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「親が外国人 30人に1人」(北日本新聞2008年8月4日付)

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披露宴の司会者が言う、花婿の父はブラジル・母は日本、花嫁の父は日本・母は中国が母国なのだと。宴席の料理は中華料理で、サンバチームが会場を盛り上げる。花嫁の友人がフォルクローレを演奏し、花婿の友人チームはフィリピン・タイの結婚祝歌メドレー。
そんな光景も20年後には珍しくなくなるでしょうね。いや、もう日本国内のあちこちで実現しているかもしれない。
北日本新聞2008年8月4日付「親が外国人 30人に1人」。同記事に拠れば、
2006年に出生した赤ちゃんのうち「父親が外国人」が約1万9千人、「母親が外国人」は約2万6千人、これらのうち「両親とも外国人」は約9千人。
つまり、2006年の新生児で「親の少なくとも一方が外国籍の子」は35651人で、これは新生児全体の3.2%にあたるそうだ。
また同じく2006年に
国内で結婚し、婚姻届を出したカップルのうち、一人または両方が外国人の組み合わせは6.6%で約15組に1組。
だそうである。

海外からの移住・日本国内での定住・結婚・出産によって増え続ける外国人。そのような時代にあって、日本語教師の私(たち)も
①日本語教育がどのように・どこまで保証されるのか
②義務教育・進学・就職にあたっての「壁」はどの程度取り払えるのか
③母語や民族文化伝統の継承、アイデンティティの確立はうまくいくのか
④日本社会は彼ら・彼女らの母語や文化を積極的に受け入れていけるのか
などの課題に取り組んでいかなければならない。今そしてこれからの日本語教師は、教える技術を深めることはもちろん、自己啓発や日本社会への発信が要求されるのである。
先日参加した日本国際理解教育学会」のシンポジウム(会場・富山大学)で、フロアの中国人女性の研究者が「日本では『多文化共生社会』とよく叫ばれるが、『多文化共生社会』の理想像が何か明示されていない」との主旨の発言をされていた。確かにそのご指摘のとおりだろう。「多文化共生社会」は甘い言葉だが、その内実が日本社会・日本文化への同化の強制であってはならない。
同記事の王慧槿さん(「多文化共生センター東京」代表)の
「肌、髪、瞳の色が違う日本人が増え、日本人が多様化しているのに、社会の認識は追いついていない」
また、張学錬弁護士
「外国人も同じ税金を払っているのに、社会の仲間と見なさず排除する人が多い」
とのご指摘は全くの正論。
また稿を改めて論じたいが、日本語教師の端くれとして日本語母語話者にお願いしたいのは
・日本語の窯変を受容していただきたい
・他文化・他言語に少しでもなじんでいただきたい
の2点である。

北日本新聞の同記事の前日、8月3日付の朝日新聞楊逸さんとリービ英雄さんの対談「日本語で紡ぐ 意味と喜び」が掲載されていた。
楊逸「中国語受け入れて日本文学広げたい」
リービ「文化の違いに体当たりして書く」
もちろんこのお二人は言わば「エリート」で、あなた(たち)や私(たち)の「隣人」ではないが、あなた(たち)や私(たち)の隣人に「日本で生きててよかった」と思ってもらえるよう、私たちにはそれなりの覚悟と努力が必要である。いや、そんな堅っ苦しく思わなくても「日本語非母語話者たる隣人(たち)とその子孫」とのお付き合いは、あなたの人生にもきっと益するところ大なのである。

福田首相の「留学生30万人計画」はまだ「絵に描いた餅」段階だが、私はその実現を期待したい。と同時に「親が外国人 30人に1人」時代に対応した政策も実現していただきたいものである。ボランティアや民間に頼っているばかりでは「政治」が泣く。
by tiaokumura | 2008-08-06 08:04 | 日本語教育 | Comments(0)


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