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『荷風俳句集』『人類哲学序説』『実践 日本人の英語』(岩波書店)

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加藤郁乎(かとう・いくや1929-2012)・編 池澤一郎(いけざわ・いちろう1964-)・注解解題
荷風俳句集
2013年4月16日 第1刷
岩波書店(岩波文庫)
940円+税

梅原猛(うめはら・たけし1925-)
人類哲学序説
2013年4月19日 第1刷
岩波書店(岩波新書)
760円+税

マーク・ピーターセン(Mark Petersen)
実践 日本人の英語
2013年4月19日 第1刷
岩波書店(岩波新書)
760円+税

4月の岩波書店はすごい。「図書 4月号」巻末の「岩波書店の新刊」から引く。
創業百年記念出版で『岩波講座 日本の思想』。数年前に初めて知った末木文美士(すえき・ふみひこ1949-)らが編集委員。第1回(第1巻)は『「日本」と日本思想』。
「そうだったんだ!日本語」シリーズも始まる。全10冊。金水敏・窪薗晴夫・井上優らが編集。第1回は今野真二『正書法のない日本語』、滝浦真人『日本語は親しさを伝えられるか』の2冊。
シリーズでは他に刊行中のもので、「シリーズ大学」が『大衆化する大学―学生の多様化をどうみるかー』、「日本の外交」が『外交思想』、「世界史資料」が『二一世紀の世界へ 日本と世界 一六世紀以後』、「安丸良夫集」が『近代日本の深層』、「磯崎新建築論集」が『手法論の射程―形式の自動再生―』。
単行本では、菅野昭正・編で『ことばの魔術師 井上ひさし』、太田直子『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』、白尾元理『地球全史の歩き方』、高橋英夫『文人荷風抄』、山形孝夫『黒い海の記憶―いま、死者の語りを聴くことー』、田沼武能『人間万歳―写真をめぐるエセーー』、萩原久美子・皆川満寿美・大沢真理編『復興を取り戻すー発信する東北の女たち―』など。
岩波新書は上述2冊と海老坂武『加藤周一―二十世紀を問う』他、岩波文庫は上述一冊とハイデガー/熊野純彦訳『存在と時間(一)』他。
お金と時間とそして何より知力があれば買いたい・読みたい本がどっさりなんですが、浅学非才&ビンボー、結局冒頭の3冊だけ購入です。

荷風俳句集』、タイトルは「俳句集」だが、狂歌・小唄・漢詩なども収める。「写真と俳句」(pp283-349)では浅草レヴューでしょうか写真に「世の中や踊るはだかも年のくれ」、寺島町では「さかり場を出れば蟲なく闇夜かな」、鴎外らを偲んで「穴に入る蛇うらやまん老の果」、「たまのゐ」停車場では「遠みちも夜寒になりぬ川むかう」。池澤の丁寧な注解・解題、俳句・狂歌の初句索引。加藤は既刊書より抜粋の解説。「本書の編者加藤郁乎氏は、昨年五月十六日に楽郊に帰せられた」(池澤一郎「解題」p474)。
梅原猛本、おどろおどろしい^^タイトル。西田幾多郎・鈴木大拙・デカルト・ニーチェ・ハイデッガー・ソクラテス・プラトン・宮沢賢治が出てくるのは納得だが、意外なのは伊藤若冲。「第五章 森の思想」の「伊藤若冲の世界」(pp178-190)。能にもよく出てきますが「草木国土悉皆成仏」の例として梅原は若冲を引く。「若冲の絵の意味するところと『草木国土悉皆成仏』という思想の意味するところとは、同じものではないか」(p190)。
ベストセラー『日本人の英語』から25年も経ったんですね。私も読みました。冠詞・時制・複数など、英語は難しい。本書は「実践編」。「学生たちの作る英文にみられる問題点をきっかけにして、英語を書くという実践に少しでも役立つように、と考えて書き始めた」(p223)。帯にもありますが、「昨日、私は自分のブラウスを買いに渋谷へ行きました」はYesteraday,I went to Shibuya to buy my blouse.じゃ「意味不明」なんだそうです。同じく帯のI could meet him in New York.は「私はニューヨークで彼に会えました」ではなく受け止められる(p99)。

