どうも理解できない、富山大学・新学長選び

最近の僕の生活パターンとして、朝は朝日新聞を読んで出勤し、仕事が終わって帰宅し夕食後に北日本新聞を読んでいる。讀賣新聞日本経済新聞を読むこともありますが、家に配達されてくるのは朝日・北日本の2紙です。
さっき、夕食後、北日本新聞を見て驚いた。
西頭富山大学長再任 選考会議で決定
とあるではないか。

私は、2006年4月から2008年3月まで「富山大学人文学部言語学コース」というところに在籍した富山大学卒業生です。西頭新学長に何の「怨みつらみ」もありませんし、今回の選考会議が不透明であったわけでもないのですが、自分の頭が悪いせいかどうも合点がいかないので、以下、感想めいたことを書かせていただきます。

富山大学は2005年、それまであった富山大学・富山医科薬科大学・高岡短大が統合されて新しい「富山大学」として発足。初代学長は、普通なら一番勢力の強い旧・富山大学から選ばれるところなのでしょうが、そんな大方の予想を裏切って、基礎票の少ない西頭徳三氏(当時・高岡短大学長)が選ばれた。旧・富山大学は、統合反対意見・入試ミスの後遺症などもあって(「論客」も多すぎた?^^)うまく学内がまとまらなかったのか、あるいは「改革派」として西頭氏に期待する向きが多かったのか、私にはわからないのですが、西頭新学長(任期4年)が誕生しました。
それから3年、次期学長を選ぶ時が来ました。立候補したのはH氏(理学部長)・K氏(医学薬学研究部特任教授)・西頭氏(学長)。富山大学では、教職員による2回の学内意向調査が行われた。1回目
H氏378票、K氏304票、西頭氏191票
H氏が西頭氏の2倍近い得票。西頭氏は2位と100票近い差の3位。
2回目
H氏314票、K氏116票、西頭氏111票
1回目と投票総数が異なるにしても、K氏の落ち込みが歴然。一方、西頭氏は前回も少なかったが今回もK氏に5票差まで迫ったとは言え依然第3位。要するにH氏の圧勝。
北日本新聞の先日来の記事で「学内意向調査」のことを読み、
「ああ、西頭氏は学内に『敵』が多いのだろうな。これまでの彼の『実績』を評価しない勢力がこれほどまでいるとは」
と思った。「民主主義」の基本でいけば、
H氏、富山大学・新学長に
ってところですよね。
ところが今朝の北日本新聞1面トップは
西頭富山大学長再任 選考会議で決定
かつて「大学自治」が当たり前だった時代に1回目の大学生生活を送った私には信じられない結果。
つまり、学長選びには「決定機関」として「選考会議」があるんですね。メンバーは学外委員12名・学内委員11名、計23名。選考会議当日、学外委員の県知事・冨山市長は欠席。学内委員のH氏は立候補してるため投票権がなく、票数は学外10+学内10の計20票。結果は
西頭氏11票、H氏7票、K氏2票
政治力学が働いたのではないのでしょうが、学外委員の圧倒的多数が西頭氏を支持したに違いない。例えば、学外10+学内1=11となる。

以上が「富山大学・新学長選び」の大ざっぱな経緯です。
ここで大きな疑問が一つあります。「学内意向調査」、あれは結局なんだったんだろう。「選考会議」はそのことについて富山大学学内に対する説明責任がある。
もう一つ疑問。これだけ学内に支持基盤がない新学長は、果たして2期目(再任なので任期は2年)をうまくやっていけるのだろうか。3期目がなくしかも2年という短い任期は「レイダムダック」になりやすい。

だが、こうして結果が出た以上(新潟大・滋賀医科大は富山大と似たような結果が出て教授らが訴訟を起こしたが、大学・国側勝訴が確定してるそうです)、わが母校・富山大学が一つにまとまってほしいと思う。それしか言いよう、ありませんもんね、ボクは学外者なんですから。

