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49年ぶりのフランス人オスカー女優、誕生

第80回アカデミー賞、俳優部門4人とも欧州勢ってことで、アメリカ人の度量の深さみたいなの感じました。アカデミー賞は業界人の人気投票だなんてけなされることもありますが、でも「外国人4人に賞を出す」ってすごいことですよね。で、ジュリー・クリスティらと競って主演女優賞を獲得したのがマリオン・コティヤール(Marion Cotillard。邦題『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』)。フランス人女優としてはシモーヌ・シニョレ(Simone Signore。59年『年上の女(Room at the Top)』(この映画でカンヌの女優賞も受賞)以来49年ぶりの快挙になるそうです。シモーヌ・シニョレっていました、確かに。戦後のフランス人女優って言うと、ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーブ、ジャンヌ・モロー、アンナ・カリーナらが有名で、シモーヌ・シニョレはそれほどでもなかったけど、イブ・モンタンと再婚、モンタンがマリリン・モンローと不倫関係になったときには自殺未遂も。奇妙な符号というか、コティヤールは1975年9月30日生まれで、シニョレは1985年9月30日に亡くなっています。また、シニョレは社会問題、コティヤールは環境問題に関心(コティヤールはグリーンピースのメンバー)。
YouTubeにこないだからOscarsも入ったので、コティヤールも載ってるかと思ったのですが、彼女の受賞スピーチはまだのようで、バックステージの様子があるだけです。でも、YouTubeのOscars、例のMichael Mooreの「ブッシュ、ばかやろう発言」(爆)、全部見られます(blasting Bush)。ハリウッドってほとんど民主党支持者かと思ってたのですが、Mooreのスピーチに不快感を示す会場も映し出されてます。
で、コティヤールは受賞スピーチ、不慣れな英語でしたとのことですが、それはネットでも見つからず、mag2のメルマガ「初級フランス語講座」に出てました、フランス語版で。
J’ai toujurs eu de grands reves. Maitre Olivier Dahan, tu as bouleverse ma vie, vraiment. Merci l’amour, merci la vie. C’est vrai, il y a des anges dans cette ville.
私にはいつも大きな夢がありました。Olivier Dahanさま、あなたは本当に私の人生を大きく変えてくださいました。愛に感謝し、人生に感謝します。この街には本当に天使がいるんだわ。(訳―奥村)
「Olivier Dahan」(オリビエ・ダーン)は監督、「この街」はロサンゼルス(ハリウッド)。
受賞作のタイトル、フランス語原題はLA MOME、、英語題はLa Vie En Rose、そして日本語題は「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」と三者三様なのはおもしろい。「バラ色の人生」もピアフの名曲だけど、日本人にはオードリ-・ヘップバーンが主演作の中で歌ってるイメージがあって、「バラ色の人生」とはつけにくかったのかも。でも、日本語タイトルも映画の内容一目瞭然で「名訳」ですよね。「愛の讃歌」も越路吹雪で日本で大ヒットしてるし。
全編外国語の映画での主演女優賞はソフィア・ローレン(61年『二人の女』)以来だそうで、もちろんフランス語版映画では初のこと。
コティヤールって、僕、彼女の出てる映画、見てるんですね。それはLuc Bessonの”TAXi”シリーズ。僕の記憶が正しければ、確か恋人役(Lili Bertnineau)で、パパは有力軍人。彼氏が事件に巻き込まれて彼女の家に行けないってTELしてきて、彼女、かなり際どい台詞^^言ってた。あの時はまだこんなすごい女優になるとは思わなかった。
受賞作の『エディット・ピアフ~愛の讃歌』ですが、そういうの上映って知ってましたが、実はボク観てません。まだ上映されてるのだろうか。DVDででもいいから観てみたい。
英語でlip-syncって言うんですね。映画中で歌ってるのはJil Aigrotでコティヤールはいかにも歌ってるように口を動かす。これってインチキでも不名誉でもないことで、オードリー・ヘップバーンの『マイ・フェア・レディ』だったか、ジュリー・アンドリュースだった。コティヤールは歌で勝負したんじゃなく演技で勝負した。30代の彼女が、10代から没年までのピアフを演じた。ネットのCNN、そのあたりこう書いています。
Pretending that Aigrot’s prerecorded vocals were coming from her own mouth was the major change for Cotillard, who spent long hours trying to capture Piaf’s expression and body language.
コテイヤールのピアフ観も、ネットのCNNから引用。
“That’s what was beautiful in her, the strong woman she was, and at the same time the little girl. The little girl who needs to be protected, to be loved, and more than loved, because I think when you’re abandoned, you will search for love all your life. And maybe you won’t find it, because you will never find your mother’s love.”

受賞以前から決まってたようですが、ジョニー・デップと共演だそうです。ますます人気が出そうなコティヤールです。
フランス人は自国文化を大切にし「アメリカ何するものぞ」ってとこあると思いますが、今回のアカデミー主演女優賞の受賞、どういうふうに思ってるんでしょうね。素直に喜んでるのか、あるいは「なんだ、あんな賞」なのか。ちょっと知りたいですよね。

LA MOMEのフランス語公式サイトはこちらLa Vie En Roseの英語公式サイトはこちらです。

(2月29日夜・追記)
マリオン・コティヤールの受賞スピーチ、YouTubeのこちらに出てます。
by tiaokumura | 2008-02-28 23:58 | 映画 | Comments(2)
Commented by MegQ at 2008-02-29 00:31 x
"I think when you’re abandoned, you will search for love all your life."

The meaning of this sentence is very nice^^
Commented by tiaokumura at 2008-03-16 19:23
MegQ-san. Long time no see. But, yeeeeehs, we will soon see. YOUR school welcomes メグさん(*^_^*) Whoever teaches 日本語 to u, you'll be satisfied with 日本語の勉強.
I'm looking forward to seeing メグさん(^^♪


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