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カテゴリ:美術
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雑誌「BRUTUS」「サライ」「日経おとなのOFF」

当ブログ2012年3月19日付CARTA2012年陽春号」で同誌を「ぜひ手元に置いておきたいすばらしい本」として紹介しましたが、あちらは「日本美術」で今度は「西洋美術史」特集の雑誌が出ました。
BRUTUS 2012年5月1日号
西洋美術総まとめ。
人気画家・山口晃と一緒に降り返る、美術の歴史3000年。

2012年4月16日発売
特別定価630円(本体600円)
マガジンハウス
西洋美術総まとめ。」では「古代ギリシャ・ローマ」から「第一次世界大戦後の美術。」まで15に区分し、解説文と資料図版。例えば「2 中世の美術」は「永遠の生命は燦然と輝く神の国のみにあり。この世の美も善も、すべては神の栄光のために。」として解説文とモザイク・イコン・ステンドグラス・タピスリーなどの図版。「6 17世紀オランダの美術」は「絵画や彫刻の聖像礼拝は御法度に。しかし美術マーケットは拡大し、肖像画の新形式も登場。」でフェルメール『真珠の耳飾りの少女』『真珠の首飾りの少女』、レンブラント『イサクの犠牲』など。「15 第一次世界大戦後の美術。」は「世界大戦をくぐり抜けて大きく変貌した世界。芸術家たちも否応なくその変化と対峙していた。」で、掲示絵画はモディリアーニ『髪をほどいた横たわる裸婦』、シャガール『誕生日』、ルソー『ビセートル近郊ビエーヴルの斜面』など11点。
テーマで見る西洋美術」が2箇所。その内「幻想とエロス」では、ミュシャ『サラ・ベルナールのポスター』・クリムト『接吻』・ルドン『キュクロプス』・シーレ『死と乙女』・ムンク『叫び』・ガレ『ひとよ茸ランプ』・ロダン『永遠の青春』など。アール・ヌーヴォーが「装飾が無用・過剰なものとされていく未来を予感するがゆえの装飾の『抵抗』であった」(p071)って「なるほど」と思いますね。
この特集でセザンヌをずいぶん評価している。ピカソ(セザンヌは「みんなの父」)もマティスもドガもモネもゴーギャンも「セザンヌを高く評価していた」(p083)んですって。僕、2000年夏にオルセー美術館を訪れた時、セザンヌなんてほとんど通過だった(恥)。今朝のNHK-E「日曜美術館」、「セザンヌ傑作10選」やってました。山口晃がゲストでいささかビックリ。今六本木の国立新美術館で「セザンヌーパリとプロヴァンス」展開催中(6月11日まで)。TV番組中の10選は、
りんごとオレンジ 台所のテーブル 首吊りの家・オーヴェル=シュル=オワーズ 赤いひじ掛け椅子のセザンヌ夫人 坐る農夫(オルセーのじゃなく長谷川徳七所蔵) サント=ヴィクトワール山 トロネの道とサント=ヴィクトワール山 サント=ヴィクトワール山 大水浴 庭師ヴァリエ
でした。
雑誌って鍋料理かブイヤベースでしょうね、いろいろごちゃ交ぜ(もちろん編集部には一貫した何かがあるのだろうけど)の楽しみ。今号には「GUNDAM」特集「まだ、ガンダムのことを知らない者たちへ」が綴じ込みで入っています。

サライ 2012年5月号
大特集 群像・日本の作家

2012年4月10日発売
特別定価880円(本体838円)
小学館
第1部「20世紀の文士総覧」では1900年代~1990年代まで代表的な作家(文士!)の略歴・写真と各時代史。例えば1920年代「関東大震災と大正の終焉。愛と不安にからめとられる命」は芥川・有島・牧水・鷗外・放哉で、1970年代「露呈する経済偏重の弊害。美学を重んじた作家の最期」は志賀・実篤・川端・三島ら。宮沢賢治は1920年代(立原道造も)、向田邦子は1980年代、藤沢周平は1990年代に入っています。み~んな「文士」で括るのはヘンですが^^。
第2部「文士の手紙と筆遣い」では子規→虚子、漱石→子供たち、芥川→妻など。梶井基次郎から宇賀康宛の手紙も。梶井は僕が東京教育大生時代に卒論を書こうと思った作家(挫折しちゃいましたが^^)。桜を思うとき、梶井の「櫻の樹の下には屍體が埋まつてゐる」を思い出します。
第3部は「松本清張と森鷗外」。今年は清張没後20年、鷗外生誕150年だそうです。清張『或る「小倉日記」伝』は好きな小説です。主人公の人生に自分を重ねてるところもあるんでしょうね。
全部で180ページほどの雑誌で大特集はその3分の1ほどですから、損したと思う人もいるかもしれませんね(激爆)。
女性誌だけの現象かと思ってましたが、今号は「おまけ」付き。「オリジナル萬年筆」です。別冊付録は「サライ 大人の逸品 2012春号」。ビンボー人の自分には目の毒なカタログっす(汗)。

日経おとなのOFF
おとなの 江戸学入門 400年都市の昔と今とを歩く

2012年4月6日発行
648円+税
日経BP社
江戸時代」については日本橋・四季・ファッション・長屋・グルメなどが切り口。「明治・大正時代」では東京駅、丸の内歴史建築、東京文学散歩など。「昭和時代」では東京タワー(中学の修学旅行で行きました!)・居酒屋・名喫茶など。「平成時代」はもちろんスカイツリー。
全約120ページ中、3分の2が「おとなの江戸学入門」です。6月の東京旅行で少し参考になる本かな。
by tiaokumura | 2012-04-22 13:18 | 美術 | Trackback | Comments(0)
富山県立近代美術館

