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いま子どもたちは「国境を越える」(朝日新聞連載)

朝日新聞の教育面の連載「いま子どもたちは」の今回のテーマは「国境を越える」。類似テーマは何年か前にもあって、当ブログで紹介してるはず。今回は「外国にルーツがある子どもとその周囲の子たちの成長を、大阪の府立高校で追います」(第1回)。2014年7月16日~7月26日、全8回。連載の署名記者は玉置太郎。
以下、各回の「見出し」「外国にルーツがある子ども(年齢・敬称は略)」「その外国」「在籍または出身高校」を紹介。
①副主将は南米生まれ キムラ・ラファエル ブラジル 大阪府立長吉高校
②自分のルーツ ちゃんと名乗ろう 高頌恩 韓国 大阪府立門真なみはや高校
③ハングリー精神で職人魂を吸収 ダビッド・マーク・ジョセフ フィリピン 大阪府立布施北高校
④生徒会通じ、みんなを一つに 王華穎 中国 大阪府立布施北高校
⑤離れていても、がんばる原動力 黄喬羽 台湾 大阪府立門真なみはや高校
⑥きっかけは日本の野球アニメ 梅田敏昭 フィリピン 大阪府立八尾北高校
⑦めざすは「世界の保育士」 ルビオ・パトリシア フィリピン 大阪府立布施北高校
⑧中国出身、部活で誇り持てた 篠﨑誠 中国 大阪府立成美高校

僕は勤務先の富山国際学院で昨年度は4人の「外国にルーツがある子どもたち」の高校進学に関わった。運が良かったんでしょうね、中国・女子1人は10月入学、フイリピン・男子1人・女子1人は4月編入学、中国・女子1人は4月新入学と、それぞれ結果を出してくれた。
高校進学支援授業は初めてではありませんが、富山県立Y高校の3種類の入学試験に対処しなきゃなんないのですから、自分なりに綿密な「作戦」を立てた。どこで得点ができて、どこは「捨てる」べきか。英語・数学・作文・面接などの補習では、自分の指導への責任を持つ意味で、1回につき500円を徴収。保護者にはもし合格できなかったらお金は返すと「宣言」^^してしまった。ムボーですよね(大汗)。でも「結果が全て」「有言実行」だと開き直った。
今年度は今のところ「自信」が全くわかない。年のせいもあるんでしょうね。高校進学のニーズはあるのでしょうが、今のところ「見て見ぬふり」。教育者失格ですね、自分。

今回の朝日の連載1回目に、「外国籍・中国帰国生徒の高校入試特別枠」も紹介されている。全国で19都府県が特別枠を設置。例えば、大阪府は定員枠が5校各5%で入試科目は数英作、受験資格は小4以上編入。富山県教育委員会は「28道県」です。富山県公立高校入試では、受験生の希望があれば「ふりがな」をつけてくれるだけです。上述のY高校の入試も、日本人と同条件での受験です。
多言語や多文化に通じた子どもは国の財産だ」(鍛冶至・大阪成蹊大学准教授)は確かだが、現状では、「日本」にも「外国」にも通じなく、「日本語」も「外国語」も中途半端で、アイデンティティが不成立で、進学も(ひいては就職や結婚も)立ち行かない子どもたちが、社会に放り出されるばかりなのではないだろうか。教育は大切なインフラでありセーフティネット。←そんなことを発言する自分は「善意ある第三者」で安全地帯で能書きを垂れてるだけ。そんな「アリバイ作り」をする人間が、一番始末が悪い、か。

高校進学できたからそれで済むわけではない。中退者も多い。「外国にルーツがある子どもたち」の人生について、進学も含めたユニバーサルデザインのようなものが必要なんでしょうね。
by tiaokumura | 2014-07-26 11:54 | 日本語教育 | Comments(0)


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