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学院長式辞@富山国際学院2016年度卒業式

富山国際学院は1993年4月に開校し、1995年3月に第1回卒業式を行いました。今回が23回目の卒業式ということになります。第23回卒業式にあたり、一言式辞を述べさせていただきます。
ただ今卒業証書をお渡ししました卒業生の皆様、ご卒業、おめでとうございます。
私は皆様のような留学経験がありませんので、偉そうなことは言えませんが、皆様の富山国際学院での留学生活は決して楽ではなかったと思います。日本語がわからなくて悔し涙を流したこと、アルバイト先でいわれのない叱責を受けて怒りを禁じえなかったこと、あるいは故郷の家族の病気を耳にしながら帰るに帰れなかったこと、2年前にはネパールから日本に来たばかりなのに母国で大きい地震が起きたなど、さまざまなご苦労があったことでしょう。
一方で、母国にいたときは料理も洗濯も掃除もお金の管理も、ひょっとして自転車にすら乗れなかったような若者が、今はこうして誰の助けも借りずに、すなわち自分の力で生きる、自立した生活が送れるまでに成長しています。
私は日本語はもちろんネイティブでペラペラですが、恥ずかしながら日本語以外の語学は全くできません。しかるに皆様は、上級学校に進学できる日本語力、自分の率直な思いが伝えられる日本語力を、2年ないしは1年半という短い期間で習得されました。まことにすばらしいことであります。皆様を受け入れた日本語学校の責任者として、皆様を誇りに思いこの日を喜ばしい気持ちで迎えております。
(中略)
ところで、皆さんの先輩にあたるネパール人女性にラズバハク・ホシナさんがいます。本学院の卒業生でこの春富山県内の大学を卒業されます。先日、日本で一番読まれている読売新聞の「気流」という欄に彼女の投書が掲載されていました。ちょっと長くなりますが、その一部をここで紹介させてください。
留学するなら都会にすべきだ、という意見がある。だが、私の場合、地方に留学したおかげで、やりたいことを納得できるまで挑戦する余裕を得て、成長につながった。学問と語学だけでなく、文化を学び、地域の視点からも日本を理解した。本来の日本の姿に接することができたと考える。/地方の温かさを感じながら地元の人々と交流する機会もあり、安心して楽しめる地方への留学を、私はすすめたい。
このような投書です。皆様はホシナさんに全く同感ではないかもしれませんが、皆様もここ富山でここ富山国際学院で学ばれて、同じような感想を持たれるのではないでしょうか。
さて、こういう卒業式の場では何か皆様へたむけの言葉というものを述べるのが慣例です。昨年は、トランプ大統領やAIやリオリンピックやらいろいろ話題になりましたが、日本の場合、SMAPの解散も大きなニュースでした。私は恥ずかしながら木村拓哉以外は名前や顔がよくわからないのですが、彼らの歌で「世界に一つだけの花」というのがあります。好きな人が多い楽曲でしょうね。この曲を作ったのは槇原敬之というシンガーソングライターです。その歌のさわりに
小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one
があります。金子みすゞという詩人に「みんなちがって、みんないい。」という一節があります。私もそう思います。この歌はそこと似ていますが、私が疑問に思うのは「もともと特別なonly oneなのだからNO.1にならなくていい」という考え方です。私の解釈が間違っているかもしれませんが、私にはそう聞こえます。「私は私で誰でもない、私の代わりは誰もできない。私はonly one。」 確かにそうかもしれません。だからといって、only oneにとどまっていていいのでしょうか。そういうのは誰でもなれます。
私は皆さんに言いたい。皆さんはすでにしてonly oneであるのだから、それがどこの世界であれ、その世界のNO.1を目指してほしい。それでたとえNO.1になれなくても(なれないことが多いかもしれません)、「努力は裏切らない」と言います。必ずあなたは一歩ずつ一歩ずつ前進しています。
(中略)
こうしてみんなが一同に会するのももうあと数時間です。このあと富山を離れる人・富山に残る人、大学に進学する人・専門学校に進学する人など、それぞれの道を歩んでいかれます。
本日、ベトナム社会主義共和国・中華人民共和国・ネパール連邦民主共和国・大韓民国・フィリピン共和国出身の36名の若者が富山国際学院というステージから旅立ちます。
皆様が次のステージでも大いに活躍され、豊かで明るい未来を切り開かれることを願って、学院長式辞とさせていただきます。
2017年3月10日
特定非営利活動法人 富山国際学院
学院長 奥村隆信
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by tiaokumura | 2017-03-11 08:30 | 僕は学院長8年生 | Comments(2)

