人気ブログランキング | 話題のタグを見る

時代の共鳴者 辻井喬・瀧口修造と20世紀美術

時代の共鳴者 辻井喬・瀧口修造と20世紀美術_f0030155_12102949.jpg堤清二・辻井喬(つつみ・せいじ/つじい・たかし1927-2013)も瀧口修造(たきぐち・しゅうぞう1903-79)も高校生時代には知らなかったでしょうね。当時、受験では小林秀雄や唐木順三らで、大岡信も外山滋比古もデビューしたてだったかも。瀧口は西脇順三郎から知ったか。彼が高校の大先輩、戦前から活躍、なんて全然知らなんだ。富山にはデパートは大和だけで(のちに西武ができ、のちに潰れた^^)、やがて上京して池袋を屯(たむろ)するようになって、西武は池袋東口で東武は西口ってぇのに面白さを感じたものだ。

北陸新幹線開業記念
時代の共鳴者 辻井喬・瀧口修造と20世紀美術
-セゾン現代美術館コレクションから-

軽井沢にあるセゾン現代美術館は、現代美術の傑出したコレクションで知られています。その成り立ちには、詩人である辻井喬(堤清二のペンネーム)の存在を欠かすことができません。当館は、富山県出身の詩人・批評家である瀧口修造の美術へのまなざしを受け継いで、作品の収集を行い、それはセゾン現代美術館のコレクションと重なり合っています。
辻井と瀧口、二人はともに同時代美術の擁護者として作家たちを支援し、その紹介に努めました。本展では、同時代の表現に共鳴した二人の詩人が、いかに20世紀美術を捉えたのかを、セゾン現代美術館のコレクションを中心に紹介します。
富山県立近代美術館
~1月17日(日)
一般 900円
公式サイト こちら

3連休の中日・1月10日(日)鑑賞。会場入り口に、辻井の瀧口へのオマージュ詩になるのでしょうね、「[炉のような]-瀧口さんへの頌歌」。1986年作。ここで辻井は「炉」を「すべてが入ってゆく」「すべてが出てゆく」装置の象徴として描いているようである(間違ってたら御免なさい^^)。
展覧会は「Ⅰはじまりのパウル・クレー」「Ⅱ二人の詩人、二つの美術館」「Ⅲ詩人たちの憧れ-20世紀の巨匠たち」「Ⅳ共鳴する作家たち-20世紀のアメリカ」「Ⅴ共鳴する作家たち-日本の現代芸術」。「共鳴」がキーワードの一つなんでしょうね。
Ⅰ。パウル・クレー(Paul Klee1879-1940)が『内なる光の聖女』(1921リトグラフ)『セイレーンの卵』(1939水彩)など9点。
Ⅱ。「西武美術館」のオープンポスター(1975)は田中一光。他に松永真・石田瑛子。浅葉克己の例の『西武百貨店 おいしい生活』も。僕、最初、ウディ・アレンそっくりさんだと思ってた(激獏)。田中『西武劇場 上方芸の会』(1973)には桂米朝の他に「桂小米改め桂枝雀」の名も。枝雀は「つぼ算」、米朝は「仔猫」。辻井・堤の本や原稿、展示。以前、当ブログで取り上げた『抒情と闘争』も。ブログ記事はこちら。瀧口の詩集・評論なども。『リダ』『ロミ』『術藝代近』など、戦前刊行の本も。タイトル、わかられますよね^^。
Ⅲ、マックス・エルンスト、ジョアン・ミロ、マルセル・デュシャン、マン・レイ他。
Ⅳ、ジャスパー・ジョーンズ、サム・フランシス。
Ⅴ、荒川修作ら。横尾忠則は『戦士の夢』(1986油彩)の1点。
本展、全部で142点のようです。残念ながら「リスト」はなし。『図録』買えってんでしょうかねえ。誰もが図録を買える/買うわけじゃない。ここに限らず県内の美術館はときどき「作品リスト」がない。こういうの、いかがなもんでしょうね。リストを作るのにそんなに大変だとは思わない。ボランティアでもできるかも。紙代もわずか。ここ、やがて環水公園内に移転ですが、よほどしっかりしないと「金食い虫」になっちゃうかも^^。リスト作成の努力ぐらいはしてもらいたい。金沢21世紀美術館の成功、羨むばかりになりませんように。

企画展のあと常設、観賞。ここのコレクションのすごさ、いつも感じる。僕が一番好きなアルベルト・ジャコメッティ『裸婦立像』(1950ブロンズ)。今年最初のご対面、初詣のようなもんです^^。ジャコメッティは、確か哲ちゃんに教えてもらったかも。
by tiaokumura | 2016-01-10 12:10 | 美術 | Comments(0)


<< 石橋冠監督『人生の約束』 2015年12月・ブログ内ランキング >>