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ロベール・ブレッソン監督『抵抗 死刑囚の手記より』(1956)

本日正午のNHKラジオのニュース、東京の今日は41年ぶりの雪だとか。1969年の今日って何してたんだろう、僕。
全国的に今年の春はずいぶん気まぐれみたいですね。やんちゃ坊主な春。気になるのは野菜の高騰。

今日午後、フォルツァ総曲輪(「総曲輪」は「そうがわ」と読みます)で映画。
ロベール・ブレッソン監督『抵抗 死刑囚の手記より』(1956)。ロベール・ブレッソンっても日本じゃあまり知られていないでしょうね。wikipedia日本語版(以下「WJ」)ではプリントアウトして3パージの記述、wikipediaフランス語版(以下「WF」)・英語版は各5ページ。以下にWFからブレッソンの略歴引用。
Robert Bresson est un cinéaste français né le 25 septembre 1901 à Bromont-Lamothe (Auvergne) et décédé le 18 décembre 1999 à Droue-sur-Drouette (Eure-et-Loir). Son art, dont le caractère spirituel et moral tirent leurs racines du catholicisme, révèle, par delà un ascétisme apparent, une profonde sensualité.(WF)
1901年生まれということは、アルベルト・ジャコメッティ、アンドレ・マルロー、アンリ・ルフェーブル、張学良、青山二郎、尾崎秀実、梶井基次郎、西田税、羽仁五郎、阪東妻三郎、丸木位里、柳家金語楼、湯木貞一、裕仁(昭和天皇)、ゲイリー・クーパー、クラーク・ゲーブル、ウォルト・ディズニー、ルイ・アームストロング、マレーネ・ディートリッヒらと同年生まれ(WJ)。ブレッソンは長命な方で享年98、20世紀をほぼ生き抜いた方ですね。生涯監督作品は14作と寡作。
カソリックと映画表現が結びつき、禁欲的な態度で芸術を崇高な極みにまで昇華した-WFを意訳すればブレッソン映画はそういうことになるのでしょうか。

『抵抗 死刑囚の手記より』は原題がUn condamné à mort s'est échappé (ou Le vent souffle où il veut)=「ひとりの死刑囚が逃げた、あるいは、風は自らの望むところに吹く」です。副題、「明日は明日の風が吹く」じゃぁなくって^^、’Tomorrow is another day’でもなく、「ヨハネによる福音書・第3章第8節」の引用だそうです。ボブ・ディラン『風に吹かれて』ってヨハネの福音書に関係あるんでしょうかねぇ。
本作Un condamné à mort s'est échappé (ou Le vent souffle où il veut)は、かのゴダールが「ドストエフスキーがロシアの小説に、モーツァルトがドイツの音楽に占める位置を、ブレッソンはフランス映画に占めている」と絶賛。ブレッソンは「カイエ・デュ・シネマ」にも関わりがあります。本作は、ブレッソン映画では珍しいのでしょうね、要所で音楽が流れモーツァルトが使われています。
1943年・リヨン、レジスタンス活動で捕まったフォンテーヌ中尉(フランソワ・ルテリエ)はモンリュック監獄に収監される。そこはおよそ脱走不可能な場所。映像はフォンテーヌの視点で描かれていく。手に入れられる限りの「道具」を使い、仲間の支援のもと、脱走準備を進めるフォンテーヌ。だがやがて「死刑」の宣告を受ける。残された時間はほとんどない。同囚になったジョスト少年(シャルル・クランシュ)とどう向き合うか葛藤するフォンテーヌだが、遂には彼との脱獄を決める。脱獄シーンも、おそらくほとんど全てがフォンテーヌの視点で描かれています。「リアリズム」を私たちは時にはバカにしますが、ブレッソン作品を観ていると、そのような態度がいかに傲慢か知らされる。みごと脱獄に成功したフォンテーヌとジョストは夜明け間近のリヨン市内に消える。FINのあと映像がなくなってもしばらくモーツァルトが流れます。

本作品、紀伊國屋書店からDVDが出ているそうです。

(4月18日・追記)
ヨハネによる福音書・第3章第8節」は新共同訳では次の通りです。
風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。
by tiaokumura | 2010-04-17 20:18 | 映画 | Comments(0)


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