4月3日(火)夜のTV。BS日テレ『怨の人・孔子伝』(6時~)、中国ドラマ、いしだ壱成が顔回役で出演。いしだの中国での活動ぶり、いつだったかTVでやってました。BSプレミアム『幕末太陽傳』(9時~)。夭折した天才映画監督・川島雄三(かわしま・ゆうぞう1918-63)の傑作。このあいだ、フォルツァ総曲輪でも上映していた。TVはそれと同じ「デジタル修復版」。フランキー堺・南田洋子・左幸子(富山出身です)・石原裕次郎・芦川いづみ・小林旭ら当時の日活の主だった俳優が総出演みたいな映画。「居残り左平次」「品川心中」「三枚起請」など落語世界がふんだんに。裕次郎が高杉晋作役で、三味線をつまびきながら「三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい」を唄う。『幕末~』を中断して、NHK-Eテレ『テレビで中国語』(10時~10:20)、この日が第1課。講師は陳淑梅。最近は知らないが何年か前もこの老師で、彼女は日本語教師の僕にも参考になる教え方の持ち主。
前夜はそんな具合でTVをけっこう見て、グズグズ日付が変わるまで起きていたのだが、3連休2日目の今日・4月4日(水)は午前5時半起床。年寄りは朝が早い(汗)。朝日新聞、この時間にはもう配達されているのですね(地元紙の北日本新聞はまだ)。新聞・朝食・片づけなどをして、10時前に車で家を出る。北陸銀行→コンビニ→富山県済生会富山病院→富山北郵便局→富山市民病院と回り、この日のお目当ての富山県立近代美術館(アップした写真は同館)の駐車場に車を停める。

企画展「パリで学んだ画家たち 芸術の都でみた光
岡本太郎「赤い兎」「明日の神話」、駒井哲郎「人形と小動物」、野見山暁治「みくりが池」、金山康喜「食前の祈り」「パリの風景」、前田常作「銀河瞑想」「天の浮船」、鴨居玲「海の人」など。一度実物を見たいと想っていた南佳子(みなみ・けいこ1911-2004)、「版画集『空・鳥・水』シリーズ」10点組が出展。
4月8日(日)まで。入場料・一般500円(常設も鑑賞可)。

昼食は近代美術館近くのサンマルク(SAINTMARC)富山太郎丸店。ジジイが一人で入るには勇気が要るレストランです^^。3分ほど待って2人掛けテーブル席に案内される。単品の組み合わせでと思っていたのですが、この時間帯はランチセットのみ。レギュラーランチ(2品から選択。「やわらか蒸し鶏とベーコンのクリームグラタン」にした)+ランチスープ(コーンスープだった)+パン。「ベーカリーレストラン」を謳っているだけあってパンはおいしかった。食べ放題ってことでしょうね、ウエートレスがパンを持って巡回。3口大のこぶりなパン各種。僕はココア・クルミ・チーズ・ベーコン・よもぎ・ひまわりを食べました。グラタン、この間苦い失敗をしていたのを忘れていた。ほとんど食べられず。

再び富山県立近代美術館
常設展示室Ⅰ~Ⅳ。アルベルト・ジャコメッティの「裸婦立像」は何回・何十回観ても飽きないし「生きる」勇気を与えられる。僕にとってのNo.1美術作品。それが富山にあるのですから僕は実に幸せ者です。
富山県立近代美術館・奥村十選(順不同)。
アルベルト・ジャコメッティ:裸婦立像
ジョルジュ・ルオー:パシオン
ポール・デルヴォー:夜の汽車
パブロ・ピカソ:肘かけ椅子の女
マルク・シャガール:山羊を抱く男
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック:マンジの肖像
ルネ・マグリット:真実の井戸
アンディ・ウォーホール:マリリン
ジャコモ・マンズー:着衣の少女
ジョアン・ミロ:パイプを吸う男
他にも、アンリ・マティス:ナイフを投げる男、マルセル・デュシャン:トランクの箱、パウル・クレー:名誉毀損、ワシリー・カンディンスキー:万聖節、マックス・エルンスト:森と太陽、サルバドール・ダリ:アメリカのクリスマスのアレゴリー、ジャクソン・ポロック:無題、サム・フランシス:無題、ジョージ・シーガル:戸口によりかかる娘、フランシス・ベーコン:横たわる人物、舟越桂:澄みわたる距離、亀倉雄策:東京オリンピックなどなど。瀧口修造のコレクションも見もの。なぜこんなに充実したコレクションかと言うと、瀧口修造(富山出身)や大岡信のおかげでしょうね。あとあの当時、県にお金があった、良き理解者が行政にもいた(?)ってことかな。

美術館(博物館なども)、どこも経営が苦しい時代でしょうね。富山県立近代美術館も同じでしょうね。僕が訪れていた時間帯、僕も入れて10人くらいしかいない感じ。スタッフのほうが多いかも^^。
県内・県外の皆様、ぜひ富山県立近代美術館に足をお運びください。
僕が考える富山の文化ベスト3は、「八尾おわら風の盆」「利賀演劇祭」そして「富山県立近代美術館コレクション」です。富山って自然や海の幸・山の幸・里の幸が有名ですが、文化の幸だってあるんです。←郷土愛、溢れすぎかも(激爆)。
by tiaokumura | 2012-04-04 12:32 | 美術 | Trackback | Comments(0)
楽しみな展覧会3つ
去年は末期癌が見つかり実現できなかったが、一昨年まで関西(神戸など)と首都圏(東京・横浜)を1年交替で数年間個人旅行していた。今年6月、東京に行こうと思う。体力・気力を考えると「あと何回の旅行」な自分^^、ちと無理もあるのですが東京に行こうと思い立った理由の一つがスカイツリー(ワシってけっこうミーハーなんっす^^)でもう一つは「ボストン美術館 日本美術の至宝」展。
6月8日(金)~10日(日)の2泊3日の東京旅行で訪れたい美術展は次の3つです。