ゴールデンウイークだからでしょうか、いつもは月末に届く岩波書店「図書」が27日に届きました。白川静と石牟礼道子は交流があったんですね。巻頭の石牟礼道子「現代の恋のさまざま」は名文です。6月12日に『これからどうする 未来のつくり方』が刊行。緒方貞子・内田樹・浜矩子・亀山郁夫・コシノヒロコ・湯浅誠・天野祐吉・平野啓一郎・田中優子・関川夏央・山折哲雄らが執筆。1900円+税。
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by tiaokumura | 2013-04-28 11:41 | | Comments(0)

新入生歓迎会

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(4月27日午後・記)
富山国際学院2013年度4月新入生には未入国者もいるが、4月19日(金)に入学式を行い昨日4月26日(金)には新入生歓迎会。アイディアウーマンの柳川さんとこの4月から非常勤から専任に就任の粕谷さんの企画運営のイベント。晴れていれば「街中探検」というオリエンテーリングなのだが、あいにくと朝は激しい雨で、9時ころには上がったが不安定な空模様なので、屋内で実施。アップした写真はそのワン・シーン。
当日は9:45集合。新入生自己紹介→2年生歓迎の言葉→教師自己紹介。教師には参加を強制していないのだけれどスタッフ13人中12人の参加。ありがたいことである。
緑・ピンク・青・黄・赤・銀の6グループに分かれての対抗戦。僕はピンク組。ゲームあれこれ。ひらがなリレー→漢字を作ろう→外国語を習おう→新入生カタカナ書き取りチャレンジ→早口言葉→借り物レース。僕の組の早口言葉は「本日急遽休暇許可拒否(ほんじつきゅうきょきゅうかきょかきょひ)」。これ、けっこう難しいですよね。滑舌苦手な自分、グループ内学生にもうまく指導できず(恥)。
ひらがな・挨拶がやっとの初級学生から富山弁が駆使できる上級学生までいるわけで、そういう学生がそろって楽しめる・わかるゲームを用意しなければならないのだから、柳川さん・粕谷さんの労は大変でしょうね。
ゲームが終わって僕の判断ミス。空模様がちょっとよさそうなので昼食を外でと提案。学院近くの公園まで行った。記念写真撮影までは良かったのだが、そのあと雨そして風。急いで学院に戻る羽目に。みんな文句も言わず引っ返してくれてホッ。
学院で昼食パーティ。ポットラックパーティで、各国料理が食べられた。こういうのも日本語教師ならではの楽しみである。
1時過ぎ終了。
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by tiaokumura | 2013-04-26 11:03 | 日本語教育 | Comments(0)

楽しみなラ・フォル・ジュルネ金沢2013

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今年も「ラ・フォル・ジュルネ」の季節がやってきます。東京は無理なんで金沢で堪能。東京版になりますが、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2013公式サイトから以下3か所引用。
今年のラ・フォル・ジュルネのテーマは「パリ、至福の時」。19世紀後半から現代まで、パリを彩ったフランス、スペインの作曲家たちの色彩あふれ、情熱みなぎる150年間の音楽のパノラマを繰り広げます。(同サイト「2013年の特徴」)
ビゼーから、ドビュッシー、ラヴェル、サティを経てブーレーズまで、19世紀後半から現在までのフランスの作曲家たち、そして20世紀初頭パリで活動したスペインの作曲家たちも交えて、この150年間、パリを彩った音楽のパノラマを繰り広げます。(同サイト「LFJ2013の特徴」)
タイトルの「至福の時」L'heure exquise (ルール・エクスキーズ)は、19世紀後半のパリを代表するポール・ヴェルレーヌの詩「白い月」の最後のフレーズから、ルネ・マルタンが引用したものです。(同サイト「『パリ、至福の時』の由来」)
ルネ・マルタンは当音楽祭のアーティステック・ディレクターです。ポール・ヴェルレーヌ(Paul Marie Verlaine1844-96)の詩「白い月La lune blanche」は(終わり部分を引用)
Un vaste et tendre apaisement/semble descendre/du firmament/que l'astre irise./C'est l'heure exquise
ゆったりと/やさしい和らぎが/月の渡りの/虹色の空から/降りてくるよう・・・・・・//いまこそは 妙なる時(渋沢孝輔訳『フランス名詩選』岩波文庫より)

