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2009年9月20日、東京滞在17時間(下)

9月20日(日) 午前11時半頃、東京国立近代美術館を出てシャトルバスで東京駅へ。中央線で新宿に出て、小田急線で下北沢。やっぱ方向音痴なんですね、ボクって(大恥)。何度も訪れているカフェカナンへの道がわからず、何回か店主の研次にTEL。かの本多劇場からほんの1分のところにあるカフェです。約1か月ぶりのカナン。「富山で一番おいしい」(ってことは「世界で一番おいしい」ってことです^^)小林のます寿しをお土産に渡す。『コースト・オブ・ユートピア』(蜷川幸雄演出。シアターコクーン)などの話。おいしいコーヒーをいただき、向かいの中華料理店で食事。ケータイがキレそうなので、カナンのカウンターのところのコンセントに差し込み充電させてもらう。

下北沢から井の頭線で吉祥寺、吉祥寺から中央線で東小金井、東小金井からタクシーで多磨霊園。本当はこの23日が林玄さんの祥月命日なのですが、都合がつかないのでこの日墓参。門近くのふじ家石材店で供花・線香を買い、お墓までの地図をもらう。
空は雲一つない青空。途中、阿南惟幾(あなみ・これちか1887-1945)の墓。お若い方はご存知ないでしょうが、敗戦の日の未明、「一死以ツテ大罪ヲ謝シ奉ル・・・」の遺書を残して自刃した陸軍大臣です。現在彼はどのように「評価」されているのでしょうか。
一人で来たので心配だったが、幸い迷うことなく「林家之墓」の前に。しばし、墓中の林玄さん(享年88歳)に語りかける。林玄さん(僕の在職時は社長)のことは、当ブログ、こちらなど。

ふじ家石材店でタクシーを呼んでもらい国分寺へ。南口から歩いて林家へ。道が心配だったのですが、過去の記憶などたどりながら、こちらもほとんど迷わずに行けました。東京時代の最後、僕は国分寺北口の本多町でアパート生活をしていて、約1年、コーヒーの勉強で林家に通っていた。
林秀子夫人ご在宅。小林のます寿しをご仏前に供えお参り。なんとなく禅宗かと思ってたのですが、林家はうちと同じく浄土真宗でした。秀子夫人と、昔話・たれかれの消息・美術や音楽の話など、約1時間半語らう。林玄社長にも秀子夫人にもボクはお世話になりっ放し。ご恩のあるお二人です。

林家を辞去し国分寺駅へ。途中「ほんやら洞」の前を通る。お店、けっこう込んでました。国分寺から吉祥寺に出て、吉祥寺から下北沢。下北沢は人気のある街なんでしょうね、若者中心にいっぱいの人・人・人。カナンでこの日2回目の^^一休み。充電が終わったケータイをもらって、6時半頃お店を出る。

下北沢→新宿→池袋。
新文芸坐。この日フリッツ・ラング『死刑執行人もまた死す』を上映で、それを観る(800円)。
フリッツ・ラング(Friedrich Christian Anton “Fritz” Lang1890-1976)はジャン=リュック・ゴダール『軽蔑』(原作アルベルト・モラヴィア)に出ていて知った。ゴダール(Jean-Luc Godard1930-)は、映画の先輩としてラングをイマドキの言い方で言えばリスペクトしていた。ラングは『軽蔑』の中で商業主義に堕落した映画界について語っていたか。『軽蔑』にはブリジット・バルドー(愛称B.B.ベベ)が出てた。ベッドで全裸(ただし後姿)の妻カミーユ(B.B.)が「わたしのどこが好き?」と夫ポール(ミシェル・ピッコリ)を問い詰める。『ゴダール全集第1巻』(竹内書店)に『軽蔑』のシナリオが収められていたと思うけど、本棚のどっかにもぐりこんでて見つけられないが、だいたいそういうシーン。妻と夫の関係がこの映画のモチーフの一つ。妻にとって俗物主義の夫は「軽蔑」すべき存在だったのでしょうね。でもフツーの夫(男)にしてみれば、あんなすてきなお尻のベベに問い詰められても、妻の期待に添える答えようなんてないでしょうね(爆)。
フリッツ・ラングを『軽蔑』で知って、その後、京橋のフィルムセンターでドイツ映画特集があったとき、彼の名作『ニーベルンゲン(Die Nibelungen1924)』『メトロポリス(Metropolis1927)』『M(M1931)』などを観た(記憶違いもあるかも)。
ラングはドイツで名作を何本も撮っていたのですが、ユダヤ人だったためフランスから更にアメリカへ亡命。『死刑執行人もまた死す(Hangmen Also Die!1943)』は彼のハリウッドでの作品。ベルトルト・ブレヒトが脚本に参加している。今回の新文芸坐では134分の完全版での上映。映画の舞台はナチス支配下のプラハ。ゲシュタポはドイツ語、プラハ市民は英語の映画。ナチス高官の暗殺をきっかけに、ゲシュタポによるプラハ市民(とりわけレジスタンス)への厳しい探索が続く。フィルム・ノワール系になるのでしょうか、ハラハラドキドキの展開で途中飽きるということのない映画でした。

池袋東口23:00発の夜行バスで富山へ帰る。
by tiaokumura | 2009-09-22 10:50 | このブログのこと | Comments(6)
Commented by 平名 at 2009-09-22 13:06 x
 やっぱ、 指定は一杯でも東京まで空いていたんですね、、 連休は ずっと富山で居ましたが、、 BBは、好いですね、 フランス語殆ど判らないから 余計良い! そんなこと言っていると死刑!!ってコマワリ君に云われるかも、、
Commented by tiaokumura at 2009-09-22 19:19
平名氏、久しぶりのコメントありがとう。それにしても君の文体・用語って独特だね(激爆)。どこでそういうセンス身につけたん?
マリリン・モンローもブリジット・バルドーも単なる肉体派女優じゃなかったんだろうね。
新型インフルエンザ、君の病院でも患者さんおるんだろうか。年内爆発するんだろうか。
Commented by 平名 at 2009-09-23 06:28 x
 現在の所、居ませんが出現しそうです。 今までのインフルエンザと大差ない様ですがタミフルを売りつくすため?か 危険性が云われています。 富山化学で作られてる新薬素晴らしい切れ味ですが販売前で会社も富士フイルム?に吸収されました。 5分5分で爆発しそうですので手洗い嗽を充分に、、 ワクチンは一寸遅れて始まりそう、、 センスは身について居ないが団扇は有りそう、、
Commented by 山本純子 at 2009-09-23 16:04 x
平名様
初めまして~
奥村様のブログでお目にかかりまして、私もセンスの有る方と思っています。
平名様のようなセンスは持って生まれたものでしょうね、
素敵な方だと想像しております。
またコメント楽しみにしています。
インフルエンザは私も今までのと変わりないとおもいます、ただ消毒液が不足していて困っております。
これからも宜しくお願いいたします。
Commented by tiaokumura at 2009-09-24 21:22
平名氏、富山化学、確かにそういう記事読んだ気がします。地元の有力企業がそうならざるを得ない時代、なんだかお先真っ暗かも。
センス・団扇、座布団半枚です^^。
Commented by tiaokumura at 2009-09-24 21:26
山本純子さま、初コメントありがとうございます。
平名氏は、小中高校と同期です。クラスは一緒になったことはありませんが。「素敵な方」かどうかはともかく、頭も貯金もモテぶりも体重も^^僕の遥か上を行く御仁です。身長だけは勝っています、ボク。
インフルエンザ、とにかく可能な限りの備えをしておかなければならないのでしょうね。富山国際学院での発生も覚悟しております。


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