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徳川美術館展 大名文化の華 尾張徳川家の至宝@富山県水墨美術館

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海の日の今日、
富山県水墨美術館
徳川美術館展 大名文化の華 尾張徳川家の至宝

を観に行ってきた。
徳川美術館と云えば「源氏物語絵巻」だが、本展は「徳川美術館の収蔵の中から、茶の湯道具・香道具・能道具に焦点を当て、江戸時代の大名の教養やたしなみなど、そこで培われてきた文化を見つめていこうとする企画」(同展図録p5)。右にアップした写真は本展図録です。
富山県民にずいぶん人気のある展覧会なんでしょうね、11時前に美術館に着いたのですが表の駐車場は満員、裏手に駐車。真夏日、でしょうか、暑い。
本展覧会は会期が6月15日~7月29日の約1か月半の長丁場で、7月9日に展示替え。僕は前期は観ていませんので後期のみの鑑賞になる。
調べ物をするのにいつも重宝している『大日本人名辭書』(講談社学術文庫)の「徳川氏」の系譜(第五巻p37)によると、家康には9男4女いる。信康が長男、秀忠が3男で、尾張徳川家初代の義直は10子目で7男にあたる。同じく『大日本人名辭書』の「トクガハヨシナホ」によると、「義直超然聖教を尊崇し儒術を信用し、聖廟を建て、堯、舜、禹、周公、孔子の像を安置し、礼楽諸器を備へ釈尊の儀を行ひ、経籍一千部を置く。文物の盛んなる一時諸侯に比なき所とす」(第三巻p1780中段。句読点・常用漢字化は奥村に拠る)。

会場、混雑していたので展示室2の能道具から先に観る(本来の順路は展示室1の茶・香→展示室2の能)。能面が孫次郎・曲見(しゃくみ)・痩女(やせおんな)など10面、能装束が白地銀桜花文摺箔(しろじぎんおうかもんすりはく)など7点、扇が三段水巻鎮扇(観世流)など10面、楽器が能管など4点、その他。尾張徳川家は「初代義直以来金春流をシテとして重用・・・三代綱誠は宝生流を金春流と同格に扱い、・・・十代斉朝の時代に観世流も重用」(図録p51コラム「尾張徳川家伝来の能面」)だそうです。
展示室1へ。「茶の湯道具」には、「石山切 貫之集下」「御家切 古今和歌集(藤原俊成筆)」「竹茶杓 銘窓竹(小堀遠州作)」など。香道具には、後期の目玉なんでしょうね、「国宝 初音蒔絵沈箱(はつねまきえじんばこ)」。初音の調度とは「寛永十六年(1639)九月二十二日、三代将軍家光の娘千代姫が、尾張徳川家二代光友の婚嫁する際持参した調度」(図録p42)で、「沈箱は香木を入れる箱で、・・・中に小箱六合を納める。小箱には『源氏物語』の「桐壺」「箒木」「若紫」「紅葉賀」「花宴」「葵」の帖にちなむモチーフがそれぞれ表されている。」。(図録p43)。他に香炉・香合・香木など。
大名はパトロンであると同時に表現者でもあった。多くの大名家の貴重な文化遺産が散逸した中で、こうして御三家筆頭尾張徳川家の伝統文化が守り伝えられているのは、冷泉家同様に誇らしいことになるのでしょうね。あまり期待せずに行った展覧会ですが、かなり堪能できました。7月21日(土)に「和楽器コンサート」と「ギャラリートーク」があるので、もう1回出かけようかと思っています。今回は富山信用金庫からもらった招待券でタダでした(照)。
昼食、館内のレストランで。食べられそうなものがなく、抹茶クリームぜんざいをいただく。
by tiaokumura | 2012-07-16 14:12 | 富山 | Comments(0)


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