特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝
会期:~6月10日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
公式HP:http://www.boston-nippon.jp/
記念講演会:
4月21日(土) 辻惟雄(MIHO MUSEUM館長)「奇才・曽我蕭白を語る」 他
関連TV番組:
4月27日(金) 団塊スタイル(NHK-Eテレ 8pm~。再放送あり)
5月6日(日) 日曜美術館「COOL JAPANがやって来た!~ボストン美術館 日本美術の至宝~」(NHK-Eテレ 9am~。再放送あり)
5月23日(水) 極上・美の饗宴「世界初公開!荒ぶる雲龍~曽我蕭白の大胆と周到~」(NHK-BSプレミアム 9pm~。再放送あり)
5月30日(水) 極上・美の饗宴「平安の超絶ミクロアート~華麗なる仏画の秘密~」(NHK-BSプレミアム 9pm~。再放送あり) 他
奥村一言
海外流出していなければ(一時期の日本人は愚かだった)国宝級の数々の傑作群。強いてベスト5を挙げれば(順不同)、①曽我蕭白(そが・しょうはく1730-81)雲龍図②長谷川等伯(はせがわ・とうはく1539-1610)龍虎図屏風③平治物語絵巻 三条殿夜討巻④快慶(かいけい?-?)弥勒菩薩立像⑤伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう1716-1800)鸚鵡図。同展、東京のあと名古屋などに巡回。名古屋でまた観たい。

フェルメール光の王国展
会期:~7月22日(日)
会場:フェルメール・センター銀座
公式HP:http://www.vermeer-center-ginza.com/
奥村一言
この展覧会の総合監修を務める福岡伸一は「現存する全フェルメール作品を最新のデジタルマスタリング技術によって、彼が描いた当時の色調とテクスチャーを推測して、原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して一堂に展示する場所を作ろう」(公式HPより引用)と考えた。福岡のこの試みについてはしばらく前にTVで見て、このブログ記事でもちょっと触れました。「そんなのは冒涜だ」「なんでもデジタルなんて嫌悪感を抱く」「どんなにテクノロジーが進化してもオリジナルの復元は不可能・無謀」って向きもあるかもしれませんが(ボクもちょっとはそう思う)、福岡が実現したところを見てみたい気もします。なお、木・金・土曜日に「特別夜間鑑賞」(午後7時~10時)3000円があり、入場料・音声ガイド貸し出し料(音声ガイドは、フェルメール役が小林薫・娘エリザベス役が宮沢りえ)・ドリンク料込み。

あなたに見せたい絵があります。-ブリヂストン美術館開館60周年記念
会期:~6月24日(日)
会場:ブリヂストン美術館
公式HP:http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/
奥村一言
バブル期だったか某あほオーナー社長(いや、会長だったか)がゴッホ(いや、モネだったかしら)の絵を入手し「自分が死んだら一緒に火葬して欲しい」とか言った。それにひきかえ近代の企業人は、「メッセ」なんて言葉がない時代から文化に対する尊敬の念が強かった。金持ちがお金だけじゃ一目置かれない良き時代でもあったんでしょうね。大倉も大原も出光もサントリーも資生堂もそうだし、静嘉堂文庫は岩崎だし。ブリヂストンもそうでしょうね。鳩山家との関係で語られるほうが多そうですが^^石橋家、ご当主は文化に造詣が深かった。今年が美術館開館60周年ということで記念展。マネ・セザンヌ・ルノワール・ピカソなどのコレクションが「自画像」「ヌード」「レジャー」「山」といったテーマの下に「いつもと異なる文脈にならべて新鮮な印象を与える」(公式HPより引用)展示。レンブラント「聖書あるいは物語に取材した夜の情景」、雪舟「四季山水図(春幅)」も見ものでしょうね。

久しぶりのお上りさん(照)。6月8日(金)の夜、東京教育大学生時代のサークル「学生文化会」の仲間との食事会も楽しみです。前回の集い(2010年5月)は当ブログこちらにあります。
残り限られた人生-思い出作りって意図はあまりないのですが、いろんな体験、大切にしていきたい。

PS
各展覧会の正確な情報は公式HPでご確認ください。
PSs
ボストン美術館 日本美術の至宝」展の名古屋開催は、前期が6月23日(土)~9月17日(月・祝)、後期が9月29日(土)~12月9日(日)です。会場はもちろん^^名古屋ボストン美術館です。
by tiaokumura | 2012-04-01 11:44 | 美術 | Trackback | Comments(2)
CARTA2012年陽春号

