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西倉めぐみ・高木ララ監督『HAFUハーフ』

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HAFU ハーフ
2013年 日本 87分 日本語・英語・スペイン語
・・・ハーフたちの中には日本しか知らない人たちもいれば、日本での生活は全くの未知の世界という人たちもおり、その二つの異なる世界の狭間で生きている人たちもいます。・・・本作品では、日本の多人種・多文化社会での人種、多様性、多文化、国籍やアイデンティティを取りあげます。この探求を通して、次のような質問を投げ掛けようとします;ハーフであるとは、どういうことなのか? 日本人であるという意味は? 一体、それは日本にとって、どういう意味を持つのか?/主人公であるハーフたち自身のナレーションと率直なインタビューに、シネマベリテーの映像を重ねて、ハーフたちの生い立ちや家族の関係、教育、時には彼らの外見が影響する彼らの体験を探ることができます。5人の人生をとうして、ハーフたちが体験する個人的且つ奥深い側面も垣間見ることができます。(公式サイトより引用)
監督・プロデューサー・撮影:西倉めぐみ 
監督・共同プロデューサー・撮影:高木ララ
作曲:ホワイト・雄一郎・ウィントン
テーマソング:アンジェラ・アキ『Beautiful』
公式サイト:こちら

監督の西倉は日本人の父・アイルランド系アメリカ人の母、高木はスペイン人の父・日本人の母。そしてこのドキュメンタリー映画に登場する5人の両親は、デイビッドは日本×ガーナ、ソフィアは日本×オーストラリア、アレックスは日本×メキシコ、エドはベネズエラ×日本、ふさえは韓国×日本。
昔は「合の子」とか「混血」とか言ってたのが、差別用語ってことでしょうね、「ハーフ」「ミックス」「ダブル」「トリプル」「クオーター」とか言うようになった。この映画が「ミックス」や「ダブル」を使わず「ハーフ」を使っているのはなぜか、公式サイトでご確認を。「HALF」ではなくて「HAFU」と表記したのは「日本語」だからでしょうね。
6月20日(金)午後6時半からマリエ7階での上映会。観客の8割以上が「外国人」だったかも。変な感想ですが、自分、映画を観ながら、マイノリティの感覚、味わいました。笑うところも微妙に違ったりしたし・・・。もっとも「外国人」って一括りにしちゃぁマズいでしょうね、いろんな背景を持つ方々が上映会に参加。映画でもしばしば出てきますが「多様性diversity」でしょうね。
「ロールモデル」って言いますが、本映画の5人は「ロールモデル」になりうるでしょうね。でも現在の日本社会で、5人とは違う人生を歩まざるをえなくなっている「ハーフ」も多いでしょうね。
映画のあと、「ディスカッション」もあったのですが、僕はスキップ。
日本語教師としてはソフィア、アレックスの「日本語学習」場面も興味深かった。アレックス君は日本語・英語・スペイン語のトリリンガルなのですが、そのあたりの言語獲得過程も日本語教師としてはいい勉強になった。
「国際結婚から生まれる子供 全国で49人に1人」だそうです。これからの日本が真に豊かな国と言えるかどうかのフィルターに、彼ら彼女らの人生のありようが反映されるかも。「普通に、当たり前に」生きていけるかどうか。
日本初!ハーフの女性監督2人による、ハーフたちの本音に迫ったドキュメンタリー映画」(リーフレットより)、お近くで上映会があったら、ぜひご覧ください。
by tiaokumura | 2014-06-20 17:53 | 映画 | Comments(0)


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