(8月28日朝・記)
高田みどりの打楽器と高野山南山進流聲明
羯諦羯諦-行く者よ、去り行く者よ-@利賀大山房
作曲:高田みどり
舞台構成:鈴木忠志
演奏:高田みどり
聲明:SAMGHA/真言聲明の会(井川崇高 小柴光慈 古賀一弘 岡田真実 岩木芳範 加波祐正)
俳優:加藤雅治(車椅子の男) 内藤千恵子(車椅子の女) 他
聲明曲目:
大般若表白(だいはんにゃひょうひゃく) 般若心経(はんにゃしんぎょう)和訳 云何唄(うんがばい) 散華(さんげ) 対揚(たいよう) 般若心経(はんにゃしんぎょう)漢訳 舎利禮(しゃりらい)
20年以上前になるか、酒井某というお名前だったか、富山の女性で音楽や演劇などで地方ではふつうなかなか鑑賞できない作品をプロデュースする方がおられた。何よりもまずご自分が観たい・聴きたいものを選んでたのでしょうが、その審美眼・企画力・行動力はすばらしかった。時代が早すぎたのか、あるいは富山と云う風土のせいか、何回かで彼女のプログラムはなくなった。僕が富山能楽堂で天台だったか真言だったか
聲明(しょうみょう。声明)を鑑賞できたのは彼女のおかげだった。今頃、彼女はどうなさっているのだろう。そんなことも思い出させた本公演だった。
会場は
利賀大山房。ここは利賀中村体育館でこの日がその改築オープンでもあった。新聞記事によると「鉄骨1200㎡で、黒を基調とした板張りのステージや約400の観覧席」(北日本新聞8月25日付)だそうである。他の劇場と同じく磯崎新の設計になるのでしょうか。
本公演は「昨秋亡くなったSCOT創立メンバーでプロデューサーの斉藤郁子さんへの追悼の思いも込め」(同記事)た公演である。恥ずかしながら、
斉藤郁子という名は全然知らなかった。そういう方がおられるだろうことは想像していたが、固有名詞で知ったのは今回の公演申し込みをしたとき。
早稲田小劇場以来の、鈴木忠志の同志・戦友・良きパートナーだったんでしょうね。
高田みどりの「公演にあたって」より一部引用。
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生きとし生けるものは、何処へ向かうのか、この人間の永遠の問いに、大いなる智慧をもって答える精神の深き伝統こそ、聲明という響きの源であり、彼岸を見据えて生きた多くの人々の身体の記憶なのである。
SAMGHAは「ひとつの目標に集う人達」という意味のインドの古い言葉だそうです。「同志」ってことでしょうか。