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4回目の入退院

1月5日の朝入院し、7日の昼前退院しました。2・3回目の入院がそうであったように、今回の入院も「シスプラチン」が主目的でした。11月9日付の記事「立冬の夜、3回目の退院」記事中に時系列で末期癌患者の入退院と化学療法(僕の場合はTS1シスプラチン)がまとめてあるので、それ及び続きを以下に。
6月20日 1回目の入院
6月27日 胃・脾臓・膵臓全摘出、肝臓一部切除手術
7月5日~28日 化学療法・TS1服薬(1クール目)
7月22日 化学療法・シスプラチン点滴注射(1回目)
8月5日 退院
8月5日~18日 化学療法・TS1服薬(2クール目)
9月2日~15日 化学療法・TS1服薬(3クール目)
9月9日 2回目の入院
9月9日 化学療法・シスプラチン点滴注射(2回目)
9月16日 退院
9月26日~10月14日 化学療法・TS1服薬(4クール目)
10月28日~11月10日 化学療法・TS1服薬(5クール目)
11月4日 3回目の入院
11月4日 化学療法・シスプラチン点滴注射(3回目)
11月8日 退院
11月25日~12月8日 化学療法・TS1服薬(6クール目)
12月30日~1月12日(予定) 化学療法・TS1服薬(7クール目)
1月5日 4回目の入院
1月6日 化学療法・シスプラチン点滴注射(4回目)
1月7日 退院

1月4日(水)
仕事始め。年賀状整理など。3時半、歯医者。
1月5日(木)
8時半前、病院受付。血圧検査(106-67.脈拍62)、検温(36.7度)。外科前で待つ。讀賣、向田邦子『無名仮名人名録』(文春文庫)。10時頃、ナースが迎えに。その直前、隣の男性に話しかけられる。初めは誰かわからなかったが、マスクを外した顔に見覚えあり。前回の退院時に同じ病室になったTさんだった。Tさんも僕と同じ胃全摘、僕の胃癌後輩^^かも。Tさんには前回別れ際にこのブログのことも宣伝しておいた^^。今回はTさんもシスプラチンだそうで、ただし彼は1泊2日。4F病棟のTさんと同じ部屋に入る。
昼食、夕食。『無名仮名~』読了。10時就寝。
1月6日(金)
6時半起床。採血、血圧・体温。朝食が7時からだと思ってたが7時半からだった。向田邦子『霊長類ヒト科動物図鑑』(文春文庫)。朝食後、売店で讀賣・日経。点滴4本のうち1本目開始。昼食。NHK-Gの昼の番組が小笠原の父島からでTさんの娘さんご夫婦がご出演。昼食後、シスプラチン。『霊長類ヒト科~』読み耽る。夕食。TVはほとんど見ず専ら読書。
11時に寝ようと思ったが、昨夜寝すぎのせいかなかなか寝付かれず、結局寝たのは2時過ぎだった。隣りのベッドのいびきもひどかった。自分もそうかもしれないので「お互い様」かも。『霊長類ヒト科~』読了、他に『富山から拡がる交通革命』『書くことが思いつかない人のための文章教室』も少し。
1月7日(土)
4時半頃ふと目覚めたら「あさだち」だった(照)。手術後初めてかも。健康回復のバロメーターになるかな^^。でも排尿したらぐったりだったから喜んでもおられんかも。相手もおらんことだし(激爆)。7時起床。7時半朝食。体重計に乗ったら56.1kgもあった。手術後最高記録。8時、1Fの売店で讀賣・日経。同じく1FのPCでブログ&メールのチエック。朝食後の薬は、一番大切なTS1、シスプラチンに付随するイメンド・デカドロン、消化系のウビロン・タフマック・酸化マグネシウムの計6種。
向田邦子『女の人差し指』(文春文庫)、1/3ほど読む。
今回の食
病院食は相変わらずあまり入らない。初日の昼食は「軟ごはん」で2食目からは「全かゆ」にしてもらう。これとデザート(バナナやゼリーなど)はほぼ8割以上食べられたが、あとの副食・みそ汁は1~3割がやっとか。家からは、どうせそうなるだろうってことで、ブリかま塩焼き・鮭塩焼き・佃煮類(田作り・フナ甘露煮・ニシン昆布巻き・しそ昆布)といった副食を持参し少しずつ食べた。あと売店でおかゆのトッピング用に「ごはんですよ」「いか塩辛」、間食用に黒かりんとう・チーズ・大福・草もち・みかんを購入。干しいもを持参。
向田邦子
前回に続き今回も向田本。文春文庫の3冊持参。向田は僕より17歳年上、父母の妹・僕のおばにあたるような年齢でしょうか。エッセイの妙をたっぷり味わったのですが、段落の考え、読点の打ち所などちょっと気になった。17歳の年齢差があると50ページに1回くらいわからない言葉も出てくる。説明がついていたり文脈からはっきりわかる場合はいいのですが、一読目は「?」のままってのもいくつか残った。『無名仮名~』では
ひとかたけ(の弁当) 居職 (家族だけでやっている)小体な(店構え) 冥利が悪くて(出来ない) 到来物
『霊長類~』では
食べはぐってしまって 眼性がいい 甘噛みされたりして (人を待たせるにも程があると、)中っ腹にもなっていた マグレブ三国 (黒く汚れた)薪ざっぽう(のような二本の足) ささら(を使って流しを磨いていた姿) 気伏っせ
これらの中では「ひとかたけ」「中っ腹」「薪ざっぽう」「気伏っせ」が今もまだいまひとつはっきりしない。だからって夜も眠れないってぇわけじゃあありませんが^^。
「弘法にも筆の誤り」でしょうか、向田さんにも間違いってあるんですね。『無名~』のp.94に「元旦の朝」あり。
向田さんではないのですが「新年明けましておめでとうございます」も間違いですよね。新年が明けたら翌新年になっちゃいますもんね^^。でも「これは」って人もこう書いてらっしゃるのを目にすると、これでもいいのかとも思う。その人の気持ちでは「新年があけまして」ではなくって、「新年です(新年になりました/新年を迎えました)。明けまして~」なんでしょうね。