戦後雨後の筍のように輩出し、かつては「駅弁大学」とも揶揄された地方国立大学。今は、地域に根差した活動・地域のニーズを汲み取った活動に今後の展開目標を置いた戦略が必要なんでしょうね。
財政危機の中、自前でお金を工面しなければならないことが多くなる富山大学。20年後・30年後にわが母校が「国立大学法人名古屋大学富山校」とか「国立大学法人金沢大学富山分校」とかになっていないように願いたい。
3大学が統合してできた今の富山大学、教官数・授業などにムダが多いと思う。つまり、統合のメリットが生かせていない現状なのである。「痛みなき改革」はありえない。誰が・どこが・いつその痛みを引き受けるのか。新学長の選考過程には疑問を感じるが、卒業生の一人として西頭新学長の手腕に期待したく思う。
[PR]
by tiaokumura | 2008-12-05 20:58 | 富山 | Comments(15)
Commented by memerina at 2008-12-12 17:27
この件は私も同じ思いで「はて?」と報道を見ていました。
まぁ、私ももうすぐ卒業(予定)の身ですから、大学がどうなっていっても、私にはどうしようもありません。なんとかこの時代を乗り切っていってくださるよう祈るほかありません。
それにしても謎の多い選挙です。
Commented by tiaokumura at 2008-12-15 20:58
memerinaさま、コメありがとうっす。
西頭学長で決定なんでしょうが、やはり多くの人が「はて?」でしょうね。
ま、そんなことはどうでもよく^^、卒論、ガンバっす。Mさんの応援もあるのだから、なんとか書き上げてください。なんか、お役に立てることがあったらご遠慮なくどうぞ。にしても×ミ×、心配っす。会ったらよろしくネ。
こないだはお会いできて嬉しかった。昨夜、Kさんちで鍋パーティしました。タイ行きの彼も参加。次は来秋?、彼の帰朝報告会だね。
Commented by たつやん at 2008-12-18 16:42 x
お邪魔します。医学部関連の人間です。
西頭派が21人中11人・・・最初からできレースだったという話です。
分かっていたから、富山市長は欠席したとか・・・。
富山大学の抱える闇は深いです。
附属病院の建設費170億円・・民間ならば50億でできる工事です。
現に氷見市民病院は用地代まで含めて52億で250床の病院を作ります。
うちは用地はあるところに300床で170億・・・。
どこかで誰かにメリットがあるのではないかとうがった見方をしてしまうのも当たり前です。
まあ、どこかで・・・というより、縁故縁故で固まってガンジガラメなこと分かっています。
富山大学は3大学統合の時点で、第二富山県立大学になったのですよ。

Commented by tiaokumura at 2008-12-20 21:08
たつやん様、ご訪問&初コメントありがとうございます。
お書きになった「内部事情」、正直申してわたしのような者にはよくわかりません。「170億」は税金が主になるのでしょうか。寄付金ったってたかがしれてるでしょうし。附属病院が地域医療の核になれたら、170億も高くない、って考え方なんでしょうかねぇ。
「第ニ富山県立大学」って、どういうことなんでしょうか?
Commented by たつやん at 2008-12-21 11:02 x
学長の人事を決定する学外委員のうちの11人が県の関係の人間です。
富山県の意向に添えない人間は学長になれないということです。

170億は税金ですよ。
病院を作ることは手段であって、目的では無いでしょう。
目的は県の企業のお金を落とすこと。
多くの税金を取ってきて、それを富山県の関係の企業に配ることが大学の大きな役目になっています。
ですから、クーラーひとつに100万とか、無線LANをいれるのに25万とか・・・
電気機器1つ買うのにヤマダやコジマで割引品を買うことすらできない。
一事が万事そんな感じです。
こういうことは新聞も取り上げませんしね・・・。
Commented by memerina at 2008-12-24 13:42
人文棟の掲示板に今回の選挙に関する抗議文書が貼られていました。
それも、ご丁寧に一つの掲示板に4枚も同じものを貼り付けて掲示板全面抗議!でした★
1Fではなく4Fのエレベーター前ではありますが、教職員・学生とも通る道・・・ちなみに内容は
「教職員の不信任をうけた西頭氏の学長再選は、富山大学から全国へ向けて起こった一大スキャンダルである」
というような内容・・・すみません、一字一句までは思い出せないのですが。
教職員の組合?から出ている文書のようでした。

