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H組、まずまずのスタート

富山国際学院就学生の定員が60名の小規模日本語学校。今年4月時点でほぼ定員に達していて、10月新入生、例年だと10名以上入るのですが、今期は3名だけ。「定員増やせば」って声もあるし、そのことは不可能でもないのですが、う~ん、難しいところ。増やしたらそれを維持していかなければカッコ悪い^^し、現在の校舎・スタッフでちゃんとした語学教育ができるかどうか自信がない。一昨年まで県内にはうちを入れて3つの日本語学校があって(今は、県が力を入れて作った日本語学校が廃校になり、2校)、うち以外はどちらも自前の立派な校舎があって、ちょー羨まし~(爆)。うちの場合、ビルのオーナーのご厚意できわめて安い家賃で借りさせていただいている。ゼータクを言える身分じゃないんですね、僕たち。「ここがロドスだ、ここで踊れ」なんで、学校としては見栄えは悪いかもしれないけど、今の場所でがんばるっきゃない。1クラスの定員も、上限20名までにしても日本語学校として決して違反じゃないんだけど、「語学学校」で1クラス20名は「自殺行為」ですよね。少なくとも僕には初級クラス20名なんて教えられない。

10月、新しくH組が開設。増山さんが担任で僕が副担任。僕は火・水の2コマ担当。増山さんとは04年10月-05年3月以来で3回目のコンビになるかなぁ。彼女も僕も「猫背」なもんで、1回目は「猫背コンビ」などと自称してた^^。僕は学院でずいぶん恵まれた環境にあり、現在の13人の教師中、まだ組んだことがない人は2人だけ。また、入門期・初級・中級・上級と、ほぼまんべんなく担当させてもらっている。
9月までG組2コマ担当だったんですが、H組はG組と同じ初級になる。1年に2回も『みんなの日本語Ⅰ』(初級教科書の定番中の定番)を教えられるのは、僕にとっては珍しい。
昔(ってほど経験があるわけじゃありませんが^^)初級を教えてた頃は、語彙コントロールを完璧に、文型を一つひとつ積み上げて、許容範囲を狭めて「(教科書にある)正しい日本語」を完全に習得させ、4技能バランスがとれた学習者に育て・・・と思ってたが、最近は、それらも全く「ムダ」とまでは思わないが、少し考え方が変わってきた。それは、野田尚史先生(大阪府立大学教授)の「コミュニケーションのための日本語教育文法」の影響もあるのだが、
①最初っから自然な速度の自然な日本語を心がける
②必要な語彙・表現は教科書になくても積極的に入れる
③教科書の「文法」は取捨選択して整理して取り上げる(例えば「と・ば・たら・なら」「補助動詞」など)
④許容範囲を広げる。絶対ダメなところは厳しく指導するが、長期的に見て「この程度のまちがいはOK」「次のステップにいけば本人が自分で矯正可能」ってとこは、あまりしつこくダメ出ししない(その「見極め」は難しいけど)
⑤(特に聴講生の場合、)4技能の凸凹があってもいいから、must技能を養成する
⑥日本語使用者として、彼/彼女にとって何が最も「幸福」なのかを常に視野に入れておく
などと言ったところ。要は当たり前のことですが「教科書教える」じゃなくって「教科書教える」ということ。ただ、これがまた「言うは易し、行うは難し」なんだけど。
初級に限らず、キャッチコピー風にまとめれば「楽しくて・わかりやすくて・役に立つ授業」が学ぶ側の理想であり、教える側の心がけるべきことでしょう。日本語教育で「学習者中心主義」ってのが言われて久しいのですが、わが身を省みても「学習者中心主義」が実践できているか疑問。教える上で「楽しさ」と「わかりやすさ」と「役に立つこと」の3つは鼎立しがちで、優先順位も一律に決まらない。「楽しかったけど、結局それだけだった」「役に立ちそうだってのはわかるけど、自分で使うのはまだ無理」「わかりやすいけど、なんか不安」などが学習者の率直な感想かもしれない。まだまだ経験の浅い僕のような教師には、3つながら揃った授業って、年に何回できるか。

昨日のH組担当初日、朝6時に目が覚めました(照)。あいかわらず小心者なんですね、ボクって(恥)。でも、そんな風にナーヴァスに「なれる」自分って、許せるような気がする。下手にベテラン面してエラソーに教えるのって、ボクには似合いませんものね。

今年はお見えにならなかったみたいですが、毎夏金沢にプリンストンの学生を引率されて(Princeton-in-Ishikawa)来られる牧野成一先生(プリンストン大学教授)のご講演、ほぼ欠かさず金沢で拝聴している。先生は「毎年、新入生=初級を教えてるんです」とおっしゃってた。「初級」って、大変だけど教えてて一番楽しいレベルでもある。これから半年、山あり谷ありだろうけど、日進月歩な学生たちと喜怒哀楽を共にしていけるのは、ありがたいことである。
今回のH組、今のところ8名(聴講生7・就学生1。中国7・フィリピン1。中国・ネパール・イタリアなどの学生がこの後参加予定)。実に珍しいことなのですが、初日2時限目終了時で、8名全員の名前&顔、覚えられました! 記憶がちょーアホなボク、奇跡ってあるもんなんですね(嘘爆)。
by tiaokumura | 2007-10-03 20:23 | 日本語教育 | Comments(0)


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