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こんな授業・あんな授業(35)FACEBOOK

皆さんは、フェースブック(フェイスブック、FaceBook、FB、Facebook、FACEBOOKなどの表記あり。どれが一番な表記なんじゃろう、「フェイスブック」でしょうか)、やってらっしゃいますか。僕は今春FBデビュー^^。富山国際学院2016年度担当のC組で、担任の徳橋さんと相談してクラスのFBを始めた。メンバー以外は参加できない形態(「クローズド」とか)。C組学生と担当教師だけが参加できる。徳橋さんがルールも設定。でも残念ながら思ったほどの効果(日本語学習上の)が出てない。
2016年度下半期はF組(10月スタート)も週2回担当することに。で、ここでも担任の高崎さんと相談しFBを開設することにした。ここもメンバーだけのFB。高崎さん、FB設置にあたってルールを考え、学生に参加呼びかけ。FB環境がない1人を除き、全員参加しています。今のところ、ここは活発にアクセスされています。日本語教育にはいろんな教材・教具・環境がありますが、こういうFB、イマドキでいいやり方でしょうね。IT教育にもなる。参加学生は初級教科書『大地①』を終わっています。出身国・地域は、中国・ネパール・フィリピン・台湾。
以下、2日間にわたって投稿した記事をご紹介。一部、名前など変更してあります。

皆さんは俳句(はいく)を知っていますか。五七五(ごしちご)の、世界で一番短い詩(し)です。冬の俳句を六句、紹介します。
いくたびも 雪の深さを たずねけり  正岡子規
いくたびも ゆきのふかさを たずねけり  まさおか・しき
作者の子規はとてもひどい病気でいつも布団(ふとん)で寝ています。世話(せわ)をしている妹にたずねました、「雪はどのくらいになりましたか」。母にも同じことをたずねました「雪はどのくらいになりましたか」。何度も何度もたずねます。外の世界がほとんど見られない子規。子規は35歳の誕生日の2日後に亡(な)くなりました。有名な俳句がいくつもあります。「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺(かきくえば かねがなるなり ほうりゅうじ)」が一番有名です。
うまさうな 雪がふうわり ふわりかな  小林一茶
うまそうな ゆきがふううわり ふわりかな  こばやし・いっさ
小林一茶は江戸時代(えどじだい)の俳人(はいじん)です。この間、このFBでAさん・Bさんが富山の雪をアップしていましたね。雪はおいしかったですか。この俳句、「ふうわり ふわり」という表現(ひょうげん)も、とてもすてきです。「うまそうだ」は『大地②』37課で勉強します。一茶の雪の句には「いざ行かむ 雪見に 転ぶところまで(いざゆかん ゆきみに ころぶところまで)」「雪とけて 村いつぱいの 子供かな(ゆきとけて むらいっぱいの こどもかな)」もあります。
をさな子や 文庫に仕舞ふ はつ氷  小林一茶
おさなごや ぶんこにしまう はつごおり  こばやし・いっさ
これも一茶の句です。皆さんは子供の時、大切なものをどこに入れましたか。本棚(ほんだな)に隠(かく)していた人や地面(じめん)に埋(う)めていた人もいるでしょうね。この句の「おさな子」は「幼(おさない)い子供=幼児(ようじ)」です。この冬初めての氷(こおり)-この子はとても大切なものなのです。ですから、文庫(ぶんこ)にしまいました。氷なのですぐに溶(と)けたことでしょうね。大人(おとな)になると忘れてしまう純粋(じゅんすい)な心(こころ)がこの句から伝(つた)わります。
百八の 鐘鳴り止みぬ そとは雪  三橋鷹女
ひゃくやつの かねなりやみぬ そとはゆき  みつはし・たかじょ
日本では新しい年が始まる直前(ちょくぜん)から、除夜(じょや)の鐘(かね)が鳴(な)ります。ゴ~ン、ゴ~~ン。皆さんの中で大晦日(おおみそか=12月31日)の日本が初めての人、今年初めて聞くでしょうね。108、鳴ります。どうして108でしょうか? 四苦八苦(しくはっく)=4×9+8×9=108だからかもしれませんね。この句、今、鐘が鳴り終わりました。鷹女はふと気がついたのでしょうね、外では雪が降っている、と。新しい年がいい年になりますようにと、彼女は思いました。
初雪や 水仙の葉の たはむまで  松尾芭蕉
はつゆきや すいせんのはの たわむまで  まつお・ばしょう
松尾芭蕉は日本人なら誰(だれ)もが知っている俳人(はいじん)。日本人は彼の句をいくつも暗唱(あんしょう)できます。初雪(はつゆき)が降りました。芭蕉はこの時、水仙(すいせん)を見ます。水仙の生命力(せいめいりょく)でしょうか、雪で水仙はたわんでいますが、でも、しっかり生きています。水仙は芭蕉の理想(りそう)の生き方(いきかた)を表(あらわ)しています。芭蕉の最後の句は「旅に病んで 夢は枯れ野を かけめぐる(たびにやんで ゆめはかれのを かけめぐる)」です。
咳の子の なぞなぞあそび きりもなや  中村汀女
せきのこの なぞなぞあそび きりもなや  なかむら・ていじょ
子どもが風邪(かぜ)を引きました。外で遊べない子はお母さんと「なぞなぞ遊び」をしています。「9回さようならを言う乗り物、な~に?」「こわいけどとてもおいしい食べ物、な~に?」「長いのと短いのといつも追いかけっこしてるの、な~に?」「冷蔵庫の中の大きな動物、な~に?」。お母さんはそうじや晩ご飯の用意もあるので、そろそろ止(や)めたいです。でも子どもはいつまでも止めません。お母さんといっしょが嬉(うれ)しいのでしょうね。皆さんの国にも「なぞなぞ遊び」がありますか。
by tiaokumura | 2016-12-31 10:32 | 日本語教育 | Comments(0)


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