富山市教委の愚策「中学校選択制」に反対する

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今のボクからは想像もできないでしょうが、ボクにも小中学生時代はちゃんとありました(核爆)。小学校はO小学校で、父の都合で4年生の2学期からはK小学校に転校。幸いK小学校でも先生・級友たちに恵まれ、中学は地域のみんなと一緒にK中学に進学(「当然」だと思ってた)。ひょっとして何人かは秀才の集まる富山大学附属中学に進学したんかもしれませんが、そこんところの記憶は全然ありません。昔、確か若杉慧という名前だと思うが(記憶違いかもしれない)小説家がいて『青春前期』って作品があった。中学時代を扱った作品じゃなかったかもしれませんが、中学時代って「青春前期」なんかもしれん。青春のシンボル^^ニキビが出始め、「男の子」だったら性に目覚め、宿題サボって「精一杯の想像力」を駆使して(核爆)オナニーなども覚えるかもしれない(照)。あるいは不得意科目どうしたらいいかゼツボーし、あるいは得意科目ばっか勉強してて成績が下がる一方(今もそうですが、オールラウンドじゃないと成績上位になれない。ボクなんて習字・技術家庭・理科などがちょーアホ^^じゃった)。夜、親友と星空の下で好きな子のことや勉強のことや悩みなど語り合う。親の財布から50円(当時のお金。今ならいくらくらいになるんじゃろう)をくすねたり、単純な好奇心から「ハイライト」(当時の人気No.1タバコ)か「しんせい」(こちらは安いタバコ。今はもうない?)を吸って、吸殻の処分に困ったり・・・。以上はフィクションじゃなくって、ぜ~んぶ、ボクの実体験っす(照)。今では考えられない大らかな時代だったと言えばそれまでなんですが。

大都会だけのことかと思ってたのですが、富山市でも「中学校選択制」を実施するという記事を読んで、「なんと愚かな施策なのか!」というのが率直な感想。ちょっと長くなりますが、正確を期すために、北日本新聞6月1日付の記事(写真)のリード部分を引用します(ただし、原文は縦書き)。

富山市教育委員会は31日、市役所で定例会を開き、20年度から導入する中学校の「学校選択制」の入学希望校の申請や抽選などの日程を決めた。9月17日と10月13日に対象となる市立の中学校26校を一斉公開し、授業や部活動などを紹介する。

東京都が「学校選択制」に踏み切った大きな理由は公立学校の「荒れ」であり(そのことで親の公立離れが加速している)、また、公立学校に競争原理を導入し活性化する意図だと、僕は理解している。富山県は幸いそのような問題は、あっても少ない。では、なぜ富山市教委は導入するのか。同記事によれば「自ら希望した中学校に進学することで生徒の主体的な心構えなどを育てたい」とのこと。「え、ちょっと待ってよ」です。じゃあ、選択制に応募しなかった子は、「自らは希望しなかった中学に進学し」「主体的な心構えは身につかない」ってことなん?、などと混ぜっかえす気はないが、そんな理由で選択制導入って乱暴すぎると思う。
選択制が導入されたら、芝園中学・堀川中学・南部中学・奥田中学などが入学希望者が増えるだろう。富山高校・富山中部高校進学者上位の中学校だからである。もちろんこれは僕の予想に過ぎないんですが、いずれにしても「高校進学率」(ここでは進学高校別の率。高校進学率自体は富山県は100%に近い)は大きな鍵を握る。例えば、あなたが医者でお金はたっぷりある。現住所にある中学校はどうも富山中部高校にはあまり進学していないようだ。息子は医者にしたい。となれば「選択制」は渡りに船、ってやつ。ほんとうは芝園中学近辺にマンションを買って「現住所」にしたいくらいだったんですもん、「越境入学」だってやっちゃうぞ、ってのが医者であるパパのあなたの偽らざる気持ち、ですよね。そんな気持ちになる親を誰が責められようか。
長くなるので、以下急ぎ足に。
1)「義務教育」段階での選択制は、子供の「学習権」の侵害である。子供には「学ぶ権利」があり、少なくとも義務教育では「機会均等」「学習内容の平等」が保証されていなければならない。「選択制」により学校の選別が始まれば、学校間格差が出てくるのは必定。「競争原理」などという言葉で子供の「学習権」を侵害してはならない。
2)教師の側に立って考えてみる。「人気のある中学校」に行きたい先生が増えるだろう。「人気のある中学校」は、「優秀な」先生が集まるだろう。そしてその中学校は更に進学実績を伸ばし続け、更にまた入学希望者が増え・・・「風が吹けば桶屋が儲かる」どころじゃなく、明白な将来像。一方、「不人気な学校」の教師。「なんでこんな学校で教えなきゃならないんだ」「オレだって、出来のいい生徒が集まっているクラスならもっと腕を揮えるのに」「校長からは細かいことまであれこれ指導されるし」「早くこんな学校脱出したい」。「不人気校」は負の拡大再生産を続け、ノイローゼになる先生が増え、地域住民からは「中学を何とかしてくれ」署名運動が起こり、そして最悪の場合その中学校、「そして誰もいなくなった」になる。
3)さきほどの市教委の考えを引用して、例えば「自ら希望した中学校(例えば芝園中学)に進学」しようと思ったのに抽選(定員をオーバーした場合「抽選」になる)で外れたAさんの場合。Aさんにとって地域の中学に通う日々は暗い日々にならないだろうか。「抽選じゃなくテストで決めてほしかった」「芝園中学に入ってたら、わたしはもっと力を伸ばすことができたのに、こんな奥村中学みたいな学校に来なきゃならなくなって、私の人生、メチャクチャ」「先生も教え方下手だし、勉強しない級友もウザったい」「わたしが芝園中学行けなかったってこと、みんな知っててイジメる」。「15の春を泣かすな」という言葉があるが、「12の春の挫折」は誰でも乗り越えられるものではない。あまりに大きな代償が要求されるのではないだろうか。
4)さきほどの医者の例のように、地域外の中学に通わせるには、親の経済負担は大きくなる。親の経済力が進学先を決定するのは、義務教育段階では子供にとってあまりにも残酷である。もちろん、義観教育段階以外でもあってはならないことなのだが、現実はそうなってしまっている。
5)地域外から通う子供は部活動や地域行事参加はどうなるのだろう。授業のあと更に部活動があることには批判もあるようだが、僕は部活動は廃止すべきでないと思う。勉強だけが中学校ではないのである。「地域が子供を育てる」風潮は徐々になくなっているが、それでも、地域に根差した中学校は、本来のあるべき姿である。