ラ・フォル・ジュルネ金沢2013LA FOLLE JOURNEE de KANAZAWA 2013は以下の公演のチケットが入手できました(メカ音痴なんで苦労しましたが^^ローソンでゲット)。
5月3日
12:15~13:00@アートホール:「ベル・エポック~至福の時」
ジャン=クロード・ベネティエ
フォーレ:夜想曲第1番~第6番
16:00~17:00@コンサートホール
フランス国立管弦楽団 指揮・パスカル・ロフェ
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ ドビュッシー:海
17:15~18:00@邦楽ホール:「サティと仲間たち」
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
サティ:グノシエンヌ第1番、ピカデリー、ジムノペディ第1番、ジムノペディ第3番 ドビュッシー:小さな黒人、月の光 ラヴェル:シャブリエ風に 他
5月4日
13:30~14:30@コンサートホール
大阪フィルハーモニー 指揮:現田茂夫
ベルリオーズ:幻想交響曲
17:15~18:00@邦楽ホール:「音楽と詩」
アンドリーア・ソアレ(ソプラノ) フィリップ・カサーレ(ピアノ) フランソワーズ・モレシャン(朗読)
ヴィクトル・ユーゴの詩より ビゼー:アラビアの女主人の別れ 他
ヴェルレーヌの詩より ドビュッシー:月の光 他

本当は、井上道義指揮・フランス国立ロワール管弦楽団、ピアノ:アンヌ・ケフェレックによるラヴェルの『ラ・ヴァルス』『ピアノ協奏曲ト長調』『ボレロ』、ピアノ:フィリップ・カサールの”ベスト・オブ・ドビュッシー”もチケットを買おうとしたのですがすでに完売だった。残念。
フランソワーズ・モレシャンはご存じだと思いますが、今は金沢で夫妻(夫は永瀧達治)で暮らしてるみたいです。讀賣新聞の地方版に月1回?か夫婦で寄稿してます。
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by tiaokumura | 2013-04-24 07:06 | 音楽 | Comments(4)

石井裕也監督『舟を編む』(2013年)

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舟を編む
監督:石井裕也(いしい・ゆうや1983-)
原作:三浦しをん(みうら・しおん1976-)『舟を編む』(光文社)
脚本:渡辺謙作
撮影:藤澤順一
キャスト:
松田龍平(まつだ・りゅうへい1983-。馬締) 宮崎あおい(みやざき・あおい1985-。香具矢) オダギリジョー(西岡) 加藤剛(かとう・ごう。松本) 小林薫(こばやし・かおる。荒木) 伊佐山ひろ子(いさやま・ひろこ。佐々木) 渡辺美佐子(わたなべ・みさこ。タケ) 他
公式サイトはこちら

僕は映画好きですが、さすがに2日連続で新作を観るのは何十年ぶりか、あるいはひょっとして人生初体験かも。4月20日(土)は家から車で約10分のシアター大都会、4月21日(日)は同じく車で約35分のファボーレ東宝。どちらも県内有数のシネコン(他には高岡に1か所か)です。

