 )

イ・ヨンスク「踊る女」(岩波書店『図書』2009年1月号)

イ・ヨンスク(이연숙。1956-。一橋大学教授)はサントリー学芸賞の『「国語」という思想』でその名を知って、いつか彼女の著作を読みたいと思いつつ、未だに読んだことがない。
その彼女、岩波書店の『図書』の今月号で崔承喜(최승희。1911-69?)のことを取り上げている。
僕が生まれ育った家に「舞踏」なんて趣味は存在しなかったから、崔承喜(チェ・スンヒ。日本語読みは「さい・しょうき」)のことをリアルタイムで知ることは全くなかった。皆さんもそうでしょうか、高野悦子が岩波ホールでだと思うが記録映画『伝説の舞姫・崔承喜-金梅子が追う民族の心-』(2000年。藤原智子監督)を上映するというニュースを読んで、初めて「崔承喜」の名を知った。リアルタイムで崔の踊りを見ている高野は「七色の虹が残ったという感じ」と表現しています。
そして富山大学言語学コースに在籍していた1年目に、和田ひろ美助教授-肩書は当時-の06年前学期「朝鮮言語文化概論」(学生に阿らない・すばらしい授業でした。和田ひろ美先生、ありがとうございました! 先生の膨大なレジュメ、今も大切に持っています)を受けてて、そこには崔承喜も出てきて貴重な映像も見ることができました。

『図書』は「本誌掲載の記事は無断転載をお断わりします」だそうなので引用しませんが、イ「踊る女」の「男たちは思想やイデオロギーで・・・」で始まる最後の7行(同誌P.21)、元旦のNHK討論番組での勝間和代vs男の「論客」たちを連想しました^^。『図書』は大きな本屋さんに行けばたいがい無料で置いてありますから、各自ご入手してご確認ください。
イはジョセフィン・ベイカーカルメン・ミランダも視野に入れながら崔承喜を論じている。
イも触れているのですが、僕にとって大きなショックだったのは、大韓民国の民族問題研究所・親日人名辞典編纂委員会の手により崔承喜が『親日人名辞典』に入れられるというニュース。彼の国で「親日」とは「日本に魂を売った売国奴」みたいな意味なんでしょうね。僕が東洋の島国から韓半島に抗議しても無視されるだけだろうが、朝鮮民族の誇りである崔承喜を『親日人名辞典』に葬り去って、何になると言うのだろうか。大韓民国当局は、朝鮮民主主義人民共和国が「愛国烈士陵」に葬った(そこに至るまでの経緯にはよくわからない部分がいくつかある。何よりもまず没年月日が不明)以上の名誉を、崔承喜に授与すべきであると思う。

『図書』には中井久夫が連載中(「私の日本語雑記」)で、今月号は「言語と文字の起源について」です。富山大学在学中の加藤重広先生・海部陽介先生の授業で「言語の起源」(「正統言語学」ではタブーなテーマのようです)についても、アホな頭を絞って考えてみたことがあります。
『図書』のいい点は、本文末尾の筆者表記です。(い よんすく・社会言語学)(なかい ひさお・精神医学)-原文縦書き-ですもんね。こういうところ、岩波書店が信頼されている所以の一つでしょうね。

このブログ、これからはできるだけ字数を削ぎ落とし、PC画面1面つまりスクロールしなくても読める分量にしようと思っています。晴れてその第1回になれたかな?、この記事(激爆)。

(追記)「スクロールしなくても読める分量」になってませんでした(恥)。明日こそ(爆)。
by tiaokumura | 2009-01-03 20:21 | | Comments(0)