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最近の日本語教育書より

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友松悦子・宮本淳・和栗雅子
どんなときどう使う 日本語表現文型200 初・中級
2013年1月29日 改訂版(2000年2月20日初版)
アルク
2400円+税

大森雅美 鴻野豊子
授業の作り方Q&A 78編
2012年12月11日 初版
アルク
2000円+税

黒崎典子(編著) 石塚久与・高橋純子・二瓶知子・渡辺恵子(著)
もっと中級 日本語で挑戦! スピーチ&ディスカッション
2013年1月25日 初版第1刷
凡人社
1500円+税

由井紀久子 大谷つかさ 荻田朋子 北側幸子
中級からの日本語プロフィシェンシーライティング
2012年10月15日 初版第1刷
凡人社
1800円+税

言語教育実践 イマ×ココ 創刊準備号
2012年11月13日 初版第1刷
ココ出版
1200円+税

多文化共生マガジン J-Life 2013年3・4月号
2013年3月9日 発行
アルク
無料

①『どんなときどう使う 日本語表現文型200 初・中級
日本語教師になりたての頃は「相性」とか「好き嫌い」ってぇのは教師としてタブーみたいに思っていたが、こうして20年近く経験してみると、学生との相性とか教材の好き嫌いってゼッタイあるし無視できない教授要因だなぁと思うようになっている。これって、よくない現象、教育者失格かもしれないけど。『どんなとき』は『200』と『500』があって、どちらも好きな教材です。今回その『200』に改訂版。
②『授業の作り方Q&A 78編
シリーズ「日本語教師の7つ道具」の1作目。本書の構成は、教師経験の成熟(退化^^)に応じた「そもそも期」「かけだし期」「やってみたら期」「学習者は見えてきたけど期」「学習者が変わると期」の5ステージに分け各期Q&A形式で解説。たとえばⅣ期Q71は「やる気のない学習者へは、どう対処すればいいですか」。78のQは各ステージにきちんと対応するとは言えないので(そこが「教える」ことのおもしろさ・むずかしさ、でしょうね)、巻末の「項目整理票」で自分の悩みを見つけるのが必要でしょうね。索引があればもっと便利かも。
③『もっと中級 日本語で挑戦! スピーチ&ディスカッション
「交換留学生を対象とした明治大学日本語コースの口頭表現授業」が基になった教材(「はじめに」より)。僕は2012年度下半期に担当しているE組で「1分間スピーチ」をやった。トピックは教師指定で「私の1週間」「好きなこと」「理想の女性/男性」など。本書では「スピーチ(1)」が「1分間で内容豊かに話そう!」と1分間スピーチ。「自己評価チェックリスト」や「ステップ3練習しよう」の「録音して聞く」「ビデオに録画してみる」など参考になる。
④『中級からの日本語プロフィシェンシーライティング
日本語教育業界^^はカタカナ語が好きで、自分のような古い人間についていけないところも多々。「プロフィシェンシー」もここ数年すっかり定着した術語でしょうね。本書では「対人性」と「場面性」を意識してメールやブログなど書くコミュニケーション能力を養成する。「ブログを書く時の注意点」として「個人情報を書かない」「顔写真を載せない」「悪口を書かない」の3点があげられている。SNSなど学生がネットで日本語で発信する機会が多いが、危険性も十分理解しておかなければならないでしょうね。
⑤『言語教育実践 イマ×ココ
月刊誌「日本語」「日本語ジャーナル」が廃刊になり、季刊誌「日本語教育ジャーナル」も廃刊。本誌はそんな傾向に毅然として立ち上げたような感がある、「実践持ち寄り会」(文野峯子会長)の活動がベースの雑誌。「日本語教育・冬の時代」にあってその役割に期待するところ大でしょうね。「創刊準備号」には嶋田和子、金田智子、齋藤ひろみらが寄稿。「いろいろな現場の今をかいま見ることのできる雑誌」(「編集後記」より)である。
⑥『多文化共生マガジン J-Life 2013年3・4月号
富山国際学院に定期的に送られてくるフリーペーパー。残念なことに本号で「休刊」。実質「廃刊」でしょうね。「クールジャパン」がブームどころかすっかり定着している時代にあっても、このような雑誌は成立が難しいのでしょうか。発行元の「アルク」は凡人社やくろしお出版などと並んで日本語教育書出版大手。そこが日本語教育書出版事業から手を引くそうで、「日本語教育・冬の時代」の象徴的できごとか。
by tiaokumura | 2013-03-09 11:21 | 日本語教育 | Comments(0)


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