歴史群像4月号別冊
CARTA2012年陽春号
2012年3月16日発売
648円+税
Gakken

これはこれは実に便利な本が出たものです。定価(680円)も実に手ごろ。僕はこの本、たとえ1200円でも買ったでしょうね。お薦め本です。
本誌、まず第一特集「日本美術入門」。
矢島新(やじま・あらた1960-。跡見学園女子大学教授)は本誌で初めて知った方ですが、実に行き届いた解説です。全体の監修も彼です。
通史をいくつかに区分し見開き2ページに年表・資料でまとめてある。順に飛鳥・白鳳・奈良(天平)時代「仏教美術の幕開けと極み」→平安時代「和様化と古典文化の完成」→鎌倉・南北朝・室町時代「リアリズムの台頭と水墨画の発展」→桃山時代・江戸時代初期「天下人の権威を映す造形」→江戸時代中期~後期「日本美術の熟成時代」。
Lectureが全部で18あり、特徴ある時代の美術について矢島のわかりやすい説明がある。例えば、1「崇高な様式を持つ日本の初期仏教美術」(釈迦三尊像、救世観音像など)、4「密教伝来の影響による情念の神仏」(如意輪観音坐像、薬師如来立像など)、9「室町水墨画の個性豊かな絵師たち」(雪舟、雪村など)、11「等伯と永徳、桃山二大絵師の現存代表作」(唐獅子図屏風、松林図屏風)、14「光琳と若冲-装飾と表現のあわい」(燕子花図屏風、動植綵絵・群鶏図)、18「浮世絵黄金時代-驚異の洗練度」(春信、写楽、国芳、北斎)など。
COLUMNが3つあり、「仏像ができるまで」「日本画ができるまで」「浮世絵版画ができるまで」。今までの本でこういうところに触れた本は、管見にしてなかったような気がする。
本誌の「日本美術入門」にはさまざまなアイディアが織り込まれ、今までありそうでなかった切り口の本です。本誌を読めば、日本美術の基本基礎が過不足なく押さえられます。
更に本誌では、
⑤明日3月20日から始まる「ボストン美術館 日本美術の至宝展」も。曽我蕭白「雲龍図」、長谷川等伯「龍虎図屏風」、快慶「弥勒菩薩立像」、「平治物語絵巻」など、海外流出していなければどれも「国宝」扱いでしょうね。6月20日までの同展(東京国立博物館・平成館)、ぜひ観覧したいものです。朝日新聞が主催なのですが、朝日新聞、あんまり宣伝してないような気がしますが、どうなんでしょうね。
本誌、他には
⑥第二特集として日本の名城と桜2012「春の弘前城」。弘前城は弘前藩津軽氏10万石の居城で、「弘前さくらまつり」は4月23日~5月5日だそうです。
更に、
⑦別冊付録として「城郭のひみつ」が綴じ込み。僕は「城」にはほとんど興味ないんですが、城ファンには必携でしょうね。

日本美術に少しでも関心がある方は、ぜひ手元に1冊置いておきたいすばらしい本です。
by tiaokumura | 2012-03-19 08:40 | 美術 | Trackback | Comments(2)
横尾忠則ポスター展THE BEST450@富山県立近代美術館

(10月30日午後・記)
昨日10月29日(土)はけっこう忙しい日だった。
新しい仕事の打ち合わせで午前中は黒部市へ。アポは10時に取ってあり、初めての訪問先なので早目に余裕を持って家を8時に出た。ところが黒部に向かう8号線、順調すぎるっていうか、9時前には目的地に着いてしまった(激爆)。以前聞いたことがあるが、富山県はコンパクトな県で県内のどこからでも県庁所在地の富山市に車で1時間以内で行けるそうな。なるほど。長野県や岩手県と比べたら富山県はサイズがちょうど良い県なんでしょうね。
早く着きすぎたので、生地駅まで行ってみた。20年ほど前、YKKに日本語を教えに行ってた。その時はJR利用で下車駅は生地。記憶によれば駅の前においしい水飲み場があったはず。で、今もありました。駅員の方に聞くと「おいしいかどうかわかりませんよ」ってなつれない返事^^。もっと誇りに思えばいいのにね。黒部川扇状地湧水群は環境省?の名水にも選ばれてるはず。生地駅の清水、500mlのペットボトルに汲む。
10時前、富山国際学院スタッフの一人と合流。その後クライアントと打ち合わせなど。12時近く無事終了。
帰り、黒部ポークを食べようと思ったが8号線沿いには見つからない。とんかつの店に入ってとんかつ+エビフライの定食を食べた。ただ、癌患者にはやっぱ量が多すぎる。とんかつ2つとエビフライ2尾はなんとか食べたが、十穀米・ミニうどん・キャベツなどはほとんど残した。食べ物をこんなに粗末にしてたらどこかで罰が当たるでしょうね。
この日の午後は横尾忠則展&講演会を予定。午前はビジネスだったので僕はスーツを着てて、当初はいったん帰宅して着替えてからと思ってたのだが、時間がない。1時前に8号線を降りて、自宅には向かわず富山県立近代美術館へ。

1時半頃、近代美術館に入る。
横尾忠則ポスター展 THE BEST 450(YOKOO)
同展公式サイトより以下引用。
現代日本を代表するアーティストの横尾忠則(1936年兵庫県西脇市生まれ)は、絵画、ポスター、映画、文学と様々な芸術活動を展開しています。中でも半世紀以上にわたり、一貫して制作し続けているポスターの仕事は、作家の核となるものといえるでしょう。昨年、作家の高校時代から今日まで制作された全ポスター約900点が大阪の国立国際美術館に収蔵され、「横尾忠則全ポスター」展が開催されました。本展では、この貴重なコレクションの中から、これまでほとんど公開されていない初期の作品、長期にわたり展開されてきたシリーズポスターを含め、精選した横尾ポスターの代表作450点を一堂に紹介します。

講演が2時からなので展覧会を観るのは後回しにして講演会場に入る。もう満席で立ち見を覚悟してたら、後に2列椅子を継ぎ足してくれたので座れた。末期がん患者(照)としては立ち見はきつい。係員のアナウンスで講演ではなく副館長との対談とのこと。ちょっと嫌な予感。案の定、聞き手が下手で(横尾が意地悪なとこもあったのだろうが)、なんとも冴えない「対談」。会場からの質問のほうがよかった。「三島との思い出」についての質問-三島に「礼節を弁える」と言われたこと。縦糸が創造で横糸が礼節という創作観。「3.11」についての質問-横尾はあの日ヨコハマトリエンナーレ2011の打ち合わせで有楽町のビル内にいた。激しい地震を体を通して経験。有楽町から世田谷の自宅まで普通は車で30分くらいなのだがこの日は7時間半かかった。途中、横尾は帰宅難民の列に身を投じる。大震災後、東北人はゼロからの出発・破壊からの創造になるが、では自分はどうすればいいのか。彼が大震災前から描いていた絵に真っ黒なY字路がある。その絵が示唆するように、「見えないものを見えるようにする」のが美術であるとしたら、今の自分は「見えるものを見えないように描く」のだ。
僕は横尾の講演は2001年の個展「2つの境域」(今回と同じ富山県立近代美術館)の際に聴いている。あのときは前日のプロ野球の話題を枕にずいぶん饒舌で楽しい講演だった。今回は横尾の希望だったのでしょうが「対談」ってことでちょっとガッカリ。対談相手ももっと適役がいたような気がする。

