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禿の女歌手

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(8月27日朝・記)
8月24日(土)@利賀

インターナショナルSCOT公演。第1弾
禿の女歌手@利賀山房
演出:マティア・セバスティアン(イタリア)
作:ウージェーヌ・イヨネスコ
俳優:
アグニア・レオノーヴァ(リトアニア。女中メアリィ) キアラ・ナンティ(イタリア。スミス夫人) グ・ジンシェン(中国。スミス氏) カメロン・スティール(アメリカ。幻想の女中) イ・ソンウォン(韓国。マーチン氏) ジョウ・イェンイェン(中国。マーチン夫人) ガイア・ロズベルグ(デンマーク。消防署長)
芸術総監督:鈴木忠志

インターナショナルSCOTとは、公演ちらしによると
スズキ・トレーニング・メソッドを学んだ世界の優れた演出家、俳優により結成された利賀を本拠とする集団・・・・現在のメンバーは、中国、韓国、アメリカ、イタリア、デンマーク、リトアニアから選ばれた8名。・・・日本のSCOTと同じように、国際的な上演活動やスズキ・トレーニング・メソッドの教育活動を行う。
とのことです。

第2次世界大戦後10年過ぎた頃からだろうか、イッヒ・ロマン、ヌーヴォー・ロマン、アンチ・テアトル、ヌーヴェル・ヴァーグなど、文学・演劇・映画・美術などで新しい運動が世界各地(とりわけヨーロッパ)で起こった。戦争や革命をどうとらえるか-従来だったら、それでも人間を信じる「ヒューマニズム」に流れ込んだのでしょうが、あまりに悲惨な戦争体験はそんなレベルで収まりきらない影響を与えたのでしょうね。実存主義・不条理がはやる。アルベール・カミュの「シジュフォスの神話」はその最たるものでしょうね。「反演劇」の旗手がウージェーヌ・イヨネスコ(Eugène Ionesco1909-94)。それまでの演劇の文法や作劇術や予定調和を、完全に否定するものだった。今回の劇では、英語・中国語・朝鮮語・イタリア語・ロシア語(?)などが飛び交う。観客は、字幕はあるが(それとて意図的に、なんでしょうね、日本語訳がつかない部分も多い)、「理解」できない苛立ちと不安にさいなまれる。言語の解体、ブラック・ユーモア、非論理の世界、思考停止。

アップした写真は、利賀山房磯崎新の設計です。
by tiaokumura | 2013-08-24 14:30 | 富山 | Comments(0)


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