1995年、玄武書房。定年を控えた荒木は辞典編集の後継者を社内に求める。白羽の矢が立ったのは馬締。彼は荒木に「右」の語釈を問われ、「西を向いた時、北に当たる方」と答えた。21世紀の新しい大辞典『大渡海』は馬締らの努力により2007年ようやく完成する。辞典編集の悪戦苦闘の間に、馬締と香具矢の恋、香具矢の板前修業、松本の癌と死などが描かれる。
ざっとそんなストーリーの映画です。
僕は原作を読んでいないので(評判になったので読みたいと思ったが、結局機を逸してしまった)原作通りのイメージの作品かどうかわかりませんが、俳優がうまいと云うか適役と云うか、辞典編集さもありなんと感じられる作品です。
僕は辞事典類大好きで、多いときは50冊くらい持ってたんじゃないかなあ。いや、もっとかも。国語辞典もかなり持ってた。世の中は『新明解』ファンが多そうですが、今の僕のお気に入りは『明鏡』かなあ。今回の映画では「右」「恋」などの語釈が出てくる。映画の『大渡海』と同サイズの『広辞苑』『大辞林』では「恋」は
①一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、切なく思うこと。また、そのこころ。特に、男女間の思慕の情。恋慕。恋愛。(『広辞苑 第六版』p919)
①特定の異性に強く惹かれ、会いたい、ひとりじめにしたい、一緒になりたいと思う気持ち。(『大辞林 第三版』p828)
日本人向けだからしょうがないんでしょうが、「ひかれ/惹かれ」「切なく」「ひとりじめ」あたりが引っ掛かりそうですね。日本語授業でもたまにある語の語釈・定義を考えさせることがあります(辞書は使わない)。今度いつか「恋」でやってみよう^^。
この間BSで映画『舟を編む』と連動した番組だったんでしょうか、岩波・三省堂・大修館などの辞書担当者が集まっての番組があっておもしろく見た。再放送もあった。

松田龍平(デビューは大島渚監督『御法度」。木村大作監督『剱岳 点の記』では生田信)は父・松田優作、母・熊谷美由紀で弟に松田翔太。兄弟、ずいぶん上手な俳優になったもんです。翔太はNHK大河ドラマ『平清盛』で後白河やってました。

(追記)
外国人(日本語非母語話者)向けでは僕が一番いいと思う『日本語を学ぶ人の辞典』(新潮社)で「恋」は以下の通りです(英語・中国語は略)。
男と女が, 特別に好きで一緒になりたいと思う気持ち. 恋愛. 「一郎と洋子はいま、激しい恋をしている//恋に破れる//恋文//初恋」(『日本語を学ぶ人の辞典』p314)
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by tiaokumura | 2013-04-22 06:07 | 映画 | Comments(6)

S.スピルバーグ監督『リンカーン』(2012年)

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リンカーン』(LINCOLN)
監督:スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg1947-)
脚本:トニー・クシュナー(Tony Kushner1956-)
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン(Doris Kearns Goodwin)
製作:キャスリーン・ケネディ(Kathleen Kennedy1953-)
音楽:ジョン・ウィリアムズ(John Williams1932-)
キャスト:
ダニエル・デイ=ルイス(Daniel Day-Lewis1957-。エイブラハム・リンカーン) トミー・リー・ジョーンズ(Tommy Lee Jones1946-。タデウス・スティーブンス) サリー・フィールド(Sally Field1946-。メアリー・トッド・リンカーン) ジョセフ・ゴードン=レヴィット(Joseph Gordon-Levitt1981-。ロバート・リンカーン) 他
南北戦争が4年目に突入した1865年4月。大統領再選を果たしたリンカーンは、”すべての人間の真の自由”という理想に向かって突き進んでいた。悲願の奴隷解放を実現させるには、憲法修正を議会で成立させねばならない。なりふり構わぬ多数派工作を仕掛けるリンカーンだったが、戦争の長期化の影響で形勢は極めて不利。折しも妻メアリーとの関係に悩むリンカーンは、息子ロバートが軍に志願したことに心をかき乱され、政治家として、父親として巨大な試練に直面していくのだった・・・。(「ちらし」より)
公式サイトはこちら

