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児玉龍彦『内部被曝の真実』(幻冬舎新書)

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児玉龍彦(こだま・たつひこ1953-。東京大学先端科学技術研究センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長)
『内部被曝の真実』
2011年9月20日第3刷(2011年9月10日第1刷)
幻冬舎(幻冬舎新書)
720円+税

本書、今最も読まれるべき本の1冊なんでしょうね。ただ、幻冬舎(代表取締役社長・見城徹)らしいキャッチコピーなんでしょうが、「正義の科学者による魂のスピーチ」(帯より)は、サンデル教授の正義を意識してるんでしょうかボクのような不感症男にはあまりピンと来ない。
僕は2011年3月11日(金)はいつものように富山国際学院に出勤していた。夜はずーっとテレビを見ていたでしょうね。翌日は、卒業式が翌週なので床屋に。行きつけの床屋さんがオヤジさん(古筆学の小松茂美先生にそっくりな方)の大病で廃業になり、近所の別の床屋さんに。テレビ、やはり東北地方太平洋沖地震。30代の女性、津波が襲った後の自宅前でインタビューに答えている。彼女は前日職場から自宅に戻ったが、夫も子どもも津波にさらわれ行方不明。「ひとりぼっちになった」と訴える。繰り返し流される津波の映像。見ているうちに、安全地帯にいる自分の中に形成されるそのような映像からの道徳感情に嫌悪感を感じた。結局自分は、悲惨さへの「同情」であり、「他人の不幸は鴨の味」のレベルでの「憐憫」。3月12日以降もTVニュースを見はしたが、その内「大本営発表」ばかりで見なくなった。4月10日にNGOのボランティアバスで宮城県石巻に。あの時の体験は生涯忘れられない。また石巻に行こうと思っているうちに癌患者になり入院。7月27日は僕は入院中だった。児玉龍彦という学者の衆議院での参考人説明が大きな反響を呼んでいるのは、岩手県一関市のかねごん先生のブログ7月29日付「僕らは希望を失ってはいけない!」で初めて知った。同記事にはYouTubeの映像もアップされていた。
唯一の被爆国でありながら&あるが故の「原子力平和利用」幻想。政官産学そしてマスメディアが形成した「原子力村」。垂れ流された安全安心神話。過疎の地を潤した巨額のマネー。安全地帯に住んで直接間接に原発の恩恵に与っている「私」たち。原発人災が起こると掌を返すように脱原発に走った輩。そんな中にあって、「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関(日本国憲法第41条)」である国会での児玉発言、多くの国民に勇気と希望を与えたことでしょうね。

本書は、第一部が「7・27衆議院厚生労働委員会・全発言」で、第二部が8月6日の「ニュースにだまされるな!」というTV番組に児玉がゲスト出演した際の国会発言に対する疑問・批判への答えの整理採録。同番組の司会の金子勝は「中学時代からの親友」(p52)とのこと。第三部・第四部ではチェルノブイリ原発事故が扱われ、第三部で「甲状腺がん」、第四部で「チェルノブイリ膀胱炎」。「おわりに」として「私はなぜ国会に行ったか」。7月19日の畦地悟史(衆議院事務局)からの電話が始まりのようである(p108)。「付録」に「国会配布資料」。
今回の原発人災で多くの「エセ専門家」が暴かれた。児玉は言う、「専門家とは、歴史と世界を知り知恵を授ける人」(p112)であると。
危険なことがあったら、これは本当に危険だから、苦労があっても何でもやっていこうと国民に伝えるのが専門家です。みんなが専門家に聞きたいのは、何も政治家みたいに折り合いをつけることじゃない。危険を危険だとはっきり言うのが専門家なのです。
今までの原子力学会や原子力政策のすべての失敗は、専門家が専門家の矜持を捨てたことにあります。国民に本当のことを言う前に政治家になってしまった。経済人になってしまった。
(p61)

ここのところYouTubeがアップできない状態だったのですが、今日午前あれこれやってたらアップできるようになりました。以下に7月27日衆議院厚生労働委員会での児玉龍彦参考人の説明映像をアップしておきます。

by tiaokumura | 2011-10-16 15:20 | 東北地方太平洋沖地震 | Comments(0)


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