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リア王@新利賀山房

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(9月2日午後・記)
鈴木版『リア王』を観るのは3回目である。1回目はNHK教育TVで、2回目は富山県民会館で。1回目は俳優全員が外国人で英語の台詞。2回目はキャストが全員男優で演じられていた。

リア王
初演:1984年12月28・29日@利賀山房
原作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:鈴木忠志
美術:戸村孝子
衣裳:岡本孝子
主な俳優:新堀清純(リア王) 内藤千恵子(ゴネリル) 齋藤真紀(リーガン) 高野綾(コーディーリア)  蔦森皓祐(グロスター) 石川治男(エドガー) Kameron Steele(エドモンド)
音楽:ヘンデル「ラールゴ」 チャイコフスキー「スペインの踊り」 ライバッハ「KRST(BAPTISM) 中田章・作曲 吉丸一昌・作詞「早春賦」

アップした写真、開幕直後。中央の人物、リア王です。写真ではずいぶん距離感がありますが、新利賀山房磯崎新・設計)は「間口16間半・奥行き7間半」で「三方から見る客席配置は能舞台に近」く「舞台から客席最後部まで約6.6m」(パンフレット「富山県利賀芸術公園」より引用)です。俳優の汗やつばきも見える劇空間です。

鈴木忠志「世界は病院である」より引用。
世界あるいは地球上は病院で、その中に人間は住んでいるのではないか、私は、この視点から、多くの舞台を創ってきた。・・・ここ数年の私の演出作品は舞台上のシチュエーションがほとんど病院になっている。それも単なる病院ではなく、精神病院である。
・・・主人公は家族の絆が崩壊し、病院の中で孤独のうちに死を待つしかない老人・・・老人の孤独感とそれゆえに精神的な平衡、あるいは平静さを失う人間の弱さや、惨めさに焦点をあて、それは時代や民族の生活習慣を越えて普遍的な事実なのだということを強く主張しようとした・・・世界あるいは地球全体が病院だと見做す視点・・・
世界あるいは地球全体が病院である以上、快癒の希望はないかもしれない。しかし、いったい人間はどういう精神上の病気にかかっているのかを解明することは、それが努力として虚しいことになるとしても、やはり現代を芸術家(創造者)として生きる人間に課せられた責務だと信じている。

4時過ぎに上演、6時前に終演。
夕食はコンビニで買っておいたおにぎり&お茶、それに総合案内所で買った利賀のお餅。次の『世界の果てからこんにちは』までの待ち時間、持参した本、
梅原猛『梅原猛の授業 能を観る』(朝日出版)
を読み耽る。
by tiaokumura | 2012-09-01 18:04 | 富山 | Comments(0)


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