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カラヴァッジョ展@国立西洋美術館

カラヴァッジョ展@国立西洋美術館_f0030155_1214446.jpg(5月22日午後・記)
今回5月17日(火)の上京の主要な目的は「若冲展」と「カラヴァッジョ展」。コスパを考えると(激爆)、「若冲展」だけだったら東京に行こうと思わなかったでしょうね。
ものすごい人出の「若冲展」をなんとか鑑賞できて、同じ上野の西洋美術館へ。ここ、「世界遺産」に登録なんですよね。ル・コルビュジエ(Le Corbusier1887-1965)、「近代建築の5原則」。彼、僕の若い時、まだご存命で、本も出てた。東京カテドラルの丹下健三も影響、受けてるんですよね。

カラヴァッジョ展
ルネサンスを超えた男。
ローマを熱狂させた ドラマチック。
西洋美術館
~6月12日(日)
公式サイト:こちら

「若冲展」ほどではありませんが、こちらもけっこうな人出でした。本展の構成は「Ⅰ 風俗画:占い、酒場、音楽」「Ⅱ 風俗画:五感」「Ⅲ 静物」「Ⅳ 肖像」「Ⅴ 光」「Ⅵ 斬首」「Ⅶ 聖母と聖人の新たな図像」、それに「史料」。カラヴァジェスキの作品と合わせ51点。カラヴァッジョとカラヴァジェスキは、僕のようなド素人にもその「違い」がはっきりわかります。カラヴァッジョはその特徴は「光と影」「題材・リアリズム」「構図・アングル」なんでしょうが、カラヴァジェスキは似ても非なるってやつです。ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio1571-1610)、彼の登場、きわめてセンセーショナルだったことでしょうね、当時。彼のあまりにすさまじい生き方も。「ダ・カラバッジョ」って名は「ダ・ヴィンチ」と同じ言い方です。
今回、『メドゥーサ』『トカゲに噛まれる少年』『エマオの晩餐』『果物籠を持つ少年』『洗礼者ヨハネ』『バッカス』などもいいですが、やはり何と言っても、400年の時を経て「発見」された『法悦のマグダラのマリア』。ダ・ヴィンチの『モナリザ』に匹敵する作品でしょうね、これ。構図では、画面の対角線から下に描かれるマグダラのマリア。光の当たり方、恍惚状態にあるマリアの半開きの唇、衣服のカーヴ。白と赤そして闇の対比。「本展会場ではライトに照らされて、背景左上にいばらの冠がついた十字架が浮かび上がります」とのことですが、よくわかりませんでした。
カラヴァッジョにイタリア映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』があって、当ブログでかつて採り上げています。こちら
# by tiaokumura | 2016-05-17 12:01 | 美術 | Comments(2)

若冲展@東京都美術館

若冲展@東京都美術館_f0030155_10525051.jpg
(5月22日午後・記)
列に並んでいるときは、あいにくの雨の中でもあり、来るんじゃなかった&観ようと思うんじゃなかったとも思ったものですが、今にして思うと、行って&観てよかったと思います。5月17日(火)@東京都美術館。この日僕は八重洲地下街で朝食を済ませ、上野へ。上野駅内でチケット買えると思ったのですが「売り切れ」という告知。東京都美術館へ。上野公園、同じような思惑の人でしょうね、雨中、多くの人々。お目当てはたぶん同じ、若冲。
東京都美術館。もうかなりな人。既に券を持っている人の行列。僕はないので券売り場に並ぶ。この時はまだ楽観視してた^^。チケット購入。シニア1000円、安い。翌5月23日はシニア無料とか。すっごいですねぇ、若冲が無料だなんて。3000円だってお客、めっちゃ来そうでしょうに。僕のシニア年齢証明には、入管用のIDカード(写真付)を提示しました。行列に並ぶ。もうこの時点で列は上野動物園が見えるあたりまでになってた。その後聞いたところによると待ち時間240分を超えたとか。最終的にどうなったんでしょうね、4時間待ちなんてのもあったかも。ダ・ヴィンチの『受胎告知』だってこれほどじゃなかった。ひょっとしてあの『モナリザ』以来かも。

伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう1716-1800)。「千載具眼の徒を俟つ」。漱石の『夢十夜』も寺山修司も100年ですが^^。
生誕300年記念 若冲展」。10時50分入館。本展は「画遊人、若冲(1)」「《釈迦三尊像》と《動植綵絵》」「画遊人、若冲(2)」「米国収集家が愛した若冲」の構成。公式サイトはこちら。『動植綵絵』『釈迦三尊像』の同時展示は東京では初めてだそうです。同じ部屋にずらっと並び、壮観です。人の肩越しに観るしかない絵が多かったですが、それでも中には意外と人が少ない場所も見つけられ、「ラッキー」とばかりにじっくり観られました^^。『伏見人形図』『売茶翁像』『石峰寺図』など、たぶんあまり観られない作品も含め約80点。プライスコレクションは『鳥獣花木図屏風』など9点。
『果蔬涅槃図』『象と鯨図屏風』、オリジナル、遂に観ることができました。

宝島社『若冲 名宝プライスコレクションと花鳥風月』、買いました。1000円+税ですから、お得でしょうね。
岩波書店「図書 2016年5月号」に辻惟雄が「伊藤若冲、ジョウ・プライス、そして私」を書いています。講談社学芸文庫に彼の『若冲』、入っています。

本展、京都に巡回とか。京都は東京よりマシかも、観られるのは。行こうかなあ。
# by tiaokumura | 2016-05-17 10:52 | 美術 | Comments(0)

初藤@八重洲地下街で朝食

初藤@八重洲地下街で朝食_f0030155_7353996.jpg
(5月22日午後・記)
記憶力がどんどん退化していく中で(汗)、ブログってとっても便利。このブログで、自分が何してたかが調べられる&見つけられる。この記事を書こうと思って、今回の前に東京へ行ったのはいつだったかわからなかったのですが、「東京」で検索したら、昨年10月の記事がヒットしました。あの時、僕、春画展@永青文庫。あと中国映画『黒衣の刺客』を観て、夜は新宿で哲ちゃんと夕食してた。そういうことの数々もすっかり忘れてます、今回の東京を記事にしようと、こうして振り返ってみるまで。ブログを辿ってようやく記憶がよみがえった^^。後に富山国際学院の同僚co-workerに聞いたんですが、永青文庫の近くには、村上春樹の小説の舞台になった寮があるそうです。同僚の彼女、その近くに住んでたのだとか。

閑話休題。5月17日(火)上京。どうするか迷ったけどやっぱり若冲展が観たく、平日なら少しは観やすいかと思い、この日、勤務先の仕事、休みをもらった。
前夜、9時過ぎ自宅を出る。ポートラムで富山北口。駅でSUICAにチャージ2000円。東京ではSUICAを使う。田舎者な自分^^、こういうカード、助かります。いちいち切符を買わんでもいい。でも「カード」って危ない面も。落とすこともですが、何よりも「お金を使った感」がないor乏しい。
バス乗車まで時間があるので富山駅2Fで休む。テーブルに「勉強は家でやろう。ゴミは持ち帰ろう。」ってスタンドあり。違和感、感じた。テーブルで何気なくこのブログ、チェックしたら、な・な~んとこの日のアクセス数が269にも!。最近は1日50前後くらいなのに。事情、ブログのkaguragawaさんのコメントに「笠間書院のツィッターにこのブログの記事、出てる」との情報で判明。そのせいなんでしょうね、アクセスの200超え。「中学教科書を読む」が該当記事。笠間書院の社員がそれ読んでツイートしたみたい。