長々と書いたが、富山市教育委員会には優秀な委員の方々がお集まりのこと。以上の僕のような批判は解決済みであることを祈りたい。
一つだけ市教委に実現してほしいことを言えば、「学校選択制」などというアホなことをやるのではなく、現場の中学校教師の悲鳴を受け止め、まずは中学校教員数を増やすことを実行して欲しい。
「中学校選択制」のような愚策を講じてたんでは、富山市の中学校教育は格差拡大し、崩壊してしまうと、僕は思う。
脅迫するわけではないんですが^^、「中学校選択制」に踏み切った富山市教委は、「中学校選択制」が自分たちの思う通りにいかず、上述したような結果になった場合、手直しには導入の何十倍ものエネルギーが必要であること、また、生徒・保護者・教師に対しての大きな責任があることを、肝に銘じておいていただきたい。
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by tiaokumura | 2007-06-01 19:12 | 富山 | Comments(4)
Commented by 平名 at 2007-06-06 10:27 x
 昔から「御上」が変更をして良く行った例は殆ど無いもんね、、 私の周りで富大付属、私学以外に学校選択性の意見は聞いた事がありませんが、、
Commented by 小助川 at 2007-06-27 13:51 x
行政代表者の任期中にぜひとも導入したいのでしょう。この問題を審議した「富山市通学区域審議会」の様子を見れば明らかです。開催回数は平成18年5月から11月までの半年間でたったの5回(5回目には答申(案)の検討をしているので、実質審議は4回)。15人の委員の平均出席回数は、3.87回(5回中)。教育行政の最高責任者は初回しか出席していない(ただし、行政側は本審議会の正式な「委員」ではない)。各中学校が特色を出そうとすれば、当然教員にかかる負担は増加し、本来の授業に大きな支障が生ずることは目に見えています。学校選択制によって「地元」という基盤が崩壊するのですから、PTA活動も「14歳の挑戦事業」も困難になります。
ちなみに、芝園中学校は現在各学年2クラス編成なのに、建築中の小中[「連携」校舎の中学校は、なぜか各学年4教室。富山市が何をやろうとしているのか明らかでしょう。
行政側は市民の声に全く耳を傾けようとしないので、このような「愚策」に対しては、ほっておいて後から責任をう~と追及するか、行政訴訟を起こして一気に中止させるか、どちらかしかないでしょうね。
Commented by 平名 at 2007-06-27 18:55 x
 明らかに「建築業界の為の導入」でしょう、、 何しろこの業界は赤字覚悟で仕事を取らないと駄目な業界ですから  今日本では、、
Commented by tiaokumura at 2007-06-27 21:29
小助川さま。ご訪問&初コメントありがとうございます。
お恥ずかしいのですが、僕はこの新聞記事読むまで富山市教委がこういうことをやろうとしてたなんて、全く知りませんでした。小助川さんのコメントに書かれていることも知らなかったことばかり。無知の罪ってあるんでしょうね。もっと関心持つようにせねば!
富山市、ウロ覚えですが、桐朋問題でも「失敗」してますよね。小助川さんのコメントの最後の部分、きっと要実行です。
貴重なコメントありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。


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