現場からお伝えしました★
Commented by tiaokumura at 2008-12-24 20:04
たつやん様、たびたびのコメントありがとうございました。そういうことなんですね。
後輩のコメントによれば、人文学部で抗議文書が貼り出されたそうです。「泥沼」になるのでしょうか。今は、富山大学の教職員の力量が試されているのかもしれません。体力勝負になった場合、どこまでの覚悟がおありなのか・・・。「コップの中の争い」という世間の評価にならないといいのですが。
妄言多謝。
どうぞよいお年を!
Commented by tiaokumura at 2008-12-24 20:40
memerinaさま、コメあんがとさんです。
現場中継、ようわかりました。無給のレポーター役お疲れ。今回のこと、「泥沼化」しなきゃいいけどね。ワシの知ったこっちゃないけんど^^。
ま、そんなことはどうでもいいことで、それよかmemerinaの××が心配っす。「××」は「BF」とか「恋人」とかじゃないっすよ、アレっす(汗)。×んけ×先輩もひ××ち先輩も応援しとるけん、ラストスパート、ガンバっす(ガンバってもあかんこともあるけんど^^)。「××で今大変だ」ってぇのが言語化意識化できる内はいいけんど、それがマヒしてもうたらオシマイっす(経験談より^^)。
差し入れはできそうにないけど、みんな結果オーライになりますように!
PS 寒さ&眠さ対策もしっかりね。
Commented by 匿名希望はだめですか at 2008-12-27 22:50 x
1 票数
 正確には、選考委員は、学外委員12名、学内委員12名です(ググれば、規程か何かが出てきます)。学内委員のうち1名は候補者なので外れる一方、学外委員のうち、知事と富山市長が欠席でしたので、学外10名、学内11名ですね。このうち、さらに学外委員1名が委員長なので、投票から外れています。したがって、投票総数は、学外9名、学内11名の20名でした。西藤さんの得票は11票、他のお二人の合計は9票でしたので、学内から西頭さんには2票あったはずです。

 知事や市長が欠席したのは、単に、こういう紛争問題に立ち入りたくなかったからですね。仮に、票読みが行われて、それが事前にわかっていて、かつ知事や市長にとって仮に西頭さんに決まることがそれほど大事だったら、そんな薄氷のような票読みのときに欠席するはずはありません。

 そもそも、学外委員が西頭さんを推すのは当然です。マスコミ(複数社)の話を(間接的にですが)聞いても、改革を進めているのは西頭さんで、他の方は守旧派というイメージで理解されていますから。・・・多分、だから今の紛争のマスコミでの扱いが小さいのではないかと思います。

