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加藤重広先生の本、2冊

加藤重広先生の本、2冊_f0030155_19554043.jpg
左                      右
日本語文法入門ハンドブック』   『ことばの科学
2006年12月20日 初版         2007年3月20日 初版
研究社                   ひつじ書房
1600円+税               1200円+税

加藤重広先生のことは、この3月まで富山国際学院の同僚だった水野吉徳さん(現在はタイの大学で日本語を教えている)から、(もう数年前になるか)初めて聞いた。富山大学言語学コースにはすごい先生がいらっしゃるのだなぁってのが、その時の僕の率直な感想だった。水野さんはその頃は富山大学学部生で後に院に進学。加藤先生のご薫陶を受けられたお一人。で、僕は、と言えば、poor OKUMURA:-D、僕が言語学コース3年に編入する1年前に、加藤先生は北海道大学にご転出。「なんでやねん、そんなバカな!」って思ってもしょうがない、アンラッキーとあきらめるっきゃない^^。でも、幸運の女神はおった(核爆)。昨年度の夏の集中講義で加藤先生が富山大にお見えになり、4日間の集中講義。9月19日~22日、題して「日本語語用論研究」。語用論の枠組み・日本語を対象とした語用論。ってもアホなボクにはちょームズくって、あれから8ヶ月経ってもまだ1割もよう理解できとらんのですが(泣)。集中講義初日の夜にあった先生の歓迎会、先生との写真付きで^^9月19日のこのブログに載ってます。加藤先生の富山大での集中講義は05・06年度の2年だけで、今年度はないそうです。僕は結局1回しか先生の授業は受けられなかったことになる。残念。

加藤先生は、現在、北海道大学大学院准教授。たぶん、将来は東京大学あたりの言語学教授になられるのではないでしょうか。そんな先生がここのところ立て続けに出されたご本が、写真の2書。
日本語文法入門ハンドブック』。文法入門書は、現在入手可能なものは数冊あると思います。僕は吉川版、野田版、金水・田窪版、そして加藤版の4冊持ってるかなぁ。大ざっぱに言うと、吉川先生のは日本語教育能力検定試験対策、野田先生のはエンタメ系、金水・田窪両先生のは理論カッチリ型(←あくまで奥村の感想・印象ですよ)。で、今回の加藤先生のは、これら3書とはまた趣を異にして、帯から引用すると「日本語文法の基本を網羅しつつ 最新の成果をバランスよく取り入れた 使いやすい 新時代の必携入門書」(スペース挿入は奥村)。全16章のうち、助動詞に3章、助詞に7章割いてるところは、加藤先生ならではなのかもしれません。
ことばの科学』の方は、「学びのエクササイズ」シリーズ第2弾(第1弾は、谷口一美『認知言語学』)で、このシリーズは(たぶん)初学者向けで、ほんとうを言うと学部2年生あたりの時に読むのがベストですが、オクムラおじさん、3年編入なもんで今やっと読んどる、しかもようわからんままに(恥)。表紙の絵、ソシュールの考えを絵にしたものです。ところでボク、こないだの海部陽介先生の集中講義のレポートで「言語の起源」なんてことに大胆にも挑戦したんですが(このブログに記事あり)、加藤先生のこの本の「3.3 ことばはどこから?」で「仮説」が紹介されてます。もっと早くこの本出版されとったら、海部先生、「優」取れたかも(嘘爆)。ボク、「」でした(恥)。

加藤先生の講義も論文もちょームズいのばかり^^ですが、この2書は、難しいことをわかりやすく、しかも最新の知見に基づく加藤先生ならではの言説が随所に見られます。
言語学に興味がある人には両書、言語学なんかどうでもいいけど「ことば」に興味がある人には『ことばの科学』がお薦めです。
by tiaokumura | 2007-05-14 19:55 | 僕は大学4年生 | Comments(0)


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