こんな授業・あんな授業(28)漢字語彙マッピング

f0030155_15173165.jpgこないだ日本語教育振興協会(日振協)からのメール見てたら、日本語学校のデータが出ていた。2つに注目。1つ。僕はこれまで「日本国内に400ほどある日本語学校の中で富山国際学院は定員60名の日本一小さい日本語学校です」って言ってたのですが、現在、日振協加盟の日本語学校は350くらいになってた。日本語学校自体が減っているのか、日振協に加盟しない日本語学校が増えているのか、どっちなんでしょうね。もう1つ。ここ2~3年で語学留学生(日本語学校の学生のほとんどが「留学ビザ」の語学留学生。うちはそうではない学生もかなりいます)の出身状況、大変動。かつては8割以上が中国(本土)で次いで韓国・台湾だった。それが今や、中国(本土)が1位であることに変わりはないがその占有率は6割くらいに。この業界^^以外の方々には全くオドロキでしょうが、第2位はベトナム。今の勢いで行けばひょっとして中国を追い抜きそうな感じです。そして第3位がネパール。韓国・台湾は4・5位です。
日本語学校にベトナム・ネパールといわゆる「非漢字圏」が増えてきて、これまで以上に「非漢字圏の漢字指導」、工夫を要する。入門期はともかく、漢字わかんなきゃ、日本語ほとんど無理ですもんね。「これでゼッタイ」って漢字教授法はないので、あれこれやってみて成功事例を積み重ねるしかないんでしょうね。でも「昨日の成功、今日の失敗」ってのもあるから油断できない(激爆)。
ちなみにベトナムは他の東南アジア諸国と違って、かつて漢字文化圏。語彙レベルでも(フランス語の影響もあるでしょうが)、漢字の影響あるでしょうね。僕、ハノイ出張で知ったんですが、ハノイ=河内。ハ=河、ノイ=内。日本語漢字の音読みとパラレル。ベトナムだって「越南」ですもんね。
漢字授業、当ブログで何回か書いていますが、今回は漢字語彙マップ作り

漢字語彙マッピング(初級編)
クラスサイズ:3~8人程度
クラスレベル:日本語漢字学習が100字くらい終わった時点から
クラス性格:漢字圏・非漢字圏混在または非漢字圏のみ(漢字圏のみの場合は動機づけに工夫がいるかも)
時間:30~45分
用意するもの:模造紙(大判カレンダーの裏を利用してもいい) 付箋(記入内容によってサイズを考える。色分けもいい) えんぴつ 消しゴム マーカーまたはサインペン(カテゴリーを括る)
授業の流れ:
①これまでの漢字学習をふりかえる。
②ルール説明
順番に、付箋に漢字1字及びその漢字を使った言葉または文を書く。漢字には読みがなもつける(こうしないと漢字圏の暴走^^になる)。
書いた付箋を模造紙の好きな位置に貼る。
③順番を決め5巡くらい続ける。ルールに沿わない事例には教師が指導する。ただし学生の意欲をそがないようにする。
④いったん中断する。教師主導で、すでに出ている漢字例をカテゴライズする。カテゴリーに合う付箋を移動してまとめる。ここでは、教師が一方的に進めるのではなく学生に考えさせたり学生からのアイディアもうまく引き出したりする。カテゴリーは学術的に間違っていたりおかしくても否定しない。
⑤「自然」「家族」「い形容詞」「数字」「動詞」などのカテゴリーが比較的出て来やすい。
⑥再開。新たなカテゴリーも入れながら進める。
⑦終了。気づきとふりかえり。
⑧学生から「またやりたい」って声が出たら成功。
その他:
①得点化して競わせるのもいいかも。1字1点、新しいカテゴリーの提案者には5点、提案者以外がそのカテゴリーに例が書けたら2点などなど。
②筆順は問わないが、読みがな・送りがなは訂正する。その場合に送りがなのルールにも一言触れる。また、「漢字1字を名詞で使う場合は訓読み」「促音化のルール」「連濁」なども織り込みやすい。
③既習以外の漢字も許容。ただしその場合、漢字圏が有利になりやすいので、あくまでも日本語の中の漢字であることから逸脱しない。字形・字義・読み方・使い方・文法情報などもあくまでも日本語の範囲内にする。

ここでは「初級」で取り上げたが、やり方によっては中級以上でも可能。その場合は、予めカテゴリーを学生に設定させて進めるのもよい。例えば、
A:「数字」です。「九」。この部屋には学生が九人います。
B:僕のカテゴリーは「自動詞・他動詞」です。「出」。出ます、出します。
C:私は「趣味」です。「音」。私の趣味は音楽です。
D:これもたくさんありそうです、「自然」。「海」。海に行きたい。
E:う~ん、思いつかないなあ。えーっと、「3画の漢字」ってありですか。「山」。去年、立山に行った。
F:部首もいいですよね。「言(ごんべん)」。「調」。Googleで富山国際学院を調べた。
など。

本記事、2014年最後の投稿です。
皆様、良いお年を!
来年もよろしくお願いします。

by tiaokumura | 2014-12-31 15:17 | 日本語教育 | Comments(0)


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