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辺見じゅんの世界 後期 辺見じゅんが語り継ぐ父たちの世紀

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「オヤジの背中」という云い方があるが、男の場合、母親の存在の方が大きいような気がする。母親という人はおおむね寡黙で、世の中の人に後ろ指を指されるような生き方だけはするな、弱い人を泣かすような振る舞いはするな、たとえ自分が損をしてもあくどい行いはするな、誰が見てなくてもお天道様と私はお前を見ている、などが母親の態度であり、声高でなくても人としての生き方を教えてくれていたのだろう。
女性にとっては母親より父親であろうか。よく知っているわけではないが、辺見じゅん(へんみ・じゅん1939-2011)の人生を思うと、そんな感想を持つ。
10月19日(土)午前10時過ぎ、高志の国文学館に行く。ここは最近だけで5回目くらいの訪館になる。

辺見じゅんの世界 後期
辺見じゅんが語り継ぐ父たちの世紀

高志の国文学館
~11月11日(月) 毎週火曜日休館
9:30~17:00
公式サイト こちら

時間が早かったせいか、客は自分一人(係員のほうが多い!)、貸切でした^^。本展の構成は、
序章 娘にとっての「父」 辺見じゅんの文学の原点
第1章 辺見じゅんの作品世界 辺見じゅんが語り継ぐ父たちの世紀
一. 死者への鎮魂と思慕-『男たちの大和』
二. 「偉大なる凡人の生涯」を見つめて-『収容所から来た遺書』
第2章 辺見じゅんからのメッセージ 夢ありて楽し
でした。第1章が前期と後期で展示替えのようです。
辺見の短歌はこれまで僕は未知だったが、今回の辺見展で何首か知った。
ほろほろと立山曼荼羅おもふとき都市の夜明けを山鳩啼けり
遠山にきれぎれの虹つなぎつつわが父の座に雪は降りつむ
旅の夢花火のごとく胸ひらき海境こゆる父のたてがみ
花々に眼のある夜は晩年の父あらはれて川渉りゆく
判断に迷へるときは負の側に立てよと父の声からびたり
死は骨の解(ほど)けゆくこと恥ふかき歳月はつか澄みて霜月
遠き人近き人など呼びてをりかくはしきかなあちらの時間
会場で書き写したので写し間違いもあるやもしれません。ご容赦を。
遺作2首。大伴家持の
磯の上の都万麻を見れば根を延へる年深からし神さびにけり(『万葉集』巻十九・4159)
を踏まえているそうです。
うつしみの溶けゆく秋の天の燠(おき)神(かむ)さぶしつまま浄(きよ)らなり
簡浄のひかりとなるも根の太きつままのしづく還(かへ)りゆく空
死を意識して詠んだのではなく、結果として「遺作」になったんでしょうね。

帰り際、同館の次回展のポスターを見た。11月17日(日)から
「世界のムナカタ」を育んだ文学と民藝 棟方志功の感応力
があります。棟方志功(むなかた・しこう1908-75)は1945~54年、富山県福光(ふくみつ)町に在住。彼の居宅「鯉雨画斎」(本人命名。谷崎潤一郎は「愛染苑」と命名)は現在は棟方記念館になっている。
by tiaokumura | 2013-10-19 14:14 | 富山 | Comments(0)


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