学院長式辞@2016年度4月期生・入学式

2016年度4月期新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
富山国際学院12名の教師を代表してお祝いの言葉を述べさせていただきます。
On behalf of 12 teachers at 富山国際学院, I would like to express my deepest congratulations to all of you, 2016 April session students.

今回は、ベトナム社会主義共和国、中華人民共和国、ネパール連邦民主共和国、パキスタン・イスラム共和国、大韓民国、ベラルーシ共和国からの新入生、合せて28名の入学になります。
We welcome 28 new students from Socialist Republic of Vietnam, People’s Republic of China, Federal Democratic Republic of Nepal, Islamic Republic of Pakistan, Republic of Korea and Republic of Belarus.

既に4月4日から富山国際学院での授業がスタートしましたが、皆さんにはここで3つのことを約束し実行していただきたい。
At the beginning of learning 日本語 here at 富山国際学院, I want you to keep three promises to practice.

まず、学校を休んだり授業に遅刻したりしないこと。出席率100%を目指してください。
First of all, don’t be absent from school. Don’t be late for class, neither. During your school days in 富山国際学院, realize almost 100% of the percentage in attendance.

次に、授業中は日本語だけ、母語を使わないこと。同じクラスに母語で話せる人がいるかもしれませんが、そんな相手とも日本語だけでコミュニケーションしてください。
Second, use only 日本語 during class. Don’t use your mother tongue. The more you use 日本語, the better your 日本語 becomes. The more you use a mother tongue, the worse your score reaches.

最後に、宿題がたくさん出ますが、サボラないで、そして必ず自分でやること。宿題をきちんとやらないと授業がわからなくなってしまいます。
Third and the last, do your homework by yourself. A lot of homework helps you with your learning 日本語.

以上3つの約束を守っていただければ、必ずやみなさんの今の希望が実現します。
When you keep the three promises I told, you must succeed in learning 日本語, and I’m sure that you realize your first dream in Japan.

この学校では1か月約70時間日本語を勉強します。残念ながらそれは日本語を習得するのに十分な時間とは言えません。1か月は約720時間ですから、1か月で約650時間も学校以外の時間があります。皆さんは、せっかく日本に留学し、日本語環境の中で生活するのです。学校以外の時間もできるだけ日本語に接してください。
One month has 720 hours. On the other hand, you spend only 70 hours at your school per one month. That’s not enough time to master 日本語. Try to use 日本語 not only at 富山国際学院 but also at any other places in Japan. You are surrounded by 日本語, 日本語 and 日本語.

皆さんは富山国際学院に入学しました。どうか耳も目も口も手も大きく開いて、たくさん聞いて読んで話して書いて、皆さんの輝かしい未来に向かってがんばってください。皆さんの富山国際学院での留学生活がすばらしいものになることを願っております。
Well, you all are new members of our 富山国際学院. Please keep your ears, eyes, mouths and hands wide-open. Listen to 日本語 always; read, speak and write 日本語 as hard as possible. Keep a tough mind to challenge for your brilliant future. 富山国際学院 welcomes all of you, and hopes you will spend the very best and delightful lives here.

皆さん、ご入学本当におめでとうございます。
Congratulations to you, again. Thank you.

2016年4月22日
富山国際学院 学院長 奥村隆信

(4月23日・追記)
①今回は、2年生のベトナム人・中国人・ネパール人から1人ずつ、通訳を頼みました。こういうの、助かります。
②某学長が今年の入学式で英語でスピーチって話題になりました。うちんとこ、もうずーっと前から入学式式辞、英語、入れてます。多文化共生のロールモデルかも(嘘爆)。なお、今回の式辞の英語原稿は、スタッフの平崎さんに添削していただきました。
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by tiaokumura | 2016-04-22 13:53 | 僕は学院長8年生 | Comments(0)