早春の楽しみの一つが富山市向新庄にある「隠し文学館 花ざかりの森」である「館長講話」。今年も開催されました、三島展の関連イベントで。最高気温が20℃を超す
3月6日(日)、同館に赴く。
新資料でよみがえる
三島由紀夫 展Ⅸ
「三島、決断の時-『盗賊』から『仮面の告白』へ-」
三島由紀夫は作家活動に専念するため、わずか9か月間ほどで大蔵省を辞めている。20代前半で、大きな転換期を乗り越えた「三島の決断」に、本人の著述、両親、編集者らの証言で迫る。
隠し文学館 花ざかりの森
~3月21日
公式サイト:
こちら
10時過ぎ、文学館着。お庭に
杉田欣次館長のお姿。駐車。僕のことを覚えていてくださった(照)。館内に入り、受付に奥様。こちらも「奥村さん」と呼びかけられ、覚えていてくださったことにちとビックリ。
展示を見る。右側面、今回の関連資料。他のコーナーは過去の資料類の展示。
2階で館長・記念講話「
館長、三島の決断を語る」。
講話前半はこれまでの展覧会のあらまし。後半は「『盗賊』まで」「決断の前後」「『仮面の告白』へ」の3部構成。坂本一亀は昭和23年8月頃に三島と接触してたみたい。坂本は龍一の父、高橋和己も関わってた。三島の父・梓は、正直最初は息子がせっかく得た大蔵省官吏を蹴って小説家になろうなんぞ、とても許せないことだったでしょうね。彼は木村徳三に「一本立ちの作家になれるか」「花形作家になれるかどうか」、問い合わせたそうです。木村はこの件について三島には言っていない。三島はやがて「アウタサイダーばかりの部落」の住人となる。『仮面の告白』では「死刑囚にして死刑執行人」(ボードレール)のスタンス。「裏がえしの自殺」「回復術」がこの作品。
質問ができて、挙手して「・・・僕にとっての三島は、憂国だったりボディビルダーだったり市ヶ谷だったり唐獅子牡丹だったり(略)します。ある人にとっては『命売ります』だったりある人には『金閣寺』、またある人には川端康成やラフカディオ・ハーンだったり(略)。イマドキの言葉で言えば三島の多様性・ダイバーシティ。あるいは三島の豊穣性。杉田さんにお聞きしたいのですが、杉田さんは、三島のどこ・何がこの後も理解され受容されてほしいと思われますか?」と質問しました(照)。
展覧会、これで9回目。来年は10周年になります。