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「藤沢周平の世界」

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朝日新聞社「藤沢周平の世界」創刊号

藤沢周平は熱心なファンが多い作家だが、僕はまだたくさんは読んでいない。昨年夏だったか手当たり次第に^^読んでみたいと思い、文春文庫その他で15冊くらい購入したのだが、今日現在、未読のほうが多い。

『蝉しぐれ』は後30年くらいは残る傑作だと断言できる。
この作品を知ったのは、10年ほど前だったか中学教科書に採択された時。「藤沢周平」の名前と作品名くらいは知っていたのだが、中学教科書に載るとは正直「意外」だった。教科書には、ふくが指を蛇に噛まれ、文四郎が口で蛇の毒を吸いだしてやる場面を中心に掲出されている。
僕の場合、『蝉しぐれ』はTVドラマが直接のきっかけと言うことになるだろう。文四郎役の男優もよかったし、お福役の女優(年齢的に無理な場面もあったが^^)もよかった。主題歌もよかったし、宮藤官九郎(クドカン)が文四郎の親友の一人で出演していたのもよかった。蛇の場面、文四郎が父(義父)の亡骸を一人で運びそこにお福が手助けに現れ懸命に押す場面、そして、最後の文四郎とお福の「逢瀬」の場面など今もありありと思い出す。ドラマと同じ監督で映画化もされて評判も良かったようだが、文四郎役の男優がどうも適役に感じられず、見なかった。
これまたTVドラマになるが、「秘太刀 馬の骨」もよかった。文四郎役だった男優が主演。テーマソングを近藤房之助が和服姿でトランペット演奏するところが、新奇なのに違和感がなくよかった。『秘太刀 馬の骨』は、どうも最後の謎解きが僕にはできていない。どうだったんだろう、結局。
↑と言うわけで、なんかTVドラマを通じてしか「藤沢ファン」になっていないし、評価も「よかった」しか言えてない僕ですが(自爆)、時間を見て藤沢周平にどっぷりつかりたいとは思っています。
彼の作品について少しだけ言うと、僕は(他のお気に入り作家の場合もそうなんだけど)「文体」が好きなんだろうなぁ。そして、「情景描写」がうまい。字義通り、「情」景、なんですね、彼のは。あとはリリシズム、人物のひたむきさ・ストイックさ。
ひとつだけ難を言えば、彼の現代を舞台にした作品、つまらない(ごめんなさい、藤沢ファンの方々)。

今回刊行開始のこのシリーズ(全30巻)、初回特典なのでしょうか、綴じ込み別冊に「「藤沢周平年表」「藤沢周平作品 単行本全装幀」など、さらにポストカードのおまけでついています(爆)。
by tiaokumura | 2006-11-02 16:49 | | Comments(1)
Commented by shozo at 2006-11-02 19:25 x
蝉しぐれ

藤沢周平
文藝春秋
1988年5月10日第1刷
1988年6月15日第3刷
初出「山形新聞」夕刊昭和61年7月9日より62年4月10日
(もくじ)
朝の蛇
夜祭

雲の下
黒風白雨



逆転
刺客
蝉しぐれ

<コメント>
・ 藤沢周平の傑作で、江戸時代の田舎の藩(海坂藩)に生きる侍の生活がいきいきと描かれています(良質な時代小説といえます)。
・ 映画化やテレビ化もされており、どれをとっても素晴らしいもので、どれから入っても充分に楽しめます。
・日本が美しく日本人が美しかった頃を描いた。はかなく、せつなく、ある場合には、悲惨でさえもある場面が一杯です。
<以上>


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