夜行高速バス乗車。5月17日(火)早朝、バスタ新宿着。ここ、僕は初めて。「バスタ」ってバスターミナルの下略でしょうね。全国各地からの高速バス、ここに集合。いわゆる「ワンストップ」ってやつでしょうか。便利になったんでしょうね。JRに乗るのでバスタ新宿前で信号待ちしてたら、フィリピン女性から「六本木、どうやって行くか」、聞かれました。彼女、スマホ電池切れで使えなく、路線調べられないそうな。でも「なぜフイリピン人ってわかるの」でしょうけど、職業柄そういうのわかるんです。東アジアにやって来たアメリカ人は中国人・韓国人・日本人の区別ってつかないでしょうが、自分(に限らず「日本語教師」は)、「インドネシア人」「フィリピン人」「タイ人」の区別、つきます。あと南アジア系も区別OKかも。富山国際学院を訪れた外国人、ときどきその出身国間違えることもありますが、80%以上的中です。顔で70%、言葉で90%判明かなあ。
早朝の東京、まず山手線内回り一周。方向音痴だからなんでしょうか、僕、山手線乗ってて、どうも方向感覚がはっきりしない。新宿出て渋谷過ぎて、品川に向かい、どっかで回って新橋・東京なのだろうけど、その「回った」感がつかめない。どうでもいいことですが^^。約1時間で山手線一周して新宿に戻る。新宿から総武線各停に乗って御茶ノ水。中央線に乗り換え東京着。
BSのNHKだと思うが、荻窪・神楽坂・新橋など東京案内する番組がある。DEEP何とかって番組。そこでこの間、八重洲をやってた。番組中に採り上げられてた八重洲地下街、今回行こうと思った。
八重洲地下街、平日なんで勤務先に向かう人々多数。波をかき分けて、目的のお店にやっとたどり着く。「やえす初藤」、HPはこちら。ここの定食は「納豆」「豚汁」「肉豆腐」「玉子焼き」「生姜焼き」など各種。僕は「鮭定食」に。鮭焼魚、ワカメの味噌汁、のり、切り干し大根、キュウリ漬け物。生ビールも。アップした写真、食事前。ここ、自販機で食券購入のお店でした。働いてる女性陣が元気で明るい店。
東京の早朝は築地で朝食がこれまでのパターンでしたが、これからは八重洲地下街や東京駅構内もありそうです。
# by tiaokumura | 2016-05-17 07:35 | 美味録2016 | Comments(0)

中学国語教科書を読む

中学国語教科書を読む_f0030155_1239992.jpg僕は今は日本語教師を生業(なりわい)としているが、かつては奥村学習塾を主宰していた。1980年代、東京からUターンして2年ほど経ってから開業。当時は塾ブームだったんでしょうね、塾生集めにあまり苦労せず私塾が続けられた。20年以上続いたでしょうか。途中、塾と非常勤講師@富山国際学院のWワーカー時代も。両立が難しくなり塾のほうを辞めることにしたのですが、私塾廃業の弁は当ブログこちらに少し書いた。
塾時代の名残でしょうか^^、小学校や中学校の教科書が改訂になると聞くと見たくなる。塾時代は改定の度に教科書買いに行ってましたもんね。今はダメでしょうが、指導書もかつては買えた。その教科書販売店、去年移転した富山国際学院から近い。先日、中学国語教科書3冊、そこで買いました(アップした写真がそれ)。今年は中学校教科書の改訂の年になるんですね(小学校は去年か)。一般人は4月下旬から買えます。

