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北日本新聞社編集局『越中文学館』(北日本新聞社)

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北日本新聞社編集局
『越中文学館』
2008年10月17日 発行
北日本新聞社
1800円+税

本書は平成19年8月から20年9月まで47回にわたって北日本新聞文化欄に連載されたものをまとめたもの(pp.1-2)。全4章構成で各章の初めにカラー(一部白黒)写真を載せる。各編は作品紹介・著者略歴・関連写真など。巻頭に梅沢直正「文学と郷土意識の両立」があり、巻末に「心潤す郷土の物語-越中文学の歩み」「私の好きな越中文学」を付す。帯には宮本輝「文学は風土が持つ妖気、気配のようなものを増幅させる。風土を書かない作品は永続性を持たない。(以下略)」の文章。装丁は土井野修清、印刷は(株)山田写真製版所
第一章 伝統と祈りに生きる
写真:おわら風の盆、高岡七夕まつり、城端曳山祭、相倉合掌集落、再現された布橋灌頂会など
井上靖「七夕の町」、高橋治「風の盆恋歌」、司馬遼太郎「街道をゆく」、柳田国男「北国紀行」、坂口安吾「富山の薬と越後の毒消し」、辺見じゅん「立山の精霊市」など
第二章 ふるさとの山河
写真:立山夕照、雄山上空から望む剱岳、薬師岳、黒部ダム、立山カルデラの白岩砂防えん堤、称名滝、ホタルの乱舞(富山市婦中町小長沢)、蜃気楼など
新田次郎「剱岳<点の記>」、中河与一「天の夕顔」、吉村昭「高熱隧道」、田部重治「山と渓谷」、幸田文「崩れ」、宮本輝「蛍川」、森鷗外「山椒大夫」、柴田錬三郎「蜃気楼」、江戸川乱歩「押し絵と旅する男」など
第三章 近代とは何か
写真:北前船の模型、五百羅漢、総曲輪通り商店街、空襲直後の富山市内、昭和38年の豪雪で雪に覆われた富山駅前など
井伏鱒二「漂民宇三郎」、横山源之助「日本之下層社会」、泉鏡花「黒百合」、横光利一「紋章」、水上勉「呉羽の羅漢山」、堀田善衛「鶴のいた庭」、三島由紀夫「山の魂」、岩倉政治「無告の記」、武田泰淳「貴族の階段」、吉本隆明「戦争の夏の日」、瀧口修造「三夢三話」など
第四章 人と生まれて
写真:長い道(入善町)、大境の洞窟、富山大橋など
室生犀星「美しき氷河」、柏原兵三「長い道」、池波正太郎「越中・井波-わが先祖の地」、木崎さと子「青桐」、源氏鶏太「みだらな儀式」、野坂昭如「好色の魂」、久世光彦「時を呼ぶ声」、渡辺淳一「愛の流刑地」など

このブログのご訪問者の中には「越中(富山)」とは縁もゆかりもない方が多数いらっしゃるでしょうが、上記の作品は全て越中に関わりのある作品です。どの作品ももちろん作家の創造したものには違いありませんが、その源泉に「越中の風土」があったことは間違いありません。
すばらしき哉、幸いなる哉、誇るべき哉-わがふるさと富山
by tiaokumura | 2008-11-16 11:18 | 富山 | Comments(0)


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