展覧会を見る。ほぼ10年ごとに区切ったゾーンが6つと「シリーズポスター」の7部構成。
右上にアップした写真は僕のコレクションからです。CLEAR LIGHT1975というカレンダー(オフセット・紙。103×68。表紙を入れて13枚。函入り)です。今回のポスター展では164~175に対応するでしょうね。5000部限定で僕のシリアルナンバーは2284。あの当時の友人の村岡敏夫さん(彫刻家)を通じて購入した記憶がある。横尾は1974年にインド旅行。CLEAR LIGHTは横尾のスピリチュアル傾向の強い作品でしょうね。

今回の展覧会は図録なし。残念。「土方巽 燔犠大踏鑑」「切断された小指に捧げるバラード」「腰巻お仙」などのポストカードを買って帰宅。
by tiaokumura | 2011-10-29 13:32 | 美術 | Trackback | Comments(4)
岐阜県美術館でルドンを観る

(5月22日午後・記)
カーテンを閉めないで寝てたせいもあって5月18日(水)午前6時過ぎ、宿泊先のチサンイン名古屋で目が覚める。夜間頻尿^^、旅先でもあんまし変わんない。3回以上はトイレに行ったかなあ。とほほ。いったん目が覚めたがまだ寝ててもいい時刻なので、カーテンを閉めてもう少しまどろむ。
8時前起床。シャワー・出発準備、チェックアウト。
今回の名古屋1泊、この機会に岐阜県美術館行きを予定に入れてた。僕は数年前大原美術館(倉敷)に行って、国内で行きたい美術館は残り川村美術館(千葉県)と岐阜県美術館の2つになった。岐阜県美術館は、オディロン・ルドン(Odilon Redon1840-1916)のコレクションでは日本一なんですね。僕は20代の頃に粟津則雄の本か何かでルドンに出逢った。性に合ってたんでしょうね、好きになりました。フランス語版でハードカヴァーのルドン画集も買いました。東京時代に古本屋に売ってしまったの、今でも後悔してる。2000年夏、妻とパリに行った時、オルセーでルドン作品観賞。ルーヴルもオルセーも確か写真撮影OKなのですが(日本の美術館を知る者としては不思議)、ルドンの展示室は照明が落としてあってフラッシュ撮影したら係員に注意された苦い思い出も。あれ、撮影禁止だったのかフラッシュ撮影禁止だったのか、どっちだったんだろう。
今回の名古屋出張で待望の岐阜県美術館行きの時間が取れた。

5月18日(水)、JR名古屋駅構内の「おらが蕎麦」で朝食、とろろざるそば。東海道線で名古屋→岐阜、約30分。岐阜駅からはバス。バスターミナルのボランティアガイドなんでしょうね、ユニフォーム姿の女性に乗るバスを教えていただく。JR岐阜→県美術館、バス約15分。
早く着きすぎたので庭のベンチで讀賣・日経2紙。午前10時前、「どうぞ」という声で館内に。ロッカーに荷物を預ける。
受付嬢に「富山からルドンを観に来たのですが」と申し上げる。でもこれ、嘘じゃないけど、正確な言い方じゃなかった。「名古屋出張を利用してルドンを観に来ました」と言うべきだったかも。僕は事前にネットでチェックしていて、この日行ってもそんなにルドン作品は観られないとわかっていたのですが、受付嬢は富山からの遠来の客に申し訳ないと思われたのでしょうね、今観られる作品はわずかしかない旨、恐縮しながら話される。ルドンコレクションの図録も過去のルドン展の図録もないとのこと。グッズもあいにく水曜は売店休みで入手不可。でも彼女から貴重な情報が得られた。7月4日~10月3日は岐阜県美術館は再整備工事のため休館するのですが、その間所蔵のコレクションを静岡・京都・東京と巡回。巡回展のタイトルは「夢見る世紀末 ルドンとその周辺」。僕、静岡は無理なので、京都か東京で観ようと思う。
京都:美術館「えき」KYOTO 10月15日~11月13日
東京:三菱一号館美術館 2012年1月17日~3月4日
今年は行きたい美術展は、「レンブラント展」(6月25日~。名古屋)・「空海と密教美術展」(東京)・「プラド美術館所蔵 ゴヤ~光と影」(東京)の3つだったのですが、楽しみが増えました。

常設室になるのでしょうね、320円の入館料。
第2室「ルドンと黒い幻想の系譜」で、『ゴヤ頌から』の「Ⅰ夢の中で私は空に神秘の顔を見た」・「Ⅳ胚芽の如き存在もあった」他2点。
第3室「ルドンと親交のあった画家たち」で、「ダブル・プロフィル」「オディロン・ルドンの肖像」「わが子」「エドゥアール・ヴュイヤール」「ピエール・ボナール」「リカルド・ビニェス」「ジュリエット・ドデュ」の7点。
他にポール・ゴーギャン(「ノアノア」など)、熊谷守一、伊東深水など。

退室してロッカーから荷物を取り出して館内で少し休んでたら、さきほどの受付嬢に声をかけられた。先ほど以外の情報あれこれ教えていただく。5月29日の日曜美術館(NHK-E)はルドン特集だそうです。朗報ですね。彼女がおっしゃるのには、前日か前々日だったか、千住明・森田美由紀らが撮影に訪れたそうです。先日の「レンブラント10選」や今夜放映の「国芳10選」のような「ルドン10選」みたい。10作品の中には当然岐阜県美術館所蔵の何作品かも入っているのでしょうね。
アップした写真、ブログ掲載許可を得て受付嬢に撮っていただきました。
受付嬢さま、いろいろありがとうございました。

