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石井裕也監督『舟を編む』(2013年)

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舟を編む
監督:石井裕也(いしい・ゆうや1983-)
原作:三浦しをん(みうら・しおん1976-)『舟を編む』(光文社)
脚本:渡辺謙作
撮影:藤澤順一
キャスト:
松田龍平(まつだ・りゅうへい1983-。馬締) 宮崎あおい(みやざき・あおい1985-。香具矢) オダギリジョー(西岡) 加藤剛(かとう・ごう。松本) 小林薫(こばやし・かおる。荒木) 伊佐山ひろ子(いさやま・ひろこ。佐々木) 渡辺美佐子(わたなべ・みさこ。タケ) 他
公式サイトはこちら

僕は映画好きですが、さすがに2日連続で新作を観るのは何十年ぶりか、あるいはひょっとして人生初体験かも。4月20日(土)は家から車で約10分のシアター大都会、4月21日(日)は同じく車で約35分のファボーレ東宝。どちらも県内有数のシネコン(他には高岡に1か所か)です。

1995年、玄武書房。定年を控えた荒木は辞典編集の後継者を社内に求める。白羽の矢が立ったのは馬締。彼は荒木に「右」の語釈を問われ、「西を向いた時、北に当たる方」と答えた。21世紀の新しい大辞典『大渡海』は馬締らの努力により2007年ようやく完成する。辞典編集の悪戦苦闘の間に、馬締と香具矢の恋、香具矢の板前修業、松本の癌と死などが描かれる。
ざっとそんなストーリーの映画です。
僕は原作を読んでいないので(評判になったので読みたいと思ったが、結局機を逸してしまった)原作通りのイメージの作品かどうかわかりませんが、俳優がうまいと云うか適役と云うか、辞典編集さもありなんと感じられる作品です。
僕は辞事典類大好きで、多いときは50冊くらい持ってたんじゃないかなあ。いや、もっとかも。国語辞典もかなり持ってた。世の中は『新明解』ファンが多そうですが、今の僕のお気に入りは『明鏡』かなあ。今回の映画では「右」「恋」などの語釈が出てくる。映画の『大渡海』と同サイズの『広辞苑』『大辞林』では「恋」は
①一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、切なく思うこと。また、そのこころ。特に、男女間の思慕の情。恋慕。恋愛。(『広辞苑 第六版』p919)
①特定の異性に強く惹かれ、会いたい、ひとりじめにしたい、一緒になりたいと思う気持ち。(『大辞林 第三版』p828)
日本人向けだからしょうがないんでしょうが、「ひかれ/惹かれ」「切なく」「ひとりじめ」あたりが引っ掛かりそうですね。日本語授業でもたまにある語の語釈・定義を考えさせることがあります(辞書は使わない)。今度いつか「恋」でやってみよう^^。
この間BSで映画『舟を編む』と連動した番組だったんでしょうか、岩波・三省堂・大修館などの辞書担当者が集まっての番組があっておもしろく見た。再放送もあった。

松田龍平(デビューは大島渚監督『御法度」。木村大作監督『剱岳 点の記』では生田信)は父・松田優作、母・熊谷美由紀で弟に松田翔太。兄弟、ずいぶん上手な俳優になったもんです。翔太はNHK大河ドラマ『平清盛』で後白河やってました。

(追記)
外国人(日本語非母語話者)向けでは僕が一番いいと思う『日本語を学ぶ人の辞典』(新潮社)で「恋」は以下の通りです(英語・中国語は略)。
男と女が, 特別に好きで一緒になりたいと思う気持ち. 恋愛. 「一郎と洋子はいま、激しい恋をしている//恋に破れる//恋文//初恋」(『日本語を学ぶ人の辞典』p314)
by tiaokumura | 2013-04-22 06:07 | 映画 | Comments(6)
Commented by アショーカ at 2013-04-23 03:01 x
いいですね~
『舟を編む』も『リンカーン』も見たいです!!
Commented by tiaokumura at 2013-04-25 07:19
アショーカさま、日本は映画が高い。僕はシニア(照)なので1000円で見られました! 
今年は『愛、アモーレ』『千年の愉楽』も見たい。どちらもフォルツァ総曲輪で上映予定です。
Commented by ヨシダヒロコ at 2013-05-02 16:30 x
こんにちは。

「舟を編む」わたしも未読なんですよ。辞書ものってオックスフォードだったかケンブリッジだったかの英国ドキュメンタリーの本もありましたね。映画も見てみたいです。遅れないうちに……。

少し脱線します。
日本語の授業で「恋」の定義って盛り上がりそうな気がします。確か歴史的には「恋」はあっても「愛」は新しくて、だから"I love you"を訳すのにみな苦労したんですよね。でも映画なんか見てると家族間でも普通に使うし、スペイン語の映画で子供のことを「わたしの命」と呼んでいるのを見たことあります。

近頃はラブレターもメールですよね、そういえば。やりとりされる内容は同じですが、簡単にDeleteできるのは悲しいですね。

"I love you"の訳し方として、漱石が言っていたことをアメリカ人翻訳者がTwitterでよこしてくれましたので、ここに書いておきます。

http://www.durf.org/2011/07/06/love-the-moon-and-translation/
Commented by tiaokumura at 2013-05-03 07:19
ヨシダヒロコさま、漱石のエピソード、どこぞで読んだような記憶があります。二葉亭の「死んでもいいわ」も名訳でしょうね。
漱石のエピソードでは懐手の学生に注意した話も好きです。
今日・明日、金沢行き。時間があったら近代文学館にも行ってみようかと。僕、まだ行ったことないんです。もちろん四高記念館も。
5月12日のサイエンスカフェ、受講OKでした。先着順だったからでしょうね。お会いできれば嬉しいですが。
Commented by ヨシダヒロコ at 2013-05-03 09:03 x
奥村先生、12日残念です。
お題が行きたい話題なのに、先約がありまして。
立山砂防カルデラ博物館の、雪の大谷行きです。晴れてくれれば良いのですが……。
近代文学館は雰囲気の良いところで何回か行っています。是非是非。

Commented by tiaokumura at 2013-05-06 11:22
ヨシダヒロコさま、そうですか、12日、残念。ま、いつかどこかでお会いできるでしょうから、その日を楽しみにしてます。
雪の大谷、いつだったか富山国際学院の遠足?で行きました。めっちゃ寒かったですが、学生たち大喜びでした。


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