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輝数遇数 数学教室訪問(『現代数学』連載)

7月末に、50年来の親友・哲ちゃんから封書。
連載「輝数遇数」の既刊分を送ります。
この連載はおそらく何年間か続けていくことになるので、ときどき書店で立ち読みでもしてください。


連載は月刊誌『現代数学』に。同誌発行の「現代数学社」は初めて知った出版社です。HPはこちら。「輝数遇数」は「奇数偶数」の安野光雅的発想^^でしょうね。
連載記事写真のカメラマンは、河野裕昭。僕は、哲ちゃんからかつて『河野裕昭写真集 大吟醸』(1995年5月15日刊 写真集『大吟醸』を出版する会・発行)もいただいています。
哲ちゃんに教えてもらって初めて知った、JIR(Journalist in Residence in Mathematics)ってプログラム。こちらがHPです。一部引用。
数学に興味のあるジャーナリストなどの方々が、国内の数学教室・研究室に滞在し、自由で自主的な取材・勉強をする機会を、プログラムは提供します。滞在最後に簡単なレポートを出していただくだけで、決まった形式のアウトプットの要求などはありません。
月刊誌『現代数学』連載の「輝数遇数」はこのJIRプログラムに拠るんでしょうね。訪問先、金沢大学・富山大学はまだのようです。

哲ちゃんからいただいた「輝数遇数 数学教室訪問」既刊は以下の通りです。紹介は、掲載月、ゲスト(所属 専門など)、(写真 文)、小見出し、の順です。
2015年4月 藤原耕二(ふじわら・こうじ1964- 京都大学理学研究科 幾何学的群論) 坪井俊(つぼい・たかし1953- 東京大学数理科学研究科 位相幾何学)(写真=河野裕昭 文=内村直之)
語りかける数学者 数学者にできること 青春の曲がりくねった道
2015年5月 中島啓(なかじま・ひらく1962-。京都大学数理解析研究所 表現論・代数幾何学・微分幾何学)(写真=河野裕昭 文=内村直之)
微分幾何学の動乱時代 滑らかに「離陸」 難問、モジュライ空間に挑む 世界に広がるえびら多様体
2015年6月 石井志保子(いしい・しほこ 東京大学数理科学研究科 代数幾何学 特に特異点論)(写真=河野裕昭 文=内村直之)
「小人 例を忘れ あるいは 例に溺れる」 体験が生んだ「エピグラフ」 長く曲がりくねった数学の道 特異点、そしてナッシュ問題へ
2015年7月 松本眞(まつもと・まこと1965- 広島大学大学院理学研究科 疑似乱数・数論・組合論・トポロジー)(写真=河野裕昭 文=里田明美)
人類が手にした本物の魔法 幼稚園のときにルートを計算 腑に落ちるまで知りたい
2015年8月 谷口説男(たにぐち・せつお1958- 九州大学基幹教育院 確率解析学、とくにマリアヴァン解析)(写真=河野裕昭 文=亀井哲治郎)
文学少年が数学科に 池田先生との出会い 2人の師-ストルックとマリアヴァン

哲ちゃんから送られてきたその日帰宅後、夕食をはさんで2時間ほどで読み終えました。もちろん、チンプンカンプンでしたが(激爆)。学問というものの厳しさ、人との出逢いの大切さ、隣接分野(学際)との絡み、自由な発想の大切さ、素粒子物理学でもそうみたいだが数学も「次元」が鍵になることもある、などが辛うじてわかったことかなあ。数学者にノーネクタイじゃない人がいる、ってちょっと意外だった。

2015年6月号の石井志保子は、富山県民なら知っている名前でしょうね。石井・富山県知事の奥さんです。富山県高岡市生まれ。1995年「猿橋賞」受賞、2011年「日本数学会代数学賞」受賞。著書に『特異点入門』。現在は東京大学数理科学研究科教授。記事よりリード部分、引用。
日本の女性数学者は少ない。/女性であるがゆえに避けられない壁がいくつもあるからだろうか。しかし、数学が何よりも好き、と/そんな壁をものともしなかった人もいる。/自分の夢を絶対に叶えようとする/そのしなやかさに感動するのである。(p4 文・内村直之)
記事中に夫・隆一のことも出てきます。結婚後、「法学部出身の夫は妻のひたむきさを評価しながらも、・・・妻の数学が『本物かどうか』の見極めはまだ」だったが、やがて「・・・妻は『実績』を見せた。夫は『本物』と認め、応援が始まった」(p6 文・内村直之)。

(注)雑誌記事引用にあたって句読点等を改めた。
by tiaokumura | 2015-08-13 08:13 | | Comments(4)
Commented by 哲ちゃん at 2015-08-15 08:14 x
《輝数遇数》を紹介していただき、ありがとう。早速、このブログのことを関係する諸氏に知らせました。みんなで喜んでいます。

ついでにお知らせすると、9月号(8月刊)は北海道大学の寺尾宏明さん[文:内村直之さん]で、来月の10月号は東大の金井雅彦さん[文:亀井哲治郎]です。

Commented by tiaokumura at 2015-08-15 08:57
哲ちゃん様、久々のコメント、ありがとうございます。記事のアップにあたり、著作権・事実関係が心配だったのですが、これでよかったようで一安心。ただ「ゲスト」って言い方、反対だったかも。取材対象者が研究室の「主」で、河野さんや内村さん、哲ちゃんたちのほうが「ゲスト」ですもんね^^。「諸氏」のおかげか、ここ2日間、100人を超えるご訪問者数です。
千葉も暑いでしょうね。ご自愛を
Commented by 内村直之 at 2015-10-04 22:50 x
いつもありがとうございます!なんとか誰でも読めるスウガク記事を作りたいと思っています。
Commented by tiaokumura at 2015-10-08 07:23
内村直之さま、ご訪問並びに初コメント、ありがとうございます。
トリヴィア・ネタ^^ですが、富山にはノーベル街道ってのあります。田中さん・利根川さん・小柴さん・白川さん、そして今回の角田さんが、この街道上にご縁がある。取材なさるほどのことはありませんが^^、ご一報まで。
拙いブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。


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