ルーズベルトやケネディやレーガンも人気があるでしょうが、アメリカ人にとっての史上第1位の大統領と云えばリンカーンでしょうね。そのリンカーンを「ハリウッドの巨匠にして世界最強のヒットメーカー」(「ちらし」)スティーブン・スピルバーグが描く。
日本人にはちょっとわかりにくい時代背景でしょうね。ゲティスバーグから1年3か月後、リンカーンが再選されて2か月後から映画は始まる。彼は合衆国憲法修正第13条を議会で可決しない限り真の奴隷解放は実現しないと考える。リンカーンの苦悩や激怒や失望や喜びが丹念に描かれる。映画終盤、1865年1月31日、憲法修正第13条が下院で可決され、奴隷制が永久に廃止される。喜びに沸き立つワシントン。4月9日にはリー将軍が降伏し南北戦争も終焉に。妻メアリーとも心が通い合い平和な余生が開かれるかに見えたリンカーンだが、フォード劇場で暗殺される。暗殺の描き方、原作がそうなのかスピルバーグのアイディアなのか知りませんが、実に巧み。最後のシーンはリンカーンの演説。
2時間30分、リンカーン夫妻の葛藤・ロビイストの暗躍・議会での共和党と民主党の応酬・戦場の悲惨さ・リンカーンと南軍の交渉など、28日間のドキュメンタリーを見ているような感覚に。本作品でダニエル・デイ=ルイスは3回目のアカデミー賞主演男優賞を受賞。本作品、12部門にノミネートされたアカデミー賞は他に美術賞も受賞。
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by tiaokumura | 2013-04-20 14:26 | 映画 | Comments(0)

2013年度4月生・入学式

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4月19日(金)午前9時~12時半、A組授業。引継ぎ・昼食をあわただしく済ませて1時から2階の広い教室で2013年度4月生・入学式。入学式と云ってもうちのようなミニ学校はかなりお気楽なそれで、学院長式辞・担当教員自己紹介・新入生自己紹介・記念撮影と続く。アップした写真は新入生・教員の記念撮影。学生の服装、ずいぶんまちまち。ダイバーシティの見本かも^^。
今年度新入生には、僕の記憶する限りでは学院初めてになると思うが、アフリカ大陸出身が2人。ベナン共和国・コンゴ民主共和国。僕の教師歴でアフリカは高専でケニア出身男子学生を教えただけです。
今年初めての試みですが、紅白のおまんじゅうを配りました。あんこって嫌いな外国人もいますが、まあ日本の習慣ということで用意しました。反応はいかに。
入学式のあとはガイダンスで、留学生活の注意など。
無事に入学式&ガイダンス終了。ちょっと変かもしれませんが、新入生の授業は入学式に先立ちもう4月8日(月)から始まっています。ビザの関係などで一斉に入学ってないので(五月雨式に入国してくる)、例年、入学式は授業開始から2、3週間後ってことになります。今日現在で、ネパール人女子学生が2人、未入国。大丈夫なんじゃろか^^。
今年度の在学生は、中華人民共和国・ネパール連邦民主共和国・ベトナム社会主義共和国・中華民国・ベナン共和国・タジキスタン共和国・インドネシア共和国・カナダ・コンゴ民主共和国・スイス連邦・フィリピン共和国と10を超える国・地域出身。ここまでのインターナショナルは久しぶりかも。楽しみが多い1年になりそうです。
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by tiaokumura | 2013-04-19 13:53 | 僕は学院長5年生 | Comments(2)

タブレットを使った授業

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小池幸司 神谷加代
iPAD 教育活用7つの秘訣~先駆者に聞く教育現場での実践とアプリ選びのコツ~
2013年3月4日 第1版第1刷
ウイネット出版
2000円+税

