(8月31日夜・記)
トロイアの女原作:エウリピデス
演出:鈴木忠志
出演:
齊藤真紀(老婆/ヘカベ/カッサンドラ) 佐藤ジョンソンあき(少女/アンドロマケ) 藤本康宏(地蔵菩薩/神アポロン) 竹森陽一(廃車の男) 他
今回は『
からたち日記由来』も観たかったが、『
トロイアの女』『
シラノ・ド・ベルジュラック』の2作品にした。
グルメ館で待ってたらアンケート依頼された。地元の方なんでしょうね、富山大学経済学大学院生の作成した用紙をご持参。地域活性のための研究のようでした。お礼に和紙のしおりをいただく。
橋を渡り、
利賀大山房へ。少し温かく時折涼しさを含む川風が心地よい。ひとり・独りがいいような、さびしいような^^。利賀大山房、去年こけら落しの企画を観ました。アップした
写真、まだ来客がない時間に写す。
『
トロイアの女』、僕は今回が初めて。初演は
岩波ホール(高野悦子・支配人)。
早稲田小劇場が一般に広く知られるようになった記念すべき劇でしょうね。鈴木の発言によれば(今公演パンフレット中の、「
『トロイアの女』で試みたこと」―1974年『トロイアの女』初演の演出ノートより」、より引用)、「
この戯曲をとりあげて試みたいことが二つほど」あり、一つは
西洋の戯曲を日本人が演じ、西洋人の演劇の物まねではないものを創る場合に、どんな問題が発生するか見極め、それを解決したいということ。俳優は白石加代子、嶌森皓祐、観世寿夫、市原悦子らだった。この日の上演の後の「鈴木忠志Q&A」で彼が言っていたが、「夢幻能の構造を借りて歌舞伎スタイルも取り入れた」鈴木34歳の演出は大成功だった。もう一つの試みは、『トロイアの女』をとりあげた理由になり、
この戯曲がギリシャ悲劇には珍しく、劇的なストーリーが希薄であること。34歳の鈴木は自らを
私は、確実に訪れるだろうけれども、まったく未知で予測のつかない人生を待ち、想像する人間のいる状況ほど、劇的なものはないと思っている演劇人と規定しています。
今公演、「1階席77」。1~100から入場で、前から3列目中央の席をゲットしました^^。
上演後、「
鈴木忠志Q&A」。会場からの質問に鈴木が答える形式。会場からは(5人が質問)①東京の演劇状況をどう思うか、②利賀での活動について、③「地蔵菩薩」の意味、④「廃車」の演出意図、⑤宗教のこと、⑥鈴木演劇における歌謡曲、⑦多言語での演劇について ⑧下北沢演劇活動のこと、などの質問。
⑥「流行歌以上の人生はない」とのことでした^^。⑦、日本語教師としても興味ある回答。中国語・ドイツ語・日本語・英語での劇の場合を例に、「劇の言語は、意味だけではなく、あるいは意味に依存することなく、リズム・音色・呼吸などによっても構成され、俳優は体で台詞を覚える」といったような意味の回答でした。
鈴木メソッドって、ユニバーサルなんでしょうね。