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2006年 10月 21日 ( 1 )

尾山景子さん

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北日本新聞2006年10月21日付越中讃歌
母の伝授 尾山景子
見出し「自然に覚えた読経

富山にUターンしたのは、かれこれ4半世紀以上前。その後、節子と結婚した。二人の数少ない共通の趣味がコーヒーやジャズだった。結婚後、富山市やその周辺のジャズの店やコーヒー店を探訪したのだが、せっかく気に入ってもその店がなくなったり、コーヒーはまあまあだが雰囲気が悪かったり、などで、「これは」という店に出会えなかった。金沢の「もっきりや」(日本橋三越前の「パルム」で働いていた頃にできた店。コクテール堂のブレンド、たぶん「風月」を使っている)が二人の唯一と言ってもいい「お気に入りの店」だった。妻には僕のたてるコーヒーが一番だった(僕の腕ではなく、コクテール堂のコーヒー豆だからなのだけれど^^)。
尾山景子さんの喫茶店「勿忘草」は、以前県庁近くにあったときは行くチャンスがなかったのだが、現在の富山市太郎丸に移転した後、あれは1992年の夏だったか、夫婦で初めて訪れた。お店の雰囲気(画集や詩集が本棚にびっしり並んでいて、クラシックがBGM)もいいし、尾山さんのたてるコーヒーもおいしかったので、月に1回くらいのペースで訪れるようになった。やっと見つけた「お気に入りの喫茶店」。僕たち夫婦は二人とも人付き合いが不得手なのだけれど、尾山さんとはごく自然に会話ができた。特に妻はずいぶん明るく尾山さんと接していた。僕はといえば、貴重な画集を見たり二人の会話にときどき参加したりして、ゆったりした時間を過ごしていた。県内では有名な詩人でもある尾山さんなのだが、僕たちのような素人にも、わかりやすい話をしてくださっていた。
そんな尾山さんの店を夫婦で最後に訪れたのは2002年の夏ということになるだろうか。2003年の春以降、一人で訪れてみようかと思ったこともあったが、けっきょく行きそびれたままでいる。

地元紙に毎週土曜日に掲載されている「越中讃歌」、今朝の執筆者は尾山さんだった。僕がごく間近に見た詩人は谷川俊太郎・吉増剛造・大岡信くらいなのだが、親しく話ができた「詩人」は尾山さんだけである。「勿忘草」に通っていた頃、お母様の介護のことは何度か会話中に出ていたのだが、今回の文章によると、この5月がお母様の一周忌だった。「なんまんだぶつ」「緑色」をキーワードに今回の文章は綴られている。母娘の関係を通して時の流れを活写した名文。文章中に詩が2編。
この秋、約4年ぶりに「勿忘草」を訪れてみたい、そんな気持ちになった。妻が尾山さんからいただいた「詩」が、妻の机か本棚にあるはずだ。探してみようと思った。
by tiaokumura | 2006-10-21 19:13 | 富山 | Comments(0)