新井紀子
ほんとうにいいの?デジタル教科書
2012年12月6日 第1刷
岩波書店(岩波ブックレット)
560円+税

NHKテレビテキスト 趣味Do楽(講師 岡嶋裕史
なるほど便利!くらしで使える スマホ&タブレット
2013年4月1日発行
NHK出版

最初の2冊は富山国際学院同僚の粕谷謙治さんに勧められて読んだ本。富山国際学院はビンボー日本語学校^^なので、電子黒板・学生用PCを購入しての授業は無理。うちにとっては「ボーダイな」費用がかかるし投資した費用対効果も確実ではない。そんなビンボー日本語学校のトップが思いついたのがタブレットを8台くらい買ってタブレットを使っての授業はどうか、って案。初期費用として40万円くらいかかるでしょうが、自分の月給を切り詰めればなんとかなりそうな金額である。ただ、その場合、本当に授業がうまくいくのかどうか。タブレットを使った授業について知りたいと思ってて、粕谷さんから2書を読むように勧められた。
ICT タブレット デバイス アプリ クラウド 同期 ビューア キャプチャ コーディング スマートデバイス プラットフォーム ケーブルレス クラウド・ストレージ カスタマイズ WiFi デジタルネイティブ フユーチャースクール iPAD iPOD スマホ ・・・
皆さんはどの程度わかられますか。僕にはほとんどがチンプンカンプン(激爆)。WiFiなんて「ウイフイ」って読んでた^^(AKB48だって「アキバよんじゅうはち」だと思ってた^^)。この分野、語の理解からして難しい。でもPractice makes a new stage.(←僕の作った英文^^)だから、まずはiPADを買って使いながらiPAD導入の是非を考えたほうがいいのかも。あるいはプロに教えを乞う。いずれにしてもメカ音痴にはつらい時代になったものです。
何事にも光と影がある。新井本は「紙をデジタルで置き換えることは、良いことばかりなのだろうか? デジタルに移行することで失うものはないか?」(同書)という疑問から出発し、デジタル教科書と紙の教科書のメリット・デメリットを論じる。新井紀子勝間和代本を通じて知った数学者。

自分、いろんな運に恵まれているというかセレンディビティでしょうか。タイミングよくNHK-Eテレで写真の3冊目の講座が始まった。ただ、今まで3回放映のところ1回目しか見ていない(汗)。
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by tiaokumura | 2013-04-18 07:14 | 日本語教育 | Comments(2)

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)

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村上春樹(むらかみ・はるき1949-)
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
英題Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage
2013年4月15日 第1刷
文藝春秋
1700円+税
ある日ふと思い立って、机に向かってこの小説の最初の数行を書き、どんな展開があるのか、どんな人物が出てくるのか、どれほどの長さになるのか、何もわからないまま、半年ばかりこの物語を書き続けました。最初のうち僕に理解できていたのは、多崎つくるという一人の青年の目に映る限定された世界の光景だけでした。でもその光景が日々少しずつ変貌し、深く広くなっていくのを見るのは、僕にとってとても興味深いことだったし、ある意味では心を動かされることでありました。(著者インタビューより)

1Q84』の時は、売らんかなの商業主義が嫌だったし、どうせ3年くらいで文庫化されるだろうからその時読めばいいと思い、買わなかった。新潮文庫本4冊になってから読みました、割と一気に・夢中になって。今回も、相変わらずの謎めいた宣伝ぶりだけど「まあそれは村上春樹だからしょうがないか」と思え(自分、ちょっと大人になったのかも^^)、前作同様やはり文庫化(今度は文春文庫でしょうね)も3年くらいのうちになされるのだろうけど、『1Q84』刊行時とは自分の置かれた状況が変わっている(前作と本作の間には、僕の末期癌発見が挟まる。余命!)ため「今しか読めないかも」との思いがあった。
前置きが長くなったが(汗)、けっきょく買っちゃいました、4月13日、50万部とかの発売当日。

