久田真紀子「仰げば尊し」(朝日新聞 けいざい+)


僕は朝日新聞を取っているが、経済記事はほとんど読まない。たまに「経済気象台」ってのを読む程度かなあ。そこ、企業人などが書いてる。先日、何気なく経済面に目を通してて「14歳 銀座のホステス」って見出しに目が行った。「元不良少女が、どん底から反転、起業し、教師への恩返しを誓う」という物語。通算4回の記事、切り抜いた。
奥村学習塾を主宰していた頃、教室には本も並べてて、その棚にある日、大平光代『だから、あなたも生きぬいて』(講談社 2000年)を入れた。今回の久田の連載読んでて、大平も思い出した。大平は14歳で暴走族、16歳で刺青、組長と結婚、21歳で北新地でホステス。

久田真紀子、ソフトウェア第三者検証会社「ヴェス」社長、従業員150人、年商10億円。
北海道生まれ、6歳の時両親が離婚し、双子の姉妹と共に母のふるさと千住へ。小学生時代、身を守るためいじめっ子に。足立区立第16中学で「千夏」と出会い、少女3人のチーム結成。中学2年で銀座のクラブホステス。中学卒業式にはPTAが彼女の参加を拒否し、校長室で卒業証書授与。やがて、銀座の仕事にのめりこみ、落ちていった。(1)
お水の道をまっしぐら。バブル崩壊。銀座から歌舞伎町へ。25歳で結婚、大阪へ。だが、DV、26歳で離婚、東京へ戻る。そんなある日、外国で外科医の姉を訪れ、その地で過酷な人生を生きる姉の「こんなんことで死んだら、命はいくつあっても足りない」という声を聞き、<せめて、人に迷惑をかけずに生きよう>と思う。「師匠」との出会い。ITなんて全くわからない中、大企業との営業活動に従事する。(2)
カリスマエンジニアの長谷川清が、久田が頼んだ大企業のシステムトラブルを解決。久田は彼に尋ねる、どうやったのかと。長谷川「ある機械は日本語を、ある機械はフランス語を話してた。それを全部フランス語にしただけさ」。久田は、「IT用語をたとえ話にしてもらったら私にも分かるな」と思う。次第に営業成績が上がる頃、師匠から「退社して起業しなさい」と言われる。現在の久田評の1つ「自分に知識がないと公言し、人を味方にしてしまう。判断は直感的。ずば抜けた人間力の持ち主」。
そんな久田が不惑になろうという年、「千夏」が死んだ。(3)
千夏は殺された。久田は葬儀の仕切り役に。かつての恩師、関根健一、星野誠一、吉岡幸子に連絡。千夏の翌月の命日、別れ際に吉岡は言う、「あなたは私の誇り、尊敬できる女性になりました。約束してね、体を大切にするって、むちゃしすぎないって」。久田は涙を流し、「うん」としか言えなかった。
久田の今の目標は「早く会社を大きくして次にバトンタッチすること」。
「『仰げば尊し』の出だしぐらいは知ってるさ。私みたいなヤツでも、人生何とかなるって、子どもたちに語りたいんだ。反面教師になって、我が師の恩に報いたいよなあ」(4)

朝日新聞「けいざい+」連載:仰げば尊し 14歳 銀座のホステス(2017年5月3日・4日・5日・6日付)
1 元不良少女、今は年商10億円の社長
2 DV・離婚・・・27歳、IT業界へ
3 「知識より気持ち」28歳、起業
4 「師の恩に報いる」42歳誓う

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by tiaokumura | 2017-05-14 13:27 | このブログのこと | Comments(0)


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