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朝日新聞 在日華人・第12部「大陸源流」(2010年4月25日~)

日曜・月曜の朝日新聞、シリーズ「在日華人」の第12部「大陸源流」開始。
日本語教師という職業柄、このシリーズでまるっきり初めて知る事実はさほどありませんが、毎回読みでがあるシリーズです。第13部は
毎年5万人増えている在日華人。好況の中国から、なぜ多くの人が日本へ来るのか。・・・その事情を中国から伝える。
とのことです。
記事中に黒龍江省方正県で記者が目にした、「誤字だらけで意味不明」の看板の例として「けはテひん」(化粧品店)・「チキソそ煮ぅ」(鶏肉の煮込み料理店)が挙げられている。プロの日本語教師として、ここでちょっとその謎解きをしてみたい。
「けはテひん」。「ひん」は「品」でまちがいないでしょうね。では、なぜ「けしょう(化粧)」が「けはテ」になったのか。「け」は「けしょう」の「け」でまちがいないでしょうね。問題(謎)は「はテ」。日本語教育でかな・カナ指導をしている僕の立場から類推するに、「は」は本来2文字であるべき「しょ」がくっついて1文字と誤解した。つまり、「し」が「は」の左部分になり、「ょ」が「は」の右部分になった。では「テ」は? これはひらがなの「う」と書くべきところを「テ」に誤記したと考えられます。「う」と「テ」、似てますもんね。ここで「似ている」というのは「非日本語母語話者にとって」ってことです。日本語母語話者にとっては無論完全なる別字と認識できますよね。以上の推理、たぶん正しいでしょう。
次に「チキソそ煮ぅ」。「ン」と「ソ」は似ていてまちがいやすいし、「そ」と「を」も似ている。そして、ここまで読まれてたぶん「ぅ」が「る」の誤記であることは皆さんにも容易におわかりでしょうね。「チキンを煮る」と書きたかったんでしょうね、本当は。

まぁ、そんな謎解きはお遊びの類。同連載はweb上にもきっとあるでしょうから、記事内容にご興味がある方はぜひお読みください。
ニュー「在日華人」の多くは中国の経済格差・学歴格差・超人口大国の産物である-というのが本記事の結論でしょうね。そして、それを全否定する根拠を僕は持ち合わせていない。「在日華人」が全て留学生ではありませんが、日本国内の日本語教師にとって今後数年は、「需要」があれば何をやってもいいのかと職業倫理が問われ、学生の「幸福」実現にどこまで関われるかと職業能力が試され、日本語学習シラバスのメリハリが要求され、モティベーションの低い学生の指導力が大いに必要となり・・・といった時代になるのでしょうね。そんなことを考えていると、いったい「学生にとって魅力ある日本語教師」って何なんだろうと思った。
記事中にこの春福井県の日本語学校に入学した2人が出てくる。2人は上海浦東空港から小松空港入り。同じ北陸の日本語学校で働く一日本語教師として、2人にはぜひ充実した留学生活を送ってもらいたいと思う。

(4月28日・追記)
web上の「アサヒ・コム」のこちらシリーズ「在日華人」を読むことができます。
by tiaokumura | 2010-04-26 21:11 | 日本語教育 | Comments(4)
Commented by tubomim at 2010-05-15 22:03
奥村先生 こんばんは!私もこの記事を読みました。実は14年前にこの黒龍江省方正県の幹部が日本へ研修に来たときに私が三ヶ月も同行し、このようなことを聞きました。県内には日本と繋がりの家庭がとても多いと言われました。またこのシリーズの3月の記事に私もインタビューされ、少し出ました。
Commented by tiaokumura at 2010-05-16 20:47
tubomimさま、コメントありがとうございます。また、貴重な情報提供もありがとうございます。
3月というと第11部あたりになるのでしょうか。web上にバックナンバーがあるみたいなのでチェックしてみます。
拙いブログですが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
Commented by tubomim at 2010-05-16 21:35
上のWEBのリンクでチェックさせていただきましたが第2部でした。リンクがあると便利ですね、ありがとうございました。
Commented by tiaokumura at 2010-05-18 21:25
tubomimさん、第2部でしたか。同記事を読みながら、tubomimさんはどの方なんだろう、大象さま・小象君は・・・などと思いを馳せております^^。ご夫婦で意見が対立しているケースなのかなぁなどとも。
ご多忙な日々、ご自愛を。


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