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あがた森魚『赤色エレジー』の頃


今朝の朝日新聞be「うたの旅人」はあがた森魚『赤色エレジー』だった。しばしノスタルジーに浸ってから土曜出勤した(照)。

『赤色エレジー』ってもご存じない方もあるでしょうね。朝日新聞同記事(文・保科龍朗)から編集引用しながら少しご紹介。
林静一(1945-)の漫画『赤色エレジー』が月刊漫画「ガロ」に連載されたのは1970~71年。それへのオマージュとでも言うべき歌が、あがた森魚『赤色エレジー』です。「やせこけていて長髪。くたびれたジーンズにげた履きで、陶然としつつ、すねているかのような哀調を帯びたメロディーをすすり泣くように歌う」(同記事)あがた森魚の歌は、「72年にレコードが約50万枚も売れ」(同記事)た。最初に僕が聞いた印象は、「こんな歌アリなんかいな」だった。そして、当時は林静一の熱心なファンではなかった僕は、「赤色=共産主義革命、エレジー=大正ロマン」程度のイメージだった。
相前後するのだが、上村一夫(かみむら・かずお1940-86)が「週刊漫画アクション」に『同棲時代』を連載してて、こちらは熱心に読んでいた(同じ頃になると思うが、永島慎二『フーテン』も好きだった)。『同棲時代』はやがて映画になり(由実かおるのヌードが話題になったか?)、大信田礼子が歌う『同棲時代』もそこそこヒットした。愛蔵版?になるのだろうか、『同棲時代』は今でも全巻揃い(1972-73年刊行)で持っていて、『火の鳥』『はだしのゲン』『日出処天子』などと共に僕の本棚のどこかで眠っている(『NANA』の第16巻までは富山国際学院に寄付した)。

林静一は、今手元にある『月刊漫画ガロ 追悼 長井勝一』(筑摩書房。1996年)に「長井さんの思い出」を書いている(同書pp98-99)。長井勝一は1921年4月14日生、1996年1月5日没。
また同書の「長井勝一 略年譜」(pp6-11)の1972年には
あがた森魚の唄『赤色エレジー』(林静一の同名人気作品)人気。
の記述がある。

林静一『赤色エレジー』は一郎と幸子、上村一夫『同棲時代』は飛鳥今日子と江夏次郎の、それぞれ同棲を描いている漫画。人間にとって「恋愛+SEX+夫婦(結婚・家庭)」が理想の三位一体だとしたら、「同棲」は「夫婦」が欠落している形態になるのでしょうね。親や世間が許容しなくても(親には秘密裡の同棲が多かったけど)、あの頃は「同棲」が流行っていた。そして僕の場合は「幸子」でも「今日子」でもなくY子だった。イマドキの若者に「草食系男子」が増えていると聞くとなんだか信じられないのだが、あの頃の僕は性欲の持って行き場に困っていた。それだけが理由ではないと弁明したいが、僕にとっての幸子・今日子がY子だった。あの頃の女性はまだ弱い地位にあったんでしょうね。Y子に申し訳なかったと思う。僕たちは結局短時間で破局を迎えたが、その後彼女がちゃんと大学を卒業し郷里に帰って就職し結婚したと言うのを風の噂で知り、自分なんかと結婚しなくてよかったとしみじみ思った。今頃は彼女はお孫さんの相手をしているのかもしれない。今の時代、「愛のないSEX」「SEXのない愛」「デイトレイプ」「セックスレス夫婦」「婚外恋愛」「不倫」などと聞くと、「同棲」という生き方(「外し方」?)があった僕たちの頃はまだ素朴で幸せな時代だったのかもしれないと、ちょっとだけ思う-自信がないけど。

YouTubeには『赤色エレジー』がいくつかあります。最近のあがた森魚(1948-)の映像もありましたが、上掲のものにしました。なんの映像なんでしょうか。よくわかりません。女性は秋吉久美子のような気もしますが、どうなんだろう。
by tiaokumura | 2009-10-17 19:28 | 音楽 | Comments(0)


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