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河瀬直美監督『あん』

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あん
徳江「ねえ、店長さん わたしたちはこの世を見るために、聞くために 生まれてきた。 だとすれば、何かになれなくてもわたしたちは わたしたちには 生きる意味があるのよ
2015年 日本・フランス・ドイツ 日本語 カラー 113分
監督・脚本:河瀬直美(かわせ・なおみ1969-)
原作:ドリアン助川『あん』(ポプラ社)
製作:映画「あん」製作委員会
撮影:穐山茂樹
美術:部谷京子
主題歌:秦基博「水彩の月」(作詞・作曲:秦基博)
キャスト:
樹木希林(きき・きりん1943-) 永瀬正敏(ながせ・まさとし1966-) 内田伽羅(うちだ・きゃら1999-) 市原悦子 浅田美代子 他
公式サイト:こちら

かつては小津や溝口や黒澤、そのあとは大島・篠田・吉田らが続き、そして今は北野武や河瀬直美や是枝裕和らでしょうか、国際的に通用する映画監督は。僕は河瀬直美『萌の朱雀』『殯の森』を観ました。昨日の朝日新聞の記事で河瀬直美を取り上げてて(たぶん3回連載。この間は堤未果だった)、彼女の新作『あん』も紹介。ネットで検索したら家の近くのシネコン「大都会」で上映の情報。今日6月7日(日)、観て来ました。上映スクリーン、けっこう混んでた。河瀬ファンなのか、この日特別料金1100円(開館19周年記念で割引だそうです)お目当てか、ま、いずれにしろ、スクリーン上映が混んでるのはいいことです。
永瀬正敏(本作では千太郎役)、この間、同じ「大都会」で『KANO』を観ました。甲子園に臺灣代表で出場した「嘉儀農林」の物語。永瀬は松山商出身の監督役。好演。台湾で受賞も。本作では過去のある(刑務所にいた)中年男で中央線沿線にある「どら焼き」店長。ある日、徳江(樹木)が店に来て「あん(餡)」を作らせてくれないかと言う。桜の季節。彼女の作った餡は千太郎を驚かせる味だった。やがて徳江は千太郎の店に通い、餡を作り続ける。だがそんなある日、オーナー(浅田美代子)がやって来て、徳江がハンセン病であることを千太郎に告げる。せっかく餡が評判で行列ができるほどになっていたどら焼き店も、ハンセン病の風評被害で閑古鳥が鳴く店になってしまう。千太郎は店の常連客の女子中学生・ワカナ(内田伽羅)とハンセン病の療養所に行くが、そこで二人が目にしたものは・・・。
内田伽羅は樹木の孫。そうなんです、内田裕也の孫!で、本木雅弘と内田也哉子の娘。おばあちゃんとは本作が2本目の共演だそうです。伽羅は是枝裕和監督『奇跡』(2011)に出てるそうです。
映画より、もう1か所、徳江の言葉を引用する。
あんを炊いているときのわたしは いつも、小豆の言葉に、耳をすましていました。 それは、小豆が見てきた雨の日や晴れの日を、想像することです。 どんな風に吹かれて小豆がここまでやってきたのか、旅の話を聞いてあげること。 そう、聞くんです

ハンセン病を扱った映画では野村芳太郎監督『砂の器』があった。和賀英良が幼少時、父と共に風雪交じりの海岸伝いを歩くシーン、日本映画の名場面です。
by tiaokumura | 2015-06-07 12:53 | 映画 | Comments(0)


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