10時半から主治医のTドクから今後の治療のことなど、1時間ほど丁寧に説明していただいた。次回の診察は1月20日(金)8時半。
今日は土曜日で事務は休み。入院費用の請求は後日郵送されてくるとのことで今日の支払いはなし。11時半過ぎ、病院を後にする。入院後全く病院の外に出てなかった3日間、最高が3℃くらいで最低がー1℃前後だった。51時間ぶりの「外」、ひんやりしてて気持ちがよかった。積雪量も苦にならない。入院中置いておいた車に乗る。
家への帰り、本屋に寄る。「退院祝い」を自分で買おうと思った(照)。前から読みたいと思っていた加藤陽子の本があったので購入。『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』。『ローマの休日』『第3の男』などと同じシリーズでしょうね、DVD『市民ケーン』『カサブランカ』も購入。あと4年ぶりに『富山県 最近5年間公立高校入試問題』も。
by tiaokumura | 2012-01-07 16:26 | 癌日記 | Comments(4)
Commented by 増山 at 2012-01-10 14:52 x
食生活、依然として大変そうですね。今のうちの子(1歳2ヶ月)の方が、量といい種類といい食べられるかも。

『和民』のメニューでしたら、食べられるのでしたっけ?新年会、私も参加します。私も“初”『和民』です。おおいに食べ、おおいに話し、笑いましょう!楽しみにしています。
Commented by tiaokumura at 2012-01-15 11:39
増山さま、新年会は出席できず残念。活発だったようですね。
シスプラチンから1週間が過ぎ、食生活少しよくなってきたかなあ。
なかなかお会いできませんが、本年もよろしくお願いいたします。当ブログもご贔屓に^^。
Commented by okinbo at 2012-01-19 17:51 x
<向田邦子>「無名仮名~」では、「ひとかたけ(の弁当)」について…「一読目は[?]のまま…今もまだいまひとつはっきりしない」とのことでした。
「ひとかたけ」は、たしかに最近めったに耳にしないコトバですが、わたしどもの年齢では、ちょっとなつかしい気がしないでもありません。
簑島良二さんの『日本のまんなか・とやま弁』(北日本新聞社)では、こう解説しています。
ヒトカタケ[一片餉]=一食。江戸時代までは一日二食が普通だったので、片餉とは一食のこと。
カタケ[片食]=一回の食事。笥(け)は食事を盛る器。
なお私見では、このカタ[片]はヤマトコトバのカタ[方・形・型・肩・潟]やカツ[且・勝・合・搗]、カド[角]などに通じるk-t(d)音タイプのコトバです。さらには、漢語のカツ[割]kat>geや英語のcutなどとも同源の可能性があると思うのですが、いかがでしょうか?
Commented by tiaokumura at 2012-01-21 15:29
okinboさま、有馬皇子の歌に確か「家にあれば笥に盛る飯を草枕・・・」ってのありましたよね。方言周圏論、地方に由緒ある言葉が残っているのでしょうね。「ひとかたけ」ご教示、ありがとうございました!
先生の音韻論に基づく語源解釈(言霊)、またいつか親しくお話が聞けたらと願っております。
長文のコメント、ありがとうございました。これからもよろしくお願い申し上げます。


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