Commented by 匿名希望はだめですか at 2008-12-27 23:19 x
その2 利権? (たつやんさんへのコメントです)
 これは、ちょっと考えすぎです。そもそも学長にそんな影響力があるとは思えませんし。仮に、富大の発注が高コストだとしても、それは富大だけではなくて、全国の国立大学一般の問題です。国の事業が「潤沢な資金で」行われていることは、知る人ぞ知る的なことです。
 10年以上前ですが、某県のダム担当の職員から、国がその県に直轄で建設している 某ダムは、県の土木部で造れば半分以下でできるのにと聞いたことがあります。建設事務所の職員数も国では2〜3倍だと言っていました。(ほかにも別の分野で実例を上げられますが、匿名希望が崩れるので)。だが、地方のそんな声が表に出ることはありません。あとが怖いからです。国に意地悪されますので。
 外部委員も、同様の目で、国立大学は無駄をしていると思って、改革推進派候補を単純に推したに過ぎないと思います。マスコミがこの問題を大きく取り上げないのも、大学には改革が必要だという目で見ているからだろうと思います。
Commented by tiaokumura at 2008-12-30 16:43
「匿名希望はだめですか」様、コメントありがとうございます。
部外者の私にはよくわからないことばかりですが、富山大学が混乱しないように願うばかりです。
拙いブログですが、これからもご訪問、よろしくお願い申し上げます。
Commented by 医学部関係者 at 2009-01-01 10:19 x
少なくとも医学部は合併してからおかしくなっています。
附属病院の利益もすべて大学に吸い取られますし、科研費のうわっぱねの割合も上がりました。
せめて附属病院は「富山大学医学部附属病院」にしておくべきでした。
富山大学附属病院では医療現場の実態を知らない人たちからの不当な介入が著しく、まともな医療運営ができません。
実際に、今、附属病院からは中堅医師が附属病院に見切りをつける例が続発しており、
科によっては診療体制に差し障っている状態です。
医者がいない病院はありえない・・・そんなことも経営者には理解できないようです。
近隣の病院が好条件で医師を引き抜いていく実情があります。
親方日の丸の殿様商売では、泥舟は必ず沈没します。
Commented by tiaokumura at 2009-01-04 19:12
医学部関係者さま、コメントありがとうございました。
おっしゃることはきっと正論なのでしょうね。現場からまたいろいろご発信ください。僕たちにはよくわからないことだらけです。と言うか、一般市民には関心が持てない「泥舟」なのかもしれませんね。
本年が「医学部関係者」さまにとって、いい年でありますように。
Commented by 五福関係者 at 2009-01-04 23:56 x
同じく五福でも合併、とかく西頭氏以降残念ながらおかしくなっています。

国の教育研究基盤経費が配分されて行われる学生の卒業研究に裂かれる予算が削減され、通常の資材が使えず卒業研究が満足にできなくなるなど、大学として基本的な教育や研究データの再現性にまで支障を来たす状況になっています。
また、部局間での物品や機器の融通も容易にできなくなり、仮に行うと窃盗にするというので学内での共同研究に各所で支障が生じています。公道上への駐車禁止の標識設置や、学内への関係者以外立ち入り禁止の標識設置で企業からのOBが来学を避ける、学生の政治参加の禁止(参政権を侵害)等々、学長名での禁止学則の乱発を含め、これについてはパワハラや違法ではとの見方もあり各所で様々な訴訟リクスが上がっています。
そして、卒研生がやる事がなくてだんだん大学に来なくなるなど、学級崩壊を生んでいます。
ほかにも、学生への保険による医療費支援を廃止し、貧しい学生が医療機関の受診を避けるなど、地域社会に対し麻疹等感染症についても体制が脆弱化する問題が生じています。困ったものです。
Commented by tiaokumura at 2009-01-06 20:00
五福関係者さま、ご訪問並びに初コメント、ありがとうございました。今回の小生の記事に皆様から多くのコメントがいただけ、いささかビックリいたしております。当ブログにおいて、こんなにコメントが入るのは珍しいことなのです。
結局は(と言う言い方は失礼かもしれませんが)、「富山大学の果たす役割=存在価値」に問題は帰結するのではないでしょうか。「四方八方めでたしメデタシ」なんて環境にはない富山大学。正直申して、富山大学が今後どうなるかはあまり関心がありませんが、新聞報道などは読むだろうと思います。
今冬はずいぶん暖かいようですが、御身御大切にお過ごしください。
拙いブログではありますが、またご訪問(コメント)していただけましたら幸甚に存じます。


<< 日本語能力試験@富山大学 米国でベトナム支援の輪(北日本... >>