長編小説とは云っても単行本で370ページですからそんなに長くない。喪失と再生-ハルキワールドではおなじみのテーマでしょうね。『ノルウェイの森』(1987)『海辺のカフカ』(2002)『1Q84』(2009・2010)につながる系列の作品。大きな物語がない分、『ノルウェイの森』と似てるかも。
多崎作(たざき・つくる)は名古屋市の郊外にある公立高校生時代、同じクラスの赤松・青海・白根・黒埜と友達だった。高校卒業後、多崎以外の4人は名古屋で進学し、多崎は上京して工科大学に入学する。大学2年の夏、
・・・我々はみんなもうお前とは顔を合わせたくないし、口をききたくもないと告げられた。きっぱりと、妥協の余地もなく唐突に。そしてそのような厳しい通告を受けなくてはならない理由は、何ひとつ説明してもらえなかった。彼もあえて尋ねなかった。(pp5-6)
これが「喪失」。多崎の「再生」は2度あるでしょうね。大学時代に1度、鉄道会社に勤めてから出会った沙羅の勧めで行く過去を明らかにする旅(巡礼)で1度。
村上春樹の長年のファンであれば、本作、読んで損はないでしょうけど、こう書くと当ブログ炎上必至^^かもしれませんが、正直あまりおもしろくない作品だった。松井秀喜の国民栄誉賞と同じ程度の疑問を感じるできの作品だった。
①ハメーンリンナ(フィンランド)は良いが、主要舞台の一つ「名古屋」がムラカミワールドには似合わない。もちろん小説で名古屋は必然性のある場所になってるのだけど。
②灰田・沙羅の謎っぽさが、他の作品の登場人物と比べると、弱い。
③筋立て。高校時代の「喪失」が無理っぽい。喪失の原因が誤解から生じている部分が、作品では無理矢理?意味ありげなことに置き換えられている。
④メタファーがこれまでの作品と比べると少なく陳腐。でもメタファーをどう英語・中国語・朝鮮語・フランス語・・・に翻訳するかは、翻訳者の腕の見せ所なんでしょうね。
初めて村上作品に触れる若い人がこの作品から入ると失望するかも。村上文学読者デビューには不似合いな作品です。
今回の作品の音楽は、タイトルにも引用されているフランツ・リスト『ル・マル・デュ・ペLe Mal du Pays』が最重要曲。ラザール・ベルマン版、アルフレート・ブレンデル版。この曲がこの小説の通奏低音になってるんでしょうね。ほかには『ラウンド・ミッドナイト』『ラスヴェガス万歳!』。

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by tiaokumura | 2013-04-17 08:05 | | Comments(0)

竹中了哲君と@茜月

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(4月16日朝・記)
今からもう半世紀ほど前、僕が進学した高校は1年次から文系・理系を選ぶことになっていて、入学前にそのことを知らされ、よくわからないまま、5教科の中では理科が不得手だったので「文系」にした。今の高校はどうなんだろう。自分の人生だからその時に文系を選んだことを後悔はしていないが、15歳で文系か理系かに絞るのはいかがなものだろうか。入学してみると、当時は理系が人気があったのでしょうね、文系は2クラス(か3クラス?)だけであとの5クラス(か、もっとあったか)は理系だった。優秀な学生は理系だったようで文系は落ちこぼれの集まりみたかったが、それが僕の性(しょう)に合ってたんでしょうね、女子の多いこともあって^^(理系クラスは女子はクラスに2人か3人みたかったが、僕のクラスは男女ほぼ同じだった)、3年間、のんびりと高校生活を過ごせた。進学校だったので授業はきつかったのだろうが、逆に言えば授業になんとかついていければ大学進学の道は開けた。
高校に入学して同じクラスだったのが竹中了哲君。彼は浄土真宗本願寺派(お西)の家の生まれ。富山は真宗王国で自分も幼少のころからお経や御文章や和讃に慣れ親しんでいたので、お寺の「若はん」(富山ではそういう言い方をする) だからという抵抗もなく、すぐに友達になった。彼は僕と違って人望が厚く、3年間ずっと級長をやってたんじゃないかなあ。1年・3年と彼と同級で担任は数学の守田平(もりた・たいら)先生。先生もよかったんでしょうね、ずいぶん居心地のいいクラスだった。
竹中君はブラスバンド部、僕は陸上競技部(ハンドボール部にも)で、部活の後おしゃべりしたり、恋の悩みを打ち明けたり(照)、勉強を教えあったり。進学校ってとこはなんとなく恋愛ご法度みたいな雰囲気があるものだが、3年生のときだったか僕は下級生のMKが好きになった。彼女のことで竹中君に相談したような記憶がある。
竹中君とは高校卒業後はなかなか会うチャンスがない。お互いもう年なのでもっと会いたいものだが、彼は浄土真宗本願寺派富山教区の重鎮のようで、住職の座は息子さんに譲ったが、まだ「ごんげはん」(権現様、の訛りか。富山ではこう言う)で多忙みたい。4月14日(日)は僕のKおばの49日の法要。人の縁とは不思議なもので、K家は彼の檀家なんですね。法要での彼のお説教は「如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし 師主知識の恩徳も ほねをくだきても謝すべし」などを引用してわかりやすい・心に沁みこむものだった。
アップした写真は法要のあとの会食、茜月(あかつき)。僕は初めてのお店で、富山にもこういう料亭あるんですね、京都の山里にあるような隠れ家的なお店でした。

浄土真宗も戦争責任や部落差別や高齢化・後継者不足や信仰心希薄社会化など困難な問題を抱えているだろうし、竹中君も若かりしときに僧侶の道に進むべきか悩んだ時代もあっただろうし今だって人知れぬ悩みもあることだろう。だが二人の友情は(青臭いかもしれないけど^^)永遠。末期癌の発見後、死が身近になった今の自分には、竹中了哲君は貴重な友である。高校卒業まもなく50年、守田先生を招いてのクラス会、あったらいいなあと思う。ねぇ、どう、竹中君。
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by tiaokumura | 2013-04-14 13:40 | このブログのこと | Comments(0)

土門拳の昭和@砺波市美術館

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(4月14日午後・記)
僕は写真・カメラの趣味は全くないド素人だが、昭和写真史を彩る巨匠は、名取洋之助(なとり・ようのすけ1920-62)・木村伊兵衛(きむら・いへえ1901-74)そして土門拳(1909-90)になるのではないだろうかと思う。その土門拳の写真展があるということで、4月13日(土)に観に行った。会場は、僕の家からは1時間強の遠出になるが砺波市美術館。ここは、昨年南砺市での仕事の帰り、鉛筆画の木下晋展を観に行って以来2度目。あの時は駐車場を出るときバックで立木にぶつかりバックミラーが粉々に砕け散るという失態を演じてしまった(恥)。

土門拳の昭和
「激動の日本」と格闘した写真家がいた!

2013年4月13日~6月2日
砺波市美術館
「昭和」の姿を写真に収め、見る人々へ多大な啓発を促した写真家土門拳(1909-90)。強いメッセージ性を持った土門の写真論はアマチュア写真家たちを鼓舞し、以後の日本写真界に大きな影響を与えました。
「鬼の土門」と呼ばれるほどに執拗な姿勢で、被写体に極限まで迫った写真は力強く、今なお多くの写真ファンを魅了しています。
本展は土門拳の写真人生をふり返りつつ、彼が捉えた昭和の写真を展示します。第一線で活躍した日本人写真家の写真芸術をとおして、昭和史の重要場面に触れていただける絶好の機会となることでしょう。
(同展リーフレットより)

展示は1Fと2Fを使い「戦前・戦中のしごと」「戦後日本の歩みとともに」「風貌」「日本の美」と分け、他に「絵画作品」「資料・遺品」。館内ではビデオで「激動日本を捉えた写真家・土門拳」のビデオ(約14分30秒)が流されている。
最近の美術展は開館中さまざまなイベントを催していることが多いが、本展でもこの日
藤森猛講演会「わが師土門拳を語る」
が催され拝聴した。藤森は1942年生まれ、1962~67年の5年間、土門に師事した(2代目内弟子)。『筑豊のこども』『古寺巡礼』などの時代のエピソードのあれこれなど貴重な話満載だった。土門の写真に対する姿勢は「調べる・見る・感動・凝視・撮影」の5段階だそうです。また、室生寺でもそうですが「鬼の土門」は気に入ったところしか撮らない。対象の寸法を測り、仏師の気持ちを推量する。「失敗がいい結果を生む」という態度。「やさしく強く」がモットー。土門にとっては「写す=生きる」であった。土門は弟子に「教える」ことをしない。藤森は土門から「人生の生きざま・姿勢」を学んだ。

筑豊のこどももそうだが浅草のこどもも、そこに切り取られているのはまさにあの時代の「僕たち」である。リアリズムの極致なんでしょうね。内灘も砂川も羽田も釜ヶ崎・ヒロシマも、「カメラとモチーフの直結」になるのでしょうね。文楽も仏像も焼き物も俳優・小説家も、彼の手にかかると演出を超越した真実が写し取られていくのでしょうね。
タバコをくゆらせ厳しくさびしげなまなざしのセルフポートレイト(本記事にアップした写真の右上にある)。ポストカードになってたので図録と一緒に買いました。
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by tiaokumura | 2013-04-13 13:47 | 美術 | Comments(2)