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興味が削がれる、北京オリンピック競泳

肉体を鍛え上げ「より速く」を競い合う。古くはローズvs山中があり、マーク・スピッツの偉業があった。いくたのライバル物語や伝説やエピソードに縁取られた花形種目-それがオリンピック競泳

今朝の朝日新聞を見てビックリ。例のスピード社製のレザー・レーサーを着た日本人スイマーたちが、な・な~んと一日で5個の日本新記録。
4月の日本選手権が6日間で日本新が8個だったのと比べれば、そして、今はオリンピックに向けての調整期間(オリンピック時にピークを持っていくべく選手はコンディション作り中)であることを考えれば、僕のような素人にも今回の日本記録ラッシュが「スピード水着」によることは明白。
こんなんでいいのだろうか。
かつて棒高跳びで似たようなことがあった。グラスファイバー製のポールができて記録が飛躍的に伸びた。あれは結局反発力を制限したかで解決したのだったろうか。
今回は「浮力」がどうとか。よう分からんのですが、それまで国際舞台で無名だった選手がヨーロッパで世界記録を打ち立てたあたりが始まりで、そりゃ選手としては着てみたくなるのは当たり前でしょうね。ましてや4年に1度のオリンピックイヤー。で、日本でも選手の要望に応え、他社の競泳水着メーカーの複雑な気持ちをよそに、ジャパンオープンで使用という運びになったのでしょうね。
「3人がかりで着せてもらった」なんて女子選手の弁を読んでて、お姫様が侍女たちにコルセットつけてもらってるような図を連想しちゃいました^^。「そこまでしてやるか」と言う人もいるかもしれませんが、やるんですよね、彼女にはオリンピックに賭ける夢がある。百分の一秒差で金か銀が決まることだってある競泳、少しでも速く泳ぎたいってのは全てのスイマーの願望でしょうね。
北島康介(アテネ五輪・平泳ぎ2冠)がTシャツに書いてる
I AM THE SWIMMER
泳ぐのは僕だ
是我在遊泳

は彼の精一杯の抵抗、水泳選手としての自負の表れでしょうね。北島って正直言うと今まであまり好きじゃなかったのですが、今回の彼のTシャツパフォーマンスを見て、ナマイキ言いますが、彼を見直しました。

北京オリンピック競泳。いっそのこと次のようにすればいいんかもしれん。
(北京では中国語・英語の放送になるのでしょうが、以下は日本語)
ただいまより男子100メートル平泳ぎの結果をおしらせしま~っす♪
いっちゃ~っく スピードしゃ タイム58秒16 世界新記録~♪
にちゃ~っく スピードしゃ タイム58秒18
さんちゃ~っく おなじくスピードしゃ タイム58秒52
よんちゃ~っく またまたスピードしゃ タイム58秒89
ごちゃ~っく Aしゃ~(匿名希望~) タイム59秒42
ろくちゃ~っく Mしゃ~(匿名希望~) タイム59秒45
ななちゃ~っく Dしゃ~(匿名希望~) タイム59秒46
はっちゃ~っく アしゃ~(匿名希望~) タイム59秒46

そして表彰式。スピード社の社旗(うん?そんなのない?)が3本、スピード社のCMソング(うん?そんなのない?)が演奏される中、ゆっくりと掲揚されていく。

スピード社はイノベーションで何の罪もないのでしょうが、ドラッグのスピード、連想しちゃいました、ボク。ごめんなさい。国際水連もスピード水着着用OKにしたのですから、僕なんかが文句言う筋合ないんですが、なんか・・・納得いかない。
いっそのこと、短水路・長水路で世界記録別々みたいだから、スピード社・他社メーカーで記録分けたら、なんてアホなことも思う(激爆)。

北京オリンピック、北島がTシャツで訴えているように、選手が主役じゃなく水着が話題をかっさらいそう
こうなったら、スピード社製のめちゃ高い水着なんて買えない国の選手が、自国製のスイムスーツ着て6位入賞を果たしてほしい。そういうのが報道されたら、僕は彼または彼女に大きな拍手と喝采を贈りたい。

オリンピックは参加することに意義がある」時代は遥か昔。既に勝利至上主義になってしまっているオリンピック、今回のスピード水着を契機に、「高速水着を高いお金を出して買える選手が勝てる」という経済格差モロ露出時代になってしまうんでしょうね。
by tiaokumura | 2008-06-07 19:54 | Comments(0)


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