名古屋に戻り、駅構内の「驛釜きしめん」でざるきしめん。会議までまだ時間があったので、「MERMAID CAFÉ」でクロックムッシュ(ライ麦)&コーヒー。名古屋は喫煙に厳しい土地柄なのですが、ここの2Fに喫煙可がある。
1時から4時過ぎまで東海北陸地区日本語学校協議会

会議のあとJR名古屋駅内の高島屋。三省堂で本を見る、ただし1冊も買わず。ふと思い立って帰りの列車内での夕食を買いにデパ地下^^に。駅弁は昔「峠の釜飯」が好きだったけど、他はあまりおいしいと思ったことはない。今回、デパ地下でお惣菜あれこれを買うことにした。100g単位で買えるもの多いし、あれこれ選べるし、えりすぐりの名品揃いだし、これ、我ながらいいアイディア。今までどうして思いつかなかったのだろう。でも、生存権さえ脅かされている被災者の皆さまには、食べたいものを好きなだけ選べるボクは犯罪者みたいになりますが、なにとぞご容赦を。
「瀬戸内産タコとシャキシャキ野菜のサラダ」「生ハムとルッコラのサラダ」「トリ軟骨から揚げ」「キス天ぷら」「トマトミックスサンド」を買いました。食欲が往時の3割以下の今の身には、いずれも食欲をそそられるものばかり。
名古屋17:48発しらさぎ13号沓水さん(金沢)・蒋さん(富山)と3人。しらさぎ宴会(激爆)。さきほどのメニューと、アルコールは富山から持参した缶入り水割り。いつも一緒の福井の佐藤さんは今回欠席で残念。

次回の名古屋出張は6月24日の予定。
by tiaokumura | 2011-05-18 10:40 | 美術 | Trackback | Comments(0)
楽しみな「若冲ミラクルワールド」(NHKBSプレミアム)
今夜から4回にわたって、NHK・BSプレミアムで「若冲ミラクルワールド」放送。
25日「色と光の魔術師 奇跡の黄金の秘密
26日「命のクリエイター 超細密画の謎
27日「千年先を見つめた絵師 ボーダーレスJAKUCHU
28日「黒の革命 水墨画の挑戦者
(午後9:00~10:29。28日のみ午後8:00~9:29)
ナビゲーターは松本潤大野智。皆さんは「」ってわかりますか? ワシ、ほとんどわからん(恥)。僕が、「嵐」のメンバー中で唯一名前と顔が一致するのは、10年ほど前に「金田一少年の事件簿」(古すぎ^^)で覚えた松本潤。Wikipediaによると松潤(って略すそうです)は最年少メンバーだそうで(それでももう27歳)、身長・体重は僕とほぼ同じ(←松潤ファン、怒らんといてね^^)。
自分、20年以上人気No.1の××××だってメンバー中2人の区別が長い間ようつかんで^^、「全裸酔っ払い@公園」でやっと区別がつくようになった(激爆)。「そんなんでよう日本語教師やれるもんじゃね」って言われそうですが、そこはよくしたもので、わからんときは学生に教えてもらう。学生の日本語発話の練習にもなって一石二鳥なんです。宇多田ヒカルだって、そのデビュー時に、台湾人女子学生に教えてもらいました。藤圭子の娘だと知ってビックリ。

伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう1716?-1800)を『大日本人名辭書(一)』(講談社学術文庫版。昭和55年8月)より引いておく。原文縦書き、漢字・句読点など奥村の恣意による。
京師の画家。初めの名は春教、後汝釣、字は景和、若冲は其の号、又斗米庵と号す。青物問屋の主なり。幼より画を好み、初め狩野家に学び、後元明の古蹟を模修し、又光琳の筆意を混じて一流の画風を出せり。人物、山水、草花、鳥獣等を能くす。殊に鶏画に巧みなり。家に鶏数頭を養ひ、数日其の形状を黙視して後揮毫す。故に筆意其の真に入る。恰も静動鳴啄を為すが如し。然れども、形似を事とせず、専ら写意を主とせり。世人大に感賞して、其の名一時に伝播す。後京師の深草石峯寺の側に閑居して、黄檗派の和尚伝玽に附属す。偶々鶏の画を請求する人は、必ず米一斗を以て謝礼とす。故に斗米庵の号あり。寛政十二年九月十日歿す。年八十五(p264下段-p265上段)

去年だったか、僕、石峯寺に行って来ました。
富山、4月も下旬だというのに気温上がらない。自分、まだこたつしています。今夜はこたつに入ってのTV鑑賞です。

(4月26日朝・訂正)
昨夜から始まった「若冲ミラクルワールド」のナビゲーターは松本潤ではなく大野智です。お詫びして訂正いたします。「おおの・さとし」って読むのでしょうか。蜷川作品でデビューした藤原を丸っこくしたような感じのタレントです。
by tiaokumura | 2011-04-25 19:43 | 美術 | Trackback | Comments(0)
上田秋成展

(8月26日夜・記)
8月21日(土)、JRの何線になるのでしょうか、舞子から京都へ。大阪までは割りと近く感じたのですが、大阪―京都がずいぶん長かった(と感じた)。京都市外を走るのでしょうか、高山線の市街地みたいな所を通り抜けてJR京都駅到着。
京都駅地下街ポルタ。僕は京都にはそんなに来ないのですが、京都に来るとたいがいポルタに寄ってます。ここは、食事ができてお土産も買えて座るところもあって便利。京都人に言わせると「あんなとこ行くもんやおまへん(←京都弁のつもり^^)」かもしれぬが、僕のような田舎者にはありがたい。ポルタ内の「田ごと」(「ご」は「古」の変体仮名に濁点)で、にしんそば+アルファ。僕、京都はにしんそばと湯豆腐です。鱧もおいしいのでしょうが、ボクのような田舎者には、どんな調理法をもってしても鱧は口に合いません(ごめんなさい)。きっと食材自体が「上品すぎる」んでしょうね。死ぬまでに1回くらい「そっか、これがあの鱧なんだな」と感動したい。祗園辺りの「一見さん、お断わり」じゃったらそんな味にお目にかかれるのかしらん。