中学国語教科書の定番、1年では「ちょっと立ち止まって」「大人になれなかった弟たちに・・・・・」「蓬莱の玉の枝」「少年の日の思い出」、2年「言葉の力」「字のない葉書」「扇の的」「走れメロス」、3年「握手」「高瀬舟」「故郷」「夏草」「わたしを束ねないで」などは健在。谷川俊太郎は3年で「春に」(昔は1年で「朝のリレー」だった)。工藤直子の詩「野原は歌う」は一部差し替え(「たんぽぽはるか」は「あしたこそ」になってる)。
いわゆる「理系」も各学年にいくつかずつ入ってる。1年では稲垣栄「ダイコンは大きな根?」・辻大和「シカの「落穂拾い」-フィールドノートの記録から」(辻は1977年生まれ、富山県出身の動物生態学者)、2年では佐藤克文「生物が記録する科学-バイオロギングの可能性」・最相葉月「科学はあなたの中にある」、3年・小久保英一郎「月の起源を探る」など。中村桂子はなくなった。
情報社会・ITでは2年・池上彰「メディアと上手に付き合うために」、3年・藤代裕之「「想いのリレー」に加わろう」・「新聞の社説を比較して読もう」など。メディアリテラシー・ネチケットって、いろんな教科・教材を通じて学んでいくんでしょうね。
「3.11」は2年の高橋厚「小さな町のラジオ発-臨時災害放送局「りんごラジオ」」で。
ビッグネーム。宮崎峻は1年で「本との出会い」、まど・みちお=1年「ぼくが ここに」、椎名誠=2年「アイスプラネット」、茨木のり子=2年「鍵」、石垣りん=3年「挨拶-原爆の写真によせて」、山極寿一=3年「作られた「物語」を超えて」、鷲田清一=3年「誰かの代わりに」などです。
昔は佐々木瑞枝もあったのですが、今回はなし。「日本語教育」と「国語教育」は位相が異なりますが、外国人の日本語学習・外国人への日本語教授って、ネイティブの国語学習にもなんかヒント、得られそうですが。あと「多文化共生」視点での教材にもなる。そんな意味で、今道友信「温かいスープ」は今も3年教科書に「資料」として入っていて、何回読んでもうるうると来ます(照)。
古典関係はほとんどこれまでを踏襲でしょうね。「君は川流を汲め 我は薪を拾はん」はなくなりました。

# by tiaokumura | 2016-05-15 12:39 | | Comments(2)

アンジェリーナ・ジョリー監督『不屈の男』

アンジェリーナ・ジョリー監督『不屈の男』_f0030155_9492553.jpg
不屈の男』(原題Unbroken)
2014年 アメリカ 英語・日本語 137分
監督:アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie1975-)
脚本:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン リチャード・ラグラヴェネーズ ウィリアムス・ニコルソン
原作:ローラ・レンブランドUnbroken: A World WarⅡ Story of Survival, Resilience, and Redemption
キャスト:
ジャック・オコンネル(Jack O’Connell。ルイ・ザンベリーニ) ドーナル・グリーソン NAYAVI 他
公式サイト:こちら

アンジェリーナ・ジョエリーは例の「乳癌」で知りました。彼女、有名&人気のあるハリウッド女優なんでしょうね。夫も有名&人気男優(ブラッド・ピット)。アジア系の息子が二人だそうです。
日本公開が危ぶまれた本作、富山のフォルツァ総曲輪で観ました。ここ、この9月で閉館だとか。すばらしいミニシアターなのに。森なんとか・富山市長、こんなとこ不要だと判断したんでしょうね。間もなく富山市中心部にシネコン開場。

イタリア移民の子・不良少年ルイは兄に走る才能を見出され、やがて1936年ベルリンオリンピックに高校生で出場(「トーランスの竜巻」)、5000mの最終周で驚異的な記録をたたき出す。第2次世界大戦が始まり、彼も兵に。飛行機に乗っていて南太平洋海上に不時着。47日間の漂流生活の後、日本軍捕虜に。捕虜収容所の渡辺収容所長との出会い。大森・直江津での捕虜生活、やがて8月15日・・・
前半・後半と二分される映画。NAYAVIは坂本龍一のような演技なんでしょうが、いささか類型的すぎるようなきらいも。嗜虐趣味に見える(単なるサディスト)。それでいいのかもしれないが。NAYAVI(韓国系)は奈良橋洋子を通じてジョリナーの映画出演に。
最終シーン、80歳になったルイが、たぶん長野オリンピックでしょうね、日本で聖火ランナーに。こういうエンディング、監督の意図なんでしょうが、どうも自分、イマイチな感じを受けた。戦争の悲惨さ、もっと違う形で描けたかも。「赦し」の描き方がうまくいかなかったのかもしれません。本作、実話に基づく映画です。

本作、日本公開、なんでためらわれたんだろう。日本ってそんな狭い了見の国・国民じゃないと思うのだけど。
# by tiaokumura | 2016-05-14 09:49 | 映画 | Comments(0)