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鴨居玲展@石川県立美術館

鴨居玲展@石川県立美術館_f0030155_1253838.jpg(10月25日午前・記)
1970年代、鴨居洋子の名は知っていたが鴨居玲についてはどの程度知ってたのだろうか。高名なデザイナーの弟、ハンサム(仲代達矢に似ている)だが変わった画家(変わっていない画家なんぞいないのだろうけど^^)程度か。後に、自死したこと・金沢に縁があることなどを知った。
北陸新幹線開業関連イベントだったんでしょうか、東京での鴨居玲展をEテレ「日曜美術館」で知った。やがて金沢に巡回ってことで、鑑賞にいつ行くか考えた末に、10月24日(土)にした。勤務先の富山国際学院、下半期は、新入生の来富、入学式、新入生歓迎会がある上に、学院長としてはいささかしんどいことも2、3あり、金沢に行くかどうか迷ったところもあったのだが、予定通り、昨日、金沢行き。富山国際学院に車を置き、駅まで約10分歩き、マリエの前で10:30金沢行高速バス乗車、930円。第3セクターでしょうか、新幹線開業に伴いJRが「あいの風鉄道」に移管され、富山住みには不便になった。しょうがないんでしょうね、そういうのって。約1時間でバスは金沢駅着。昼食は、菜香樓で「海鮮入り中華粥」。ここ、7年ほど前に石川県鶴来(つるぎ)に仕事で通ってた時に知りました。あの当時、夕食を金沢で摂ってた。中華粥、一口一口ゆっくり食べ、完食できた。
金沢駅から7番バスで広坂。急な上り坂道をやっとかっと^^歩き、美術館に。

没後30年 鴨居玲展 ―踊り候えー
自己を厳しく見つめ、「いのちとは何か、人生とは何か」を鋭く問いかけた洋画家鴨居玲(1928-85)が、昭和60年(1985)9月7日、57歳でこの世を去って早くも30年になります。この間いくつもの大きな回顧展が開かれ、そのつど鴨居の作品は人々を魅了してきました。
生の真実、いのちの明かりを描き出す鴨居の作品を前に、それぞれが自問自答を続ける、これは、重い行為です。こうした行為を強いる絵も珍しいのですが、それが大きな魅力となっているところに鴨居の絵の不思議さがあります。
石川県立美術館
公式サイト:こちら
本展は2015年10月25日で終了(奥村)

展覧会の構成は「Ⅰ初期~安井賞受賞まで」「Ⅱスペイン・パリ時代」「Ⅲ神戸時代―一期の夢の終焉」「Ⅳデッサン」。東京展とは違うのでしょうね、2階で石川県立美術館の鴨居所蔵分なども展示。
鴨居はテーマ・構成・顔の表情・眼・髪の毛に特色があるんでしょうね。ピカソほどデッサンに取り組んだ画家はいませんが、鴨居も膨大なデッサン量。金沢美術工芸専門学校時代の師の宮本三郎の教えに忠実だったんでしょうね。本展、「夜(自画像)」「観音像」「サイコロ」「おっかさん」「夢候よ」「踊り候え」「自画像」「出を待つ(道化師)」「自画像(絶筆)」などなど、代表作はもちろん、多くが鴨居の絶望・希望の両面を描くようで、その迫力に圧倒されることしばしば。「夢候よ」は「憂きもひととき うれしきも 思い醒ませば 夢候よ 何しようぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂え」(閑吟集)から来ている。

観賞をこの日に選んだのは関連イベントのコンサートがあったため。
イ・スンジャ 望郷を歌う
イ・スンジャは鴨居の「望郷を歌う(故高英洋に)」のモデルにもなった在日。コンサートの合間には鴨居との思い出を語る。夫の画家の縁で鴨居と出会う。歌った歌は「アメージング グレース」「鳳仙花・ポンスンファ」「村のお母さん(オモニケシンゴスン)」「涙そうそう」「密陽アリラン」など。
by tiaokumura | 2015-10-24 12:53 | 美術 | Comments(2)
Commented by kaguragawa at 2015-10-25 20:00
[鴨居玲展]行かれたのですね。私は2週間前に行ってきました。
鴨居玲は、富山ではなかなか見る機会もないと思い、どなたかにお勧めるする人がいないかなと思っていて、実は絵好きな奥村さんのことが思い浮かんだのですが、人に勧めるほどうまく鴨居のことを語る自信もなかったので、遠慮しました。帰宅後、司馬遼太郎との交友のことや、富山で描かれた絵のあることも知りました。
重たい課題をもらった気持ちがまだ続いています。
Commented by tiaokumura at 2015-11-03 15:35
kaguragawaさま、いつもコメントありがとうございます。
岩波の「図書」の今月号に「鴨居玲」記事があります。
富山、このあいだまで「暑い、暑い」と言っていたような気がしますが、すっかり寒くなりました。ご自愛を


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