京都駅前からバスに乗って京都国立博物館
上田秋成展
を観る。上田秋成(1738-1809。去年が没後200年だった)、中学はともかく高校では読んだでしょうね。僕は1回目^^の大学の専攻が「国文学」だったんで、秋成はそこそこ読みました。大学2年のときだったか学園祭(「桐葉祭」とか言った)で専攻で出し物をすることになった。ちょうどその頃は、唐木順三『無用者の系譜』(筑摩書房からだったと思う。書名、違ったかも)とかコリン・ウイルソン『アウトサイダー』とかがはやり?で、まぁ簡単に言うと「異端」「周辺」を切り口に文学を分析してみるって発表を、当時の教育大・国語国文学専攻で企画した。各自(クラスは30人くらい)分担して、僕は記憶が定かではないが上田秋成もその時にかじったような気がする。『雨月物語』も『春雨物語』もすばらしいが、秋成の人生(文学との関わり)を知るには『癇癖談』『膽大小心録』が欠かせない(と思う)。
田口卯吉(鼎軒。1855-1905。『日本開化小史』など)の『大日本人名辭書』は、大槻文彦『大言海』・吉田東伍『大日本地名辭書』と並ぶ「辞書」の白眉でしょうね。僕は講談社学術文庫版(例えば「(一)」は昭和55年8月10日・第1刷)で持っていて、重宝してます。文庫版なので活字が小さいのと、版型の関係なんでしょうね、購入後30年を経て字が薄くなってきているのが難点。でも買い換えるってぇも今じゃ揃いでン万円でしょうから、今持っている文庫本を使い続けます。同辞書の「ウヘダ アキナリ」、過不足なくまとまった名文。P383、3段組の3段にわたって記述。一部引用すると、
名大に聞ゆ然れども性狷介にして交遊少なく事毎に拗戻なること多し
確かに秋成にはそういう面があるのでしょうが、しかし今回の秋成展でもわかるように、秋成は当時の京阪の言ってみれば「サロン」で多くの人々と交わっている。関わり方はさまざまなれど、秋成を巡る人物の名を挙げれば、木村兼葭堂・加藤宇万伎(賀茂真淵の弟子)・呉春(画家)・池大雅・円山応挙・伊藤若冲・田能村竹田ら。
『大日本人名辭書』「ウヘダ アキナリ」には太田南畝の漢詩も載っています(p383中段)。秋成が無腸名で詠んだ「津の國のなにはにつけてにくまるるあしまの蟹のよこばしる身は」も掲載。参考文献に『膽大小心録』が挙げられていないのは田口の罪ではありません。
秋成と本居宣長との論争は、秋成の完敗なのでしょうが、ちょっと卑怯な見方をすれば、宣長がやがて軍国主義に悪用されたのに対して秋成は三島や春樹にも愛されて今日まで生き残っているのだから、歴史の目で見れば「引き分け」とも言えるのかもしれない。
今回の展覧会、土曜日というのに客は少なかった。残念。新発見資料を含め、めったに観ることができない出品の数々。会期は8月29日(日)までと残りわずかなので、ぜひ多くの人々にご訪問いただきたい。
by tiaokumura | 2010-08-21 15:55 | 美術 | Trackback | Comments(0)
ルドンを観に行きたい
年に何回かある名古屋出張の折に訪れたいと思いつつ未だに実現していないのが、岐阜県美術館。先年大原美術館を訪れているので、日本国内で僕が訪れてみたい美術館で残っているのは岐阜県美術館だけになりました。もちろん自分がよう知らんだけで、まだまだたくさん日本国内には優れた美術館、あるでしょうけど。
岐阜県美術館は日本最高のルドンコレクションです。オディロン・ルドン(Odilon Redon1840-1916)は既にこのブログで書いてると思いますが、20代で初めて知りました。何で知ったかは今では不明。西洋美術にも造詣が深い宮崎健二君に教えてもらったのかもしれない。フランス語か英語のハードカヴァーのかなり高価なルドン画集も一時持っていた。東京時代に古本屋に売ってしまって今は手元にない。残念。オルセー美術館に行った時ももちろんルドンを観て来た。照明を落とした部屋での鑑賞。
今、富山県立近代美術館にルドンが多数来ている。美術館の連携による展覧会なのでしょうね、岐阜県美術館からルドン他のコレクションを借り出し、富山県のほうもきっと岐阜にコレクションを貸し出しているのでしょうね。このお盆休みを利用して富山県立近代美術館に行きたい。いつもは月曜休館日なんですが、お盆ってことで帰省客も見込んでなんでしょうね、16日(月)も開館してます。

片付け2日目。片付けっても95%以上が「捨てる」作業なんですけどね(泣)。昨日も今日も自分にとって貴重な本や資料類が続々見つかっています。でもそれらもほとんどは未練が残らん内に捨てています。
見つかった中に、20代前半のノートでしょうね、読書備忘録(読んだ本からの抜き書きなど)がありました。以前ウロ覚えでここに書いたカンディンスキーピカソのこと、正確なところが書いてあったので、以下引用します。カンディンスキー(Василий Васильевич Кандинский1866-1944)のエピソードの出典は何だろう、覚えていません。ピカソのほうは、これはジャコメッティ(Alberto Giacometti1901-66)の発言で間違いないと思います。以前に書いたブログ記事、どちらも覚え間違いしてました。お詫びして訂正。

カンディンスキー
外から帰ったカンディンスキーが、薄暮のアトリエに美しい一枚の絵を見いだした。何が描かれてあるかわからないがその絵は「内面的な白熱に満ち」ていた。しかし実はそれは自分の絵が横にして壁に立てかけてあったのである。翌日、明るい光線のもとでその絵を見なおしてみると、横にしても逆さにしてももう昨夜の美しさはなかった。描かれてある対象がわかるからであると気づいた彼は「自分の絵を駄目にしているのは対象である」として、それ以後、対象を描くことをやめた。

