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レスタリさん、介護福祉士国家試験に合格

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経済連携協定(EPA)に基づいて来日し、魚津市の施設で働いてきたインドネシア人のレスタリ・ラハイユさんが28日、介護福祉士の国家試験に合格した。異国の地で3年間、日本語を学び、介護の研修を続けた苦労が実り、職員と共に吉報を喜んだ。
朝日新聞富山版2012年3月29日付より、アップした写真も同)

皆さんはご存知でしょうか、EPAに基づきインドネシア人・フィリピン人の看護師候補者・介護福祉士候補者の方々が来日され、日本各地の病院・施設で研修しながら国家試験合格・資格取得を目指してらっしゃることを。
レスタリ・ラハイユさん(愛称「タリさん」)はスマトラ島のご出身。2008年に来日され、2009年1月から魚津(うおづ)市にある特別養護老人ホーム「新川ヴィーラ」で実務を学びながら介護福祉士国家試験合格を目指してこられた。ご縁があって富山国際学院が日本語研修に参加させていただき僕も3回ほど代講で授業を担当した。
タリさんは、今年1月末の筆記試験に合格、今月4日の実技試験の結果が昨日発表になり、みごと難関を突破されました。日本人を含む全体の合格率は63.9%(かなり厳しいですよね)、インドネシア人・フィリピン人は95人受験36人合格(合格率は37.9%)でした。試験内容は異なりますが、同じ頃あった看護師国家試験のインドネシア人・フィリピン人の合格率は約11%でした。

タリさんの合格はきわめて喜ばしいことですが、このプロジェクト、課題・問題点はまだまだ抱えたままでもある。僕が思いつくだけでも、①外務省・経済産業省・厚生労働省の「縦割り行政」の弊害、②日本語教育専門家が当初から加わっていないことによる日本語教育の出遅れ、③受け入れ施設側の大きな負担、④そして何よりも候補者たちのさまざまな不安・不安定、⑤現場で「外国人」を受け入れるにあたってどんな能力を必要とするのか(専門能力・日本語力)がはっきりしていない、⑥ボランティアあるいはボランチ精神への依存し過ぎ などなど。
このあとも候補者の来日はある。彼ら・彼女らに限らず、「外国人」が夢と希望を抱いて来日し、日本に失望して挫折して失意を抱いて(最悪の場合は「反日感情」)帰国、ということがないように願いたい。日本国・日本人がこのままじゃ立ち行かないのは明らかな時代状況ですもんね。

タリさん、合格おめでとうございました!
これからのご活躍を期待しています。
後輩たちのご指導もよろしくお願いします。
by tiaokumura | 2012-03-29 08:34 | 日本語教育 | Comments(0)


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