勝間和代『効率が10倍アップする 新・知的生産術』(ダイヤモンド社)

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勝間和代(経済評論家・公認会計士)
効率が10倍アップする 新・知的生産術
-自分をグーグル化する方法-

2007年12月13日 第1刷
2008年1月11日 第7刷
ダイヤモンンド社
1500円+税

(4月13日夜・記)
Googleで「勝間和代」を検索すると950000ヒットします。「フェルメール」が642000ですからすごいもんです。ちなみに「富山国際学院」は12300、「奥村隆信」は6320です(核爆)。
勝間和代ブーム、なんでしょうね。
僕が彼女の名を知ったのはごく最近の今年に入ってで、朝日新聞土曜日別刷りbe on Saturday Businessで知った。カルロス・ゴーン、莫邦富、藤巻兄弟ら錚々たるメンバーに伍して勝間も「勝間式『自分ナビ』宣言」を連載中です。日経などにも連載中だそうです。
こういうブームになる人は、奇を衒ったことを言っているのではなく、ごく当たり前のことをわかりやすく整理して一般人に説明し、でもその際にちょっとオリジナルを付け加える。例えば、昨日の「勝間式『自分ナビ』宣言」で彼女は、新しい職場やクラスでは「周りの人から徹底的な情報収集をすること」「自分が周りの人に貢献できるポイントを見つけて信頼関係を構築すること」の大切さを訴える。そして彼女の場合、その2つをランチを活用して実行してきた。読者に「なるほど、その通りだ」「わたしにもそのくらいならできそう」と思わせるところが「売れっ子」の売れっ子たる所以なんでしょうね。
もう1例。勝間の近著『勝間式「利益の方程式」-商売は粉もの屋に学べ!-』(東洋経済新報社。未購入)。同書の「利益=(顧客当たり単価-顧客当たり獲得コスト-顧客当たり原価)×顧客数」、こんなにわかりやすい数式はないでしょうね。経済学の教科書に時に難しい数式を使ってゴチャゴチャ書かれている「利益」に比べるとこんなにスッキリしてていいのかと思うくらい。利益を上げるには、単価を上げ、獲得コスト・原価を下げ、顧客数を増やせばいい。単純明快!

勝間和代は1968年生まれ。男女雇用機会均等法(1985年)は彼女が高校2年生の時になるでしょうか。慶應義塾大学商学部在学中に公認会計士2次試験合格(当時の最年少記録だそうです)。卒業後はJPモルガン、マッキンゼーなどに勤める。職種は、公認会計士・戦略コンサルタント・証券アナリストなどで、ディーラーもやったそうですから、僕なんかにはすごいキャリアとしか言いようがありません。その後経済評論家として独立。「16年間で年収を10倍にした」そうです。2005年ウォール・ストリート・ジャーナル「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれ、2006年には「エイボン女性大賞」受賞。前者の過去の受賞者には林文子・小林いずみなど、同じく後者には市川房枝・高野悦子など。
そういうキャリアがあるからこそ発言に説得力があり人気があるのでしょうが、勝間の人気の一因は彼女の人生にもありそう。21歳で長女を出産、2回の離婚を経験し、現在は3女の母で独身。ワーキングマザーの希望の星、シングルマザーの憧れでもあるんでしょうね、彼女は。現在、早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程に在学中。本書で彼女は、今の彼女を形成した環境要因として技術要因・報酬要因・意欲要因の3つを挙げている。意欲要因とは
21歳で長女を出産して以来、3人の娘の育児・家事に時間がかかるため、生産性を高めざるを得ない状況に追い込まれたこと(本書p.6)
です。僕も彼女と同様にサービス残業に反対だし、誤解を恐れずに率直に言うと「残業=本人の能力不足」とさえ考える。←エラソーなこと言ってますが、ボクなんかは勝間の爪の垢でも煎じて飲むべきでしょうね、きっと(恥)。

女性が書いたビジネス関連書を読むのは松永真理(1954-)以来です、たぶん。
実は、この写真の本は購入2冊目です。先週火曜日金沢通いが再開し、JR金沢駅で時間があって構内のうつのみや(金沢の有名書店)に入った。何種類かある勝間本から本書を選んで帰りの車中の楽しみにした。ところがいろいろあって帰りの車中で本を置き忘れてしまったんですね、ボク(恥)。僕の場合、本を失くすとその本はもう買うまいと思うこともあるのですが、この本は再び買いました。
うつのみやで数ある勝間本をパラパラとめくってみた上でこの本を選んだのは、「僕にも読みやすそう」ってのもありますが、彼女が情報の中の1%の本質を見極める技術の一つとして
本代をケチらず良書を読む(本書p.65)
を挙げていたからです。「勝間流・読書投資法7か条」ってのも挙がっています。
②すぐに読まない本でも、とりあえず買っておく。買わない本は読まない
③5000円以内の本は迷わず買う。飲み代1回分だと思えば惜しくない
④自分のテーマのアンテナを張っておくと、自ずと必要な本が目に入ってくる
(本書p.152)
って箇所は僕の経験則とも一致します。ただし僕は彼女の年収の遥か下なんで③は「5000円以内の本→500円以内の本」です(爆)。

僕なんかには「宝の持ち腐れ」に等しい本書。20~40代の人には参考になること・実行したいこと多々でしょうね。でも、エセ勝間・ミニ勝間にならないように気をつけてください。
昨日の夜、NHK-Gで「トップセールス」という番組やってました。企業が男性中心で女性のセールスなんて考えられなかった時代をドラマにしたもの。途中から見たのですが、勝間に先行する世代の物語。更に遡れば「女性初の」が冠になることが多かった緒方貞子・赤松良子らの世代。勝間も「女だから」「女のくせに」と言われたこと/言われることがまだあることでしょうね。勝間の娘の時代には完全男女平等が実現してるといいですね。

勝間和代のブログの一つは「私的なことがらを記録しよう!!」。
彼女が「ムギ」として関わっている「ムギ畑」ではゲストもいろいろな情報を得られます。
本書についてはまだまだ書くことがありますが、このくらいにしておきます。
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by tiaokumura | 2008-04-10 21:51 | | Comments(0)


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