見城徹『編集者という病い』

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見城徹(幻冬舎代表取締役社長)
編集者という病い
2007年3月12日二刷(3月7日初版)
太田出版
1600円+税

自分史」ブームのようだが、僕には語るべき「自分『史』」などない。「生きざま」という言葉もよく使われるようだが、正直言って「大っ嫌いな言葉」の一つ。
と言いつつ^^、この本は見城徹の「戦史」であり「生きざま」を活写した本だ、などとコメントすることを許されたい(照)。ご存じない方もあるかもしれませんので著者についてご紹介すると
見城徹角川書店角川春樹(父の源義は富山出身、歌人・「角川書店」創業者。辺見じゅんは姉)の下で辣腕編集者として何冊ものヒット作を生み出す。例のコカイン事件をきっかけに角川を離れ(=春樹の「呪縛」から脱出し)、幻冬舎を創立。次々とベストセラー作を出版。
とでもまとめられるだろうか。
同書の目次に出てくる人物を順番に書き出すと
尾崎豊、石原慎太郎、安井かずみ、山際淳司、鈴木いづみ、中上健次、坂本龍一、松任谷由美、村上龍、浜田省吾、五木寛之、夏樹静子、内田康夫、重松清、大江千里、銀色夏生
といったすごいメンバー。本文中には立松和平郷ひろみなども登場する。
尾崎や銀色の出版売り出し方や、慎太郎との「約束」なども興味深いが、やはり何と言っても、僕なんかには、中上や龍や立松らとのいわば「男の友情物語」がおもしろい。「」が彼のエネルギーの源泉であることも、とっても共感(謎爆^^)。
編集」という仕事は、たぶん「」と「商業主義」との狭間で悪戦苦闘することなんでしょうね(哲ちゃん、違った?)。この本は、もちろん「一将功なって万骨枯る」とか「死屍累々」などの暗部は巧妙に隠されているところもあるのかもしれないが、出版界の風雲児・快男児=見城徹が好きな人も批判的な人も、一読巻を措くを能はず、です(爆)。
今まで気づかなかったんですが、彼、慶応出身なんですね。早稲田だとばかり思ってました!
『公文式算数の秘密』、彼が編集者だったってのもビックリ。

訂正
匿名希望」さんのコメントでのご指摘の通りです。
幻冬社幻冬舎
でした。訂正しておきました。お恥ずかしい次第(汗)。
「匿名希望」さま、サンクスです。
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by tiaokumura | 2007-05-17 22:48 | | Comments(6)
Commented by 匿名希望 at 2007-05-19 13:57 x
あっちゃー。幻冬「社」じゃなくて、幻冬「舎」ですよ。。。
Commented by tiaokumura at 2007-05-19 20:39
「匿名希望」さま、ご指摘の通りです。訂正しておきました。
これに懲りずに^^またご訪問くださいませ。
ご指摘、ありがとうございました!
Commented by 哲ちゃん at 2007-05-20 19:44 x
「なんでもいいから,とにかく売れさえすればいい」という考え方は《志(こころざし)》とは言わないのだとすれば,編集に限らず,どんな仕事でも,「志」と「商業主義」は,まず間違いなく矛盾するだろうね。その狭間でどう生きるか・・・・・。言われたこと,指示されたことしかできないのでは,矛盾も生じないだろうから,こんな悩みもないだろうけれど。
ところで,ぼくも「生きざま」という言葉が昔から嫌いでね。「ざま」の語感がダメ。だから自分では決して使わない。むしろ「生きる姿」とか「生き方のすがた・かたち」などを使いたいと思っています。
Commented by 哲ちゃん at 2007-05-20 19:54 x
追伸:山際淳司,なつかしい名前だなぁ! 「江夏の21球」とか「八月のカクテル光線」。なかなか良い作品でした。
彼は本名は犬塚君といって,まだ中央大法学部学生のころ,僕が勤め始めた出版社にアルバイトに来ていました。愛称は「ワンちゃん」。ギターが上手で,夕方,何人かの社員が集まって,社内の一隅でビールや酒をちびりちびりやりながら,彼や僕のギター伴奏でフォークソングなどを歌ったものでした。「成果主義」「競争原理」全盛の昨今の会社には,そんなゆとりは全くなくなったようです。
Commented by tiaokumura at 2007-05-20 22:15
哲ちゃんも「生きざま」って嫌いなんだ、なんかホッとしました^^。宮崎もひょっとして同じかも。
山際淳司さんって、そうだったんだ、へぇ~です。哲ちゃんって、いつも思うんだけど、すごいっていうか恵まれた人生なんだなぁと。羨ましい。
あと昨夜「博士の~」観たんだけど(劇場公開時観なかった)、なんかイマイチだったんだけど。√1の説明変だったし、野球、確かプロ野球だったような。別に原作に忠実じゃなくってもいいんだけど、映像はきれいだったけど、なにか物足りなかった。ちゃんと観てればそうじゃなかったんだろうけど・・・。
Commented by 哲ちゃん at 2007-05-21 12:46 x
『博士の〜〜』映画版がイマイチ,という貴兄の感想に僕も賛成です。教師役の吉岡クンの説明で1箇所,変なところがあるのを見抜いた貴兄の「数学力」は,合格! 全体的に数学者(僕の知っている人)が監修されたのですが,あの場面の撮影のときだけ,何かの事情でチェックができなかったらしい。まぁご愛敬として見過ごせばよいのだけれど・・・・。
原作と映画を比べてどれだけ意味があるのか分からないけれど,原作のほうがうんと良いと,僕は思っています。——これまで文学作品を映画化したものは相当数あるだろうけれど,原作を凌ぐ映画って,あったのだろうか?(そりゃぁ見る人の主観だろう,と言われれば,それはそうだろうけれど,いくつか観た限りでは,原作以上のものにめぐりあったことがない)


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