ピカソ
素人と玄人の距離は、そんなに大きくはない。シネマの看板にだってピカソ以上にレアリテのある絵がある。現実とピカソの距離の大きさにくらべれば、ピカソとシネマの広告絵との距離は実に僅かだ。

富山県立近代美術館の展覧会は
名画パレード展 新たなる感動-美の饗宴(岐阜県美術館コレクション)
で、9月5日(日)まで。
by tiaokumura | 2010-08-14 20:48 | 美術 | Trackback | Comments(2)
カラヴァッジョ、映画+トーク

(7月18日午後・記)
この記事、写真をアップしたまま、理由もないままにずいぶん放置してしまってた(大汗)。
2週間前の日曜日・7月4日、「カラヴァッジョCinema&Talk@総曲輪フォルツァ」。

映画
当日は映画のパンフレットが品切れで入手できなかった。残念。以下、記憶・Wikipedia・映画公式サイトなどにより綴る。
カラヴァッジョ 天才画家の光と影』(原題Caravaggio。2007年・イタリア語・133分)。監督アンジェロ・ロンゴーニ、撮影:ヴィットリオ・ストラーロ(『地獄の黙示録』『ラスト・タンゴ・イン・パリ』『ラストンペラー』など)、カラヴァッジョ:アレッシオ・ボーニ、コンスタンツァ・コロンナ公爵夫人:エレナ・ソフィア・リッチ、デル・モンテ枢機卿:ジョルディ・モリャ。
画家の伝記映画ってジャック・ベッケル監督『モンパルナスの灯』(1958。ジェラール・フィリップがモディリアーニ役)が白眉ですが、カラヴァッジョの場合、400年以上前の人物とは言え、作品はもちろんかなりの史料や連綿と語り継がれた逸話がけっこう残っているからでしょうね、たぶん史実に基づいた映画。
冒頭シーン-灼熱の陽光の下、船上で病にうなされるミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio1571-1610。以下「カラヴァッジョ」)。そこから少年期のカラヴァッジョへ。やがて、コロンナ公爵夫人の引きもありローマに出たカラヴァッジョは、デル・モンテ枢機卿にその才能を高く評価される。
映画では、夫・父殺しの罪で斬首される母娘、火刑に処せられるジョルダーノ・ブルーノも描かれる。カラヴァッジョの生きた時代はそういう時代でもあった。映画の中で、カラヴァッジョがブリューゲル(子)と会話する場面もありました。
印象に残るシーンでは、これは『聖マタイの召命』でしょうね、制作中のカラヴァッジョがある朝目覚めて、画面に差し込む日の光を見て「光」の啓示を受けるシーン。いわば絵画的回心。カンディンスキーだったか、抽象絵画に目覚めたエピソードを連想した。あるいはニュートンのリンゴ。
カラヴァッジョの「殺人」も描かれる。彼の最愛のレナの顔面を傷つけたトマッソーニ(女衒の親玉なのでしょうが、描かれ方は僕には「愛すべき存在」みたいな感じだったが)と決闘し彼を殺す。たとえ決闘でも殺人は殺人なんでしょうね。
映画の最後、黙示録の黒馬の騎士のような幻影に脅え逃げ惑うカラヴァッジョ。1610年7月18日没。今日7月18日が彼の没後400年ということになる。イタリアでは何か記念のイベントか展覧会、やってるんでしょうか。
アウトローな芸術家って、カラヴァッジョもそうだし、西ヨーロッパではヴィヨンやサドやジャン・ジュネなど多士済々ですが、日本ではどうだろう。無頼派とか破天荒な人生送ったってぇのは日本にもいるでしょうが、アウトローとなると思い浮かばない。西欧は宗教・道徳・階級の縛りが強いからでしょうか。芸術作品をもってしか対峙できない/できなかった西欧世界。
ベラスケスもレンブラントもフェルメールも、ひょっとしてゴヤやドラクロワらも、カラヴァッジョの影響受けてるんでしょうね。そういう意味ではカラヴァッジョの次は印象派になるのかもしれない。

トーク
映画終了後、こないだ『パキスタン・ストリート』(深川良美プロデュース)の試写会があった部屋でTalk。「没後400年バロック絵画の巨匠カラヴァッジョとその絵画の魅力」、講師は丹羽洋介先生(富山大学名誉教授、大阪芸術大学客員教授)。講義の途中で丹羽先生から「インターネットで私のことを神父さんみたいだと書いた人がいますが・・・」って発言があってドキッ。それ、たぶんボク(激爆)。僕、このブログでそういうの書いたんですね。名乗り出ればよかったのかもしれないけど、考えてるうちに講義はどんどん進んだ^^。
A3で1枚のカラーのレジュメ。キーワードに
映像、ヴィジョン、ルミニスム、リアリズム、五感(視・触・聴・味・嗅)、新プラトン主義、二つの世界
カラヴァッジョの作品は
『エマオの晩餐』『ナルキッソス』『ロレートの聖母』『トマスの不信』『リュートをひく人』
掲載。
パワーポイントを使いながら、カラヴァッジョが何をしようとしたのか・彼が求めて達成しようとしたことは何かについて講義。簡単にまとめれば、カラヴァッジョは天上と地上、ルネサンスとバロック、人文主義と熱情、光と闇、虚と実、宗教改革と反宗教改革といった相反するものを同一化しようとした、ということになろうか。

帰りに『キャタピラー』『台湾人生』のリーフレットがあったのでもらって来た。
フォルツァ総曲輪では、『キャタピラー』の先行上映で「若松孝二監督トークライブ」があるそうです。8月1日(日)午後1時から。あいにく僕はその日は富山にいない。残念。
by tiaokumura | 2010-07-04 12:13 | 美術 | Trackback | Comments(0)