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日本語教育国際研究大会@8月19日

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(8月21日朝・記)
8月19日(日)午前6時、名古屋フラワーホテルPARTⅡで起床。バス・着替え・TVなど。7時ホテル1Fで朝食。トースト半枚・クロワッサン、ゆで卵、カフェオレ。350円。ほぼ完食。
道に迷いながら(照)名古屋駅まで。名古屋駅から地下鉄乗り継ぎで名古屋大学まで、260円。名古屋大学駅の出口1番から地上に出、名古屋大学東山キャンパスへ。この日のメイン会場は全学教育棟

午前は
①パネルセッション 野田尚史・桑原陽子・播磨涼子「文章表現の分析と学習者の読解困難点調査に基づく読解教材の作成」
②口頭発表 足立祐子「教師に求められる『授業運営上の技能』について」
昼食は全学教育棟内のカフェでパン2種+カフェオレ。末期癌発見以来コーヒーは飲めなくなっているのだが、カフェオレは飲めるようになってきた。
午後は
③口頭発表 脊尾泰子「日本語学習における学習ストラテジー使用と時間的変化―事例研究を通してー」
④口頭発表 嶋田和子「学習者の発話を引き出す教科書開発の意義」
⑤パネルセッション 舘岡洋子・ロマン・パシュカ・崔鉉弼・鈴木寿子「日本語教師の成長を支えるものは何か」

①はweb上で非漢字圏初級学習者向けの読み教材の開発。「グルメサイトのクチコミに使われる文章表現の分析」(野田)、「グルメサイトのクチコミの読解困難点調査」(桑原)、「グルメサイトのクチコミを読む」(播磨)。文章の長さについて・翻訳サイト利用の危険性について、質問も2つできた。牧野成一先生(前・プリンストン大学)が僕の隣の席、金沢以来です。先生は「評価の文化」について鋭い質問(提言)をされていた。
②の足立祐子さんはトヤマヤポニカ時代の同僚で、現職は新潟大学留学生センター。松岡洋子さん(岩手大学)との共同発表。「いい授業とは」「どうやって技能を身につけていくか」と質問もできた。
③では学習者ストラテジーの「記憶」「認知」「保障」「メタ認知」「情意」「社会的」の使用頻度が学習過程においてどう変化していくか。
④は最近出来の初級教科書『できる日本語』(現在は初中級も出来)。いつも元気な嶋田和子先生の嶋田節炸裂^^。『できる日本語』のポイントは「タスク先行型」「場面・状況の明確化」「『何ができるようになるのか』(CDS)」「タスクに必然性があること」「学習者自身の気づき・発見を重視」「学習者の『達成感』重視」「教室内の学びを外の言語活動につなげること」。『できる日本語』は1日=50分×3コマで2.5日で1課だそうです。10月開講の新クラスでのメイン教科書は『大地』『みんなの日本語 第2版』『できる日本語』あたりを考えているのですがどうしたもんか。これは嶋田先生に直訴して笑われたのですが、『できる日本語』が2千円台だったら即採択でしょうね(激爆)。
⑤ではロマン・パシュカ「他者とのかかわりがもたらす教師の意識変容」、崔鉉弼「ハイブリッドな協働による実践者たちの成長」、鈴木寿子「日本語教師の協働による成長を読み解くための教師成長モデルー教師による場づくりの一例―」の発表の後、舘岡によるまとめ「他者とのかかわりから気づきを得て成長する」「省察(垂直的成長)と越境(水平的つながり)」「場のデザイン。実践と内省において対話を活性化させることが重要」。ディカッション時間もあり、「開放的・フラットな組織では対話・協働も容易だろうが、そうではない組織に属する日本語教師はどのように場作りをすればよいのか」「また、専任と非常勤、非常勤間でも温度差があるのでは」と質問した。

今回の膨大な発表・セッションなどから僕が選んで参加したのは、非漢字圏の漢字指導、学習者主体とリンクするCDS(Can-Do-Statements)・ポートフォリオ・教材開発、自律学習、教師の自己研鑽、生活者としての日本語学習者、といったあたりになるかなあ。日本語教育にも流行みたいなもんがあるんでしょうね、意識してないのですが僕が選んでいるのは、そういうトレンドに添ってるのかもしれない。
今回の中では「越境」という概念を初めて知った。日本語教育・多文化共生・多言語社会のキーワードになるのでしょうね。

午後4時前、名古屋大学を後にする。
名古屋駅構内の「驛釜きしめん」で「とろとろころきしめん」880円。ここは名古屋で2番目においしいきしめん店だと思う(1番はJR名古屋駅・高山線ホームにある「どえりゃあ亭」)。何年か前からよく利用してるのですが、今回は、やはり癌の影響でしょうね、2割くらいしか食べられなかった。こういう時ってお店を出るタイミング難しいんですよね^^。
6:20、名鉄バスセンター3階・6番から富山行き高速バス出発。名古屋→富山の高速バスは初体験。
by tiaokumura | 2012-08-19 13:25 | 日本語教育 | Comments(2)
Commented by 増山 at 2012-08-22 22:27 x
いろいろ学会に出席されて、うらやましい限りです・・。発表内容を見るに、やっぱり“非漢字圏”という言葉にひかれますね。非漢字圏の学習者・・・大変だろうから、ついつい何とかならないものかと思ってしまいます。

先日は、楽しかったです。ウチの子、本当に大きいんです、標準より。「人の子」だからじゃなくて。オヤがバレーボール選手並みの体格ですもんね・・。
Commented by tiaokumura at 2012-08-24 07:47
増山さま、コメントありがとうございます。今年の夏休み、東京・名古屋と有意義に過ごせたかなぁと思います。ただ、インプットばかりじゃダメなんですよね。
新宿では楽しい時間をありがとうございました。次の東京行きは未定ですが、またご一緒できればと思っています。
残暑厳しい日々、ご自愛を


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