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CARTA2012年陽春号

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歴史群像4月号別冊
CARTA2012年陽春号
2012年3月16日発売
648円+税
Gakken

これはこれは実に便利な本が出たものです。定価(680円)も実に手ごろ。僕はこの本、たとえ1200円でも買ったでしょうね。お薦め本です。
本誌、まず第一特集「日本美術入門」。
矢島新(やじま・あらた1960-。跡見学園女子大学教授)は本誌で初めて知った方ですが、実に行き届いた解説です。全体の監修も彼です。
通史をいくつかに区分し見開き2ページに年表・資料でまとめてある。順に飛鳥・白鳳・奈良(天平)時代「仏教美術の幕開けと極み」→平安時代「和様化と古典文化の完成」→鎌倉・南北朝・室町時代「リアリズムの台頭と水墨画の発展」→桃山時代・江戸時代初期「天下人の権威を映す造形」→江戸時代中期~後期「日本美術の熟成時代」。
Lectureが全部で18あり、特徴ある時代の美術について矢島のわかりやすい説明がある。例えば、1「崇高な様式を持つ日本の初期仏教美術」(釈迦三尊像、救世観音像など)、4「密教伝来の影響による情念の神仏」(如意輪観音坐像、薬師如来立像など)、9「室町水墨画の個性豊かな絵師たち」(雪舟、雪村など)、11「等伯と永徳、桃山二大絵師の現存代表作」(唐獅子図屏風、松林図屏風)、14「光琳と若冲-装飾と表現のあわい」(燕子花図屏風、動植綵絵・群鶏図)、18「浮世絵黄金時代-驚異の洗練度」(春信、写楽、国芳、北斎)など。
COLUMNが3つあり、「仏像ができるまで」「日本画ができるまで」「浮世絵版画ができるまで」。今までの本でこういうところに触れた本は、管見にしてなかったような気がする。
本誌の「日本美術入門」にはさまざまなアイディアが織り込まれ、今までありそうでなかった切り口の本です。本誌を読めば、日本美術の基本基礎が過不足なく押さえられます。
更に本誌では、
⑤明日3月20日から始まる「ボストン美術館 日本美術の至宝展」も。曽我蕭白「雲龍図」、長谷川等伯「龍虎図屏風」、快慶「弥勒菩薩立像」、「平治物語絵巻」など、海外流出していなければどれも「国宝」扱いでしょうね。6月20日までの同展(東京国立博物館・平成館)、ぜひ観覧したいものです。朝日新聞が主催なのですが、朝日新聞、あんまり宣伝してないような気がしますが、どうなんでしょうね。
本誌、他には
⑥第二特集として日本の名城と桜2012「春の弘前城」。弘前城は弘前藩津軽氏10万石の居城で、「弘前さくらまつり」は4月23日~5月5日だそうです。
更に、
⑦別冊付録として「城郭のひみつ」が綴じ込み。僕は「城」にはほとんど興味ないんですが、城ファンには必携でしょうね。

日本美術に少しでも関心がある方は、ぜひ手元に1冊置いておきたいすばらしい本です。
by tiaokumura | 2012-03-19 08:40 | 美術 | Comments(2)
Commented by アショーカ at 2012-03-21 18:54 x
これは買いに走らねばなりませんp(^^)q情報ありがとうございます!
Commented by tiaokumura at 2012-03-23 07:23
アショーカさま、本選びのご参考になれて幸甚です^^。
購入されましたか。CARTAはこれが第2号で、第1号は古事記特集だったようです(僕は買わなかった)。このあとも興味ある企画の時、買いそうです。


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