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バビロン忌(森有正、没後40年)

f0030155_6542419.jpg1976年10月18日、森有正(もり・ありまさ1911-76)さん、ご逝去。65歳の誕生日まであと1か月ほどでの死だった(当時、僕は30歳)。今、僕は、森の没年から5歳を超える。僕は年老いた←実感^^。僕は生きているということだけで、こうして、森有正を思い出せる年齢になっているんでしょうね。アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti1901-66)は長寿だったと勝手に思っていたが、彼は僕よりも早く64歳で亡くなっている。森とジャコメッティ、同じ年齢でのご逝去。

アップした写真
森有正『バビロンの流れのほとりにてSUR LES FLEUVES DE BABYLONE』(筑摩書房昭和43年6月10日・初版第一刷 定価820円)
です。
本書冒頭の
一つの生涯というものは、その過程を営む、生命の稚い日に、すでに、その本質において、残ることなく、露われているのではないだろうか。(p3)
は、森有正・1952年10月8日@パリの記述。本書のこのページ(縦書き2段組み)の左に僕は、ジャン・グルニエ(Jean Grenier1898-1971)『孤島』の
どんな人生にも、とりわけ人生のあけぼのには、のちのすべてを決定するような、ある瞬間が存在する。そんな瞬間は、あとで見出すことが困難だ。
を引用している。グルニエは、大学生時代に出会った親友・宮崎健二君に教えてもらったように思う。若いときって、わかんないままに映画を観たり音楽を聴いたり本を読んだり、誰かを好きになったり親友を羨んだりSEXが怖かったり、お金への潔癖感やら優先順序やら権威権力との関わりにとまどったり、したんでしょうね。そんな若い頃に出会った『バビロンの流れのほとりにて』は、やがて僕が死んで死体を燃やす前の棺にあれこれ入れられたら、ぜひ入れてほしい本の一冊です。

バビロンの流れのほとりにて』の装幀は栃折久美子(とちおり・くみこ1928-。『モロッコ革の本』『森有正先生のこと』など)です。製本工芸家の彼女と思想家・森との物語も忘れられない。僕は森の死後、二人の真実の関係を知ったのですが。リルケ 森有正訳『フィレンツェだより』(筑摩書房)も栃折の装幀です。

森有正は『バビロンの流れのほとりにて』の「一九六八年版へのあとがき」で心残りを書いている。
・・・ただ一つ心残りは巻末に語彙索引を附することができなかったこと・・・
と彼は書き残す。自分、無謀にも本書に語彙索引をつけようと、若き日のほんのひと時ですが、思ったこと、あります。
「あとがき」には「友人辻邦生氏」「装幀をして下さった栃折さん」の名も。

本記事タイトルの「バビロン忌」は僕の勝手な命名です。ご容赦&陳謝。
by tiaokumura | 2016-10-18 06:54